投資・資産運用
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2020.11.20

株式投資をやっている人の割合は?資産運用をしているのはどんな人たち?

(写真=moonrise/stock.adobe.com)
(写真=moonrise/stock.adobe.com)

アメリカやユーロエリアに比べ、資産運用は現金・貯金の割合が大半を占めている日本ですが、近年「貯蓄から投資へ」のスローガンのもと、投資を促すためのさまざまな制度が実施されてきており、投資を始める環境は整ってきています。

また、ネット取引の普及により手軽さが増し、手数料の低さもあって、若年層から会社員、年金生活者や主婦まで、多くの人が投資を始めてきています。本記事では、大きく普及し始めた日本の資産運用の実態について、とくにビジネス世代の視点から見ていきます。また、私たちの資産運用に有利な税制優遇策やしくみについて解説します。

 

ビジネスパーソンも、多くが資産運用を始めている

GMOあおぞらネット銀行が2019年7月に行った1,000名によるWebアンケートによると20~40代のビジネスパーソンは約4割が将来の資産形成のため、株式投資を含む、何らかの資産運用を行っており、不動産を除く保有資産の平均額は1,200万円と回答されています。

資産運用に用いている金融商品は、全体の43.7%が株式投資、35.6%が投資信託となっています。配当金や値上がり益が期待でき、株主優待も取得できる国内株式投資が最も人気を集めており、次いで、比較的リスクも低く、積立投資のしやすい投資信託や公社債などの債券投資が選ばれているわけです。

また、アメリカなどの外国株式は、現状の保有割合こそ株式、投資信託に準ずるものの、近年好調が続いており、売買手数料も低下してきていることから注目を集めています。

このようにビジネスパーソンが資産運用を行う理由はなんでしょうか。日本証券業協会が発表した「個人投資家の証券投資に関する意識調査」によれば、株投資への検討をしたきっかけとして、20代~30代では、主に「将来の生活に不安」があるから、というものが最も多く49.6%を占めました。「今の収入を増やしたい」という回答も42.7%を占めており、投資による収入の増加や株主優待の取得による現金支出の削減を期待しているようです。

 
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たしかに現状を見ると、ビジネスパーソンの取り巻く税負担は増加傾向にあります。消費税の増税や社会保険料の総報酬制への移行などによる可処分所得の減少があり、世界的な経済の停滞から賃金上昇率も鈍化が予想されます。退職後の老齢年金の条件悪化の懸念や、退職金制度を廃止する企業の増加などさまざまな経済的逆境にさらされています。

その解決策として資産運用が選ばれ、特に比較的高いリターンが期待できる株式投資が人気を集める要因となっています。

 

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資産運用には低リスクではじめられる手法も存在する

資産運用における最大のリスクとは、損失を抱えることではありません。リスクコントロールを誤り再起不能な損失を負ってしまい、資産運用を退場せざるを得なくなってしまうことです。

資産運用において用途が決まっている資金をリスク資産に回してしまうのは、挽回不可能なほどの損失を負うリスクを高めてしまうことになります。そのため、当面は使う予定のない「余裕資金」で行うことが鉄則です。

しかし、余裕資金は自然にできるわけではなく、家計収支の見直しなどによって作り出す必要があります。ここで必要なのが「先取り貯金」という考え方です。これにより、効率的に余裕資金を準備していくことができるのです。

先取り貯金を利用した投資手法とは

年収ごとの資産構成を確認すると、年収が低いうちは預貯金や定期貯金などの安全性の高い資産の保有割合が多く、年収が増加するに従って安全資産が減り、有価証券などのリスク資産の割合が増えていく傾向にあります。

これは、年収の高い人は増加した収入を支出に回さず、資産運用に回しているためと推測されます。

増加した収入をそのまま支出にあててしまうと、定年退職などで収入が減少した場合に支出の減少が追い付かず、老後貧困に陥りかねません。

増加した収入を確実に貯金に回すためには、先取り貯金がおすすめです。

先取り貯金とは、使わずに残ったお金を貯金に回すのではなく、収入の内から一定額を予め貯金に回しておき、残ったお金で生活する方法です。

安全に資産運用を行うには、この先取り貯金に回すお金を収入の3割とすることが最初の目標です。その3割の貯金の半分を投資に回し、老後資金の準備を始めましょう。

最初は少額かもしれませんが、現在は少ない投資額で購入できる投資信託や単元未満株・ミニ株といった金融商品も充実してきています。月々少額の分散・積み立て投資を行いながら経験を積める環境は十分整っているといえるでしょう。

もう半分は預貯金などですぐに現金化できるようにしておき、病気などで緊急にお金が必要になったときの備えとします。

この手元資金という緩衝領域がないと、緊急時に金融商品を換金しなければならず、複利効果が弱まるほか、場合によっては損失を被ってしまう恐れもあります。

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NISA、つみたてNISA、そして新NISAの仕組み

ビジネスパーソンの「貯蓄から投資へ」を後押しする制度「NISA」「つみたてNISA」。ここからはこのNISAとつみたてNISA、そして2024年から始まるNISAの後継制度である「新NISA」について、要点を絞って解説していきます。

NISAの仕組み

NISAは投資金額が年間120万円まで利用することができます。

投資対象となる金融商品は上場株式・投資信託・ETF(上場投資信託)など利用可能で、つみたてNISAよりも投資金額が大きく投資対象が広いといった特徴があります。

年間の投資金額が比較的大きいことから、まとまった資金がある場合に適しています。

譲渡益や分配金の利益が非課税となる期間は、つみたてNISAより短く、5年間までとなっています。期間が満了したNISA口座の有価証券を、新たなNISA口座に移管(ロールオーバーという)することで、さらに5年間、非課税で運用することも可能です。また、一般口座や特定口座に時価で移して、通常の取引をすることもできます。

また、NISAの口座開設は2023年末までとなっており、2024年からは新NISAへ移行されることになっています。

つみたてNISAの仕組み

つみたてNISAは投資金額が年間40万円まで利用することができます。

投資対象はNISAよりも絞られており、金融庁が定める購入時手数料がゼロで信託報酬が一定以下などの長期保有に適した投資信託と一部のETFのみとなっています。個別株式には投資できませんので、株主優待を利用したい場合などはNISAを選択することになります。

譲渡益や分配金の利益が非課税となる期間が20年と長く、投資金額が低く設定されていることから、少額の資金を積み立てていく場合に適しています。

新NISAの仕組み

2024年から開始が予定されている新NISAは、現行のNISAとつみたてNISAを統合・強化した制度となる予定です。

新NISAの特徴は、2階建ての構成となっている点です。1階部分はつみたてNISAと同様に、金融庁が定めた長期投資に適合した投資信託に対し、年間20万円まで投資することができます。2階部分は株式投資や投資信託などが投資対象となっており、年間102万円まで投資可能です。

NISAとの相違点として、ハイレバレッジのブルベア型投資信託など比較的リスクの高い金融商品には利用できないことがあげられます。譲渡益や配当金の利益が非課税となる期間は5年間で、投資金額は1階2階合わせて合計122万円とやや増額されています。

 
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資産運用に有利な税制優遇制度とは?

株式投資で資産を増やすには、投資した株の株価が値上がりし、投資額よりも高い金額で売却することで、その差分(キャピタルゲイン)を得ることをイメージする人も多いでしょう。

このとき、通常は株式や投資信託の売買にともなう譲渡益や配当金には申告分離課税により、20.315%の所得税等が源泉徴収されることになります。

しかし、2014年より実施されている、日本に住所のある20歳以上の方なら誰でも利用できるNISA及びつみたてNISAを利用すると、一定の要件を満たすことでこの税金が差し引かれなくなります。

この非課税制度から、NISA・つみたてNISAは、資産運用を行う際に重要な税制優遇制度です。近年の日本における投資の普及は、このNISA制度が一役買っているといえます。これらの仕組みを確認し、活用することで、有利な資産運用ができるということなのです。

資産運用をしている人の特徴は?

資産運用でもっとも人気の高い株式投資ですが、実際にどんな人たちが、どのように行っているのでしょうか。前述の「個人投資家の証券投資に関する意識調査」によると、株式投資などの資産運用は、職種問わず幅広い人が実践していますが、年収が多いほど有価証券を保有する額が多くなっています。

また、金融商品の取引方法は、金融ビッグバンによりネット系証券会社が多く参入したことから、ネット取引での手数料引き下げ競争が始まり、以前では考えられないような水準まで低下しています。その結果、金融商品の売買取引はネット取引が8割近くを占め、現在では70歳でもネット取引を活用しているとするデータもあります。

現在はスマートフォンの普及により場所を選ばず、アプリでチャートデータなどを確認しながら株式を売買できるようになっており、利便性がますます高まっています。このあたりも、日中は業務に忙しいビジネスパーソンが株式投資を始めやすい理由となっているようです。

スマホで少額から始めやすい「ミニ株」取引も

投資には少なくない資金が必要、と二の足を踏んでいる方も多くいます。その主な原因は、株式の最低購入単位です。一般に株は100株単位での取引するため、株価×100の金額が必要となるためです。しかし、ネット証券の中には、もっと小さな単位で株の取引ができるサービスがあります。これをミニ株投資といい、通常の株式投資と比較して少額で投資を始めることができます。

ミニ株おすすめ証券会社比較一覧表
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東証、名証上場銘柄

dポイントで投資できる
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(一定のスプレッドが加減算される)
SMBC日興証券が指定する銘柄

老後っていつから始まる?いくら必要?

20代~40代の株投資を検討したきっかけに「将来の生活に不安」があることを前掲しました。将来の不安には老後が意識されますが、この老後というとまず思い浮かべるのが定年退職後の生活でしょう。

2013年に高年齢者雇用安定法が改正されたことで、現在の定年退職制度は少々複雑な状態となっています。ほとんどの企業で社員が一定の年齢に達すると雇用契約が解除となる定年退職制度が就業規則によって定められていますが、以前まで定年退職年齢は60歳が一般的でした。それが現在では、企業によって次の3つのいずれかの制度へと変更されています。

  • 定年退職の廃止
  • 定年退職年齢の65歳以上への引き上げ
  • 継続雇用制度の導入

このうち、ほとんどの企業で「継続雇用制度の導入」が選択されており、老後に移行するタイミングに差異が生じ始めています。

継続雇用制度とは?

継続雇用制度は、改正高年齢者雇用安定法の施行により65歳までの就労機会の確保を目的としており、「勤務延長制度」と「再雇用制度」の2種類があります。

一般的に採用されているのは再雇用制度の方で、これは60歳に達した時点で一度退職し、異なる労働条件で再雇用されることになります。

正社員であっても契約や嘱託で再雇用となるため、労働条件によっては収入が大きく減少してしまう場合があります。

このように再雇用に伴い賃金が一定以上減少した場合、雇用保険の加入期間が5年以上あれば「高年齢者雇用継続給付金」の対象となり、雇用保険から減少した収入の一部を65歳に達するまで給付金として受けとることができます。

将来(老後)への備え方

定年退職制度の変更に伴い、希望すれば65歳まで就労を継続できるようになりました。定年退職の実質的延長により、老後資金は66歳から使いはじめることが多いようです。

この老後資金は2,000万円が目安といわれていますが、実際には老齢年金の給付額、生活費の額など個人差の大きい項目に左右されます。

実際の老後資金の必要額についてはファイナンシャルプランナーなどに相談し、ライフプラン表の作成を行うことで正確に把握できますが、この必要額を知ることが老後への備えの第一歩となります。

老後資金の準備は時間を味方に

老後資金は人生の最終段階で必要になるお金のため、準備までに長い時間を利用できるといった特徴があります。資産運用のリスクとリターンは表裏一体の関係であるため、多くのリターンを求めれば相応のリスクと向き合うことになります。

時間を味方につけることでリスクの低い投資方針でも複利効果でリターンを高められ、投資総額が少額である若年期の内であれば損失の挽回も比較的容易です。

一方、老後資金の準備が不足していた場合、そのしわ寄せが人生の最終段階で一気に押し寄せてくることになります。挽回しようにも時間的な余裕は多くないので老後資金の準備にはできるだけ早い時期から取り組んでいくほうがよいでしょう。

「資金がないから投資を始められない」はもう理由にならない

ここまで、ビジネスパーソンにおける資産運用の広がりについて、その理由と資産運用を行う環境の変化について解説をしてきました。

スマートフォンやインターネットの普及により金融商品の取引の利便性が向上し、手数料が大きく引き下げられたことで多くの人が資産運用を始めています。

政府も老後資金の自助努力での準備を促進するため、NISA、つみたてNISAといった税制優遇制度も実施されており、資産運用はこれからの人生に欠かせないものとなりつつあります。

投資は資金が貯まってからと考える向きもありますが、現在は投資信託など少額から投資が行える金融商品も多くあります。

資産運用は長期間にわたって行えば、小さなリターンでも複利効果によって大きな収入を得ることができます。メリットを多く得るためにもできるだけ早く老後資金の準備を始めてみてはいかがでしょうか。

 
文・
2級ファイナンシャルプランニング技能士、一種証券外務員資格保有、管理業務主任者 人生のお金の設計図であるマネープランには、マイホームの取得や養育費の準備、老後資金の確保といった問題に対処するため、資産運用やリスク対策の為に各種保険を利用していく必要があります。 複雑化するマネープランに対し、PDCA【Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)】サイクルを利用したコンサルタントを行っている
 
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