投資・資産運用
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2020.11.16

著名投資家の成功例の特徴は?うまくいく投資家と失敗する投資家の違い

(写真=Yakobchuk Olena/stock.adobe.com)
(写真=Yakobchuk Olena/stock.adobe.com)
老後に向けた資産形成の手段として、投資は有力な選択肢といえるでしょう。しかし、当然ながら投資にはリスクも付きもので、損が出てしまったときに投資自体を止めてしまう人も少なくありません。では、どのように投資をすれば、リスクを抑えながら上手に資産運用を続けられるのでしょうか?

どんな投資対象があるのか?

投資を始めるには、まずどのような投資対象があるのかを知っておく必要があります。個人が投資できるものとしては、以下のようなものが挙げられます。

主な投資対象1:株式

企業が出資を集めるために発行する証書で、個人は証券会社を通じて売買するのが一般的です。株価が値上がりしたタイミングで売却すれば買値との差額が利益(キャピタルゲイン)となりますが、値下がり後に売却した場合は損失(キャピタルロス)が発生します。

また、株式を発行している企業の利益は「配当」として株主にも分配されるため、株式には売買益のみならず、保有しているだけで得られる利益(インカムゲイン)もあります。ただし、企業が倒産してしまえば保有している株式はほぼ無価値になるので、保有にも一定のリスクが伴います。

株式には国内の取引所に上場している企業の国内株式のほか、主に海外の取引所に上場している外国籍の企業が発行する外国株式もあります。

主な投資対象2:債券

国や企業などが資金調達のために発行する借入証書です。よく知られているのは日本国債や米国債など政府が発行する債券ですが、多くの大企業も「社債」を発行しています。

通常、定められた期間が来ると「償還」となり、元本が投資家に払い戻されます。また、償還までの期間は、当初に定められた計算式による利息(クーポン)が投資家に支払われます。期間と利率が定められ、元本が保証されているという点で、定期預金に似た仕組みともいえます。

一般的に債券は、株式よりも投資リスクが少ないとされています。ただし債券も、償還までの期間で価格が変動するため、途中で売却すれば時価によって損益が発生します。また、債券を発行する政府の財政破綻や企業の倒産により、元本が支払われない(デフォルト)というリスクもあります。

主な投資対象3:投資信託

多くの投資家から集めた資金を、ファンドマネージャーなどのプロがまとめて運用し、その成果を投資家の出資比率に応じて分配する仕組みの商品です。投資信託は銀行や証券会社で購入することができます。

投資のリスクを下げる代表的な手法は、投資対象の地域や商品の種類を多様化させる「分散投資」ですが、一般の個人投資家が投資対象の組み合わせ(ポートフォリオ)を考えることは容易ではありません。その点、投資信託はプロがポートフォリオを組むので、効率の良い運用が期待できます。しかし株式や債券を売買するものであることから、価格が下落するリスクもあります。

主な投資対象4:FX(Foreign Exchange)

正式には「外国為替証拠金取引」といいます。為替レートは常に変動しており、その変動を利用して利益を得ることを狙う取引です。

FXの大きな特徴は「レバレッジ」にあります。FXを始めるには取引業者や証券会社に専用口座を開設し、担保として「証拠金」を預け入れる必要がありますが、証拠金の最大25倍までの取引が行えます。小さな資本で大きな金額を動かすため、このような取引をレバレッジ(てこ)と呼びます。

主な投資対象5:不動産

マンションや駐車場などの物件を購入し、それを貸すことで賃貸収入を得るのが一般的な不動産投資です。物件が値上がりした場合には、売却して利益を得ることもできます。しかしエリアや人口動向などを見誤ると、借り手がつかず管理費などがかさむことになります。

資産の交換のしやすさを「流動性」といいますが、株式や債券と比べると不動産は流動性が低く、人気のない物件ほど売却しにくくなります。また、当然ですが不動産投資をはじめる際には、まとまった原資が必要です。
 

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個人投資家にはどの投資対象が向いているか

投資対象それぞれにリスクはありますが、老後や教育のための資産形成が目的であるなら、原資やリスクの小さな株式や債券、投資信託から始めるのが一般的でしょう。これらの投資対象であれば、運用成果が思わしくない場合に売却し、別の対象に切り替えることも比較的できます。

それに対してFXは、外国為替市場では変動要因があまりにも多く、個人投資家が読み切るのは容易ではありません。レバレッジをかければ損失も大きくなり、投資というよりも投機に近い商品となりかねません。

不動産については、物件の選択が難しいことが難点です。物件の購入に必要な資金も大きいため、運用成果が上がらないからといってすぐに別の物件に切り替えるというわけにもいきません。比較的少額から不動産投資を始めたい場合は、REIT(リート)と呼ばれる不動産を対象とした投資信託を購入するのがよいでしょう。

投資で成功するのはどんな人?成功例と失敗例

一般に投資の基本は、「分散投資」と「長期運用」といわれています。

「分散投資」が望ましいのは、特定の商品に集中投資をしていると、その商品の価値が下がった際には資産全体が大きく目減りしてしまうからです。ただし、投資対象についてしっかり研究し、運用の成功が確実に見込めるのであれば、集中投資は効率の良い手法になります。

「長期運用」が有効なのは、短期的に売買を繰り返していると手数料や税金がかさみ、運用効率が下がるためです。また、短期売買の繰り返しでは、持続的な好景気などの大きな波の恩恵を十分に受けられない可能性も高まります。

「分散」と「長期」という原則に則った投資で成功する人のイメージは、具体的にはこのようなものになるでしょう。
  • 長期スパンで利益を狙っている
  • 必要な勉強をしっかりしている
  • 集中投資を行う場合も、リスクを見込んだ資金配分を行っている
  • 株価の変動に一喜一憂せず、投資対象の価値を見極めようとしている
  • 感情的にならず、自分なりの投資のルールを定めてそれに従っている
  • 自分の勝ちパターンを見つけようとしている
これらを裏返せば、「投資で失敗しやすい人」のイメージとなるでしょう。
  • 短期で利益を狙おうとする
  • 他の人からすすめられた商品を自分で調べずに買ってしまう
  • レバレッジを効かせて過度なリスクを取る
  • 高いリターンの商品にすぐに飛びつく
  • 商品価値の下落でパニックを起こし「狼狽売り」をしてしまう

著名投資家はどう資産を増やした?

自分自身の運用スタイルを確立し、大きな資産を作った投資家として、ウォーレン・バフェットとピーター・リンチが世界的に知られています。彼らはどのような投資手法を取っていたのでしょうか?

ウォーレン・バフェット

「投資の神様」とも「オマハの賢人」とも呼ばれるウォーレン・バフェット氏は、世界最大の投資持ち株会社、バークシャー・ハザウェイの筆頭株主であり、会長兼CEOを務めています。ほぼ株の運用のみで世界有数の富豪にまで上り詰めた同氏は、まさに歴史に名を遺す投資家です。

バフェット氏の投資スタイルは、実際の企業価値よりも割安に取引されている株式に投資する「バリュー投資」で、さらにその株式を長期保有するのがバフェット流です。バフェット氏は若い時にバリュー株投資の理論家として知られるベンジャミン・グレアム氏に師事しており、その影響を大きく受けています。

ただ、グレアム氏が企業の「保有する資産」に対する株価の割安さを重視したのに対し、バフェット氏はその企業が「将来生み出す利益」に対する割安さをより重視しました。将来利益に着目する投資手法は「グロース投資」とよばれ、この手法をバフェット氏に伝授したのが、バフェット氏の長年の盟友にしてバークシャー・ハサウェイの副会長でもあるチャーリー・マンガ―氏です。

企業が有する資産に対して特別に割安でなくても、将来生み出す利益に対して割安であれば投資をすべきだというのが、マンガー氏の理論です。マンガー氏は、稼ぐ力が潜在的に強い企業の株式を適正な価格で購入し、長く保有すればインカムゲインが大きくなり、結果的に大きな運用益が得られると考えます。現在のバフェット氏の運用手法は、長期保有によりバリュー投資とグロース投資の良い部分を取り入れて完成させたものといえそうです。

ピーター・リンチ

バフェット氏と双璧をなすもう一人の「投資の神様」が、ピーター・リンチ氏です。世界最大級の投資信託グループ企業である「フィデリティ・インベストメンツ」を代表する伝説的なファンドマネージャーで、1977年に1,800万ドル規模の弱小ファンドだった「マゼランファンド」を、13年間で140億ドルにまで拡大させたという驚くべき実績で知られています。リンチ氏の投資手法はシンプルで、徹底的な企業分析で、長期保有に値すると判断した企業の株を持ち続けるというものです。

リンチ氏は投資に関する著書も多く出版しており、個人投資家に向けたアドバイスも行っています。彼の教えでもとりわけ有名なのが、「自分が知っているものに投資しろ」というものです。日常生活や仕事を通じて得た知識を使えば、アマチュアでも割安で優良な株がより見つけやすいはずだ、と彼は説いています。

リンチ氏はタコスチェーンのタコベルやダンキンドーナツの株などを購入して大きな利益を上げていましたが、きっかけは食べておいしいと思ったからだと著書で明かしています。もちろん「おいしい」だけではなく、実際に投資を行う前には、それらの企業の財務状況もつぶさに調べています。つまり、身近な企業であるだけでなく、明確な強みも挙げられる企業に投資をするべきだというのが真の意味といえそうです。

さらに、そうした企業の株式を割安なタイミングで購入し、長期で保有することの重要性も説いています。株価の下落は頻繁に起こることであり、そこで慌てふためいて売るのではなく、安値で拾うチャンスと考えるべきだというのが、リンチ氏の基本的な考えです。

国内投資家の億り人は?成功ルートはさまざま

国内にも、株式投資で億単位の資産を築いた「億り人」が存在します。そのなかから、今も現役の投資家を紹介します。

片山晃

オンラインゲームにはまって専門学校を中退した片山氏ですが、投資家を題材にしたテレビドラマに触発され、22歳の時に株式投資をスタートさせました。アルバイトで稼いだ65万円を元手に始めた投資でしたが、2017年には140億円にまで資産が大きくなったといわれています。

その手法は、ファンダメンタル(国や企業の経済状況)を重視するもので、バリュー投資に近い手法といえます。時価総額の小さい中小型株を中心に、決算内容を丹念に読み解き、業績の上振れが予想される企業の株式を中期から長期にわたって保有します。丁寧な分析を行っているため、確信が持てる企業であれば集中投資も厭わないところに片山氏の特徴があります。

テスタ

デイトレーダーとして有名なテスタ氏は、2005年に投資をスタートし、2011年には資産が1億円を突破、さらに2020年時点では40億円ほどとなっているようです。年間の投資収支ではマイナスになったことが一度もないという、見事な運用成果を誇ります。ここ数年は中長期投資も行っているようですが、テスタ氏の真髄はデイトレードです。相場や相場参加者のクセを見抜く能力に長けているとされます。

JACK

大学時代にNTT株を購入したことをきっかけに、大学卒業後はバーテンダーや予備校教師、サラリーマンをしながら大型株への投資を続けてきたのがJACK氏です。2002年には証券会社の営業マンに勧められてシンプレクス・テクノロジー(現 シンプレクス)のIPO(新規公開株)に応募し、大きな利益を手にします。これを転機にIPO中心に運用するスタイルとなり、現在では2億円もの資産を築いています。あくまでも業績や将来性などを考慮して、IPOを厳選するのがJACK氏の基本戦略です。

弐億貯男

企業の純利益を発行株式数で割ったときに、株価が純利益の何倍になっているかを示す指標である「PER(株価収益率)」は、割安株を求める多くの投資家が活用しています。しかし弐億貯男氏の場合、IPOセカンダリー銘柄(上場したIPO株)に絞って割安株に投資をすることに大きな特徴があります。
IPO株は、IPOの時点では割高に価格設定されることも多いうえ、その後もさまざまな思惑や利益確定売りなどでしばらくは価格が乱高下しがちですが、上場から時間が経つと優良企業でも株価が伸び悩むことがあります。そもそもIPOを行う企業は、有望な新規サービスや商品を持っているからこそ株式公開に踏み切るのであり、株式市場での評価と企業の成長力は必ずしも一致しません。そうした企業を探し出して投資し、業績が高まるまで長期保有する手法で、サラリーマンを続けながら2億円もの資産を形成したのが弐億貯男氏の手法なのです。

成功には理由がある。勉強、探求が大切

国内外の著名投資家の例を見てきましたが、その投資手法はさまざまです。手法は違えども、それぞれが高い運用成果を上げており、投資の正解は1つではないことがわかります。

しかし、やはり共通する点もあります。それは、投資対象をよく勉強して理解し、探求を続けているということです。他人まかせの運用や、放ったらかしの運用で成功するには、並外れた運が必要になりそうです。

また、自身の「投資ルール」を作り、信念と忍耐を持ってルールに従っている点も共通しています。投資価値があると判断して購入し、その後に価値の低迷が長く続いたとして、それでも価値を信じ長期保有を続けるためには信念と忍耐が必要です。

自分なりのルールや勝ちパターンを確立させる作業は時間を要します。また、ルールを守り続けるには忍耐と冷静さが求められます。しかし、それらを乗り越えた先に投資での成功があるといえそうです。
 

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