投資・資産運用
-
2020.11.9

米国株を始めるならどのネット証券がオススメ?メリット解説から主要4社比較まで

(写真=sitthiphong/stock.adobe.com)
(写真=sitthiphong/stock.adobe.com)
2020年以降、米国株を始める個人投資家が急増しています。その一方で、日本株との違いがイマイチわからず、始められない人も多いのではないでしょうか。ここでは、米国株を始めるのに必要な情報をひとまとめします。米国株人気の背景、メリット・デメリット、口座開設のポイント、米国株を扱っている主要ネット証券4社の比較などを解説していきます。
 

個人投資家の米国株への投資が約4倍に急増している

日本の個人投資家の常識が大きく変わりはじめています。これまで日本の個人投資家は、自国銘柄(日本株)への投資比率が高いといわれてきました。それが最近になって外国株への投資が増加。なかでも米国株の人気が高まっています。

ネット証券大手で米国株の取引ができるのは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券の3社など。日本経済新聞の報道によると、この3社の2020年8月の米国株の売買代金はトータルで7,730億円。これは前年同月比の3.9倍にもなります。今、ものすごい勢いで米国株への関心が高まっているのです。
 

こちらもおすすめ
米国株なら25年連続増配も多数。連続増配銘柄から見る株式投資の始め方
米国株おすすめランキング!60年以上連続増配に利回り8%以上の銘柄も

米国株人気の3つの理由:成長性の高さ、手数料が少なく、心理的ハードル解消

今のタイミングで米国株人気が高まっている理由は、次の3つが挙げられます。

米国株人気の理由1:成長性が高い

ひとつめは、2020年前半に急落した米国株が急回復を遂げたことです。このタイミングで米国株を購入してリターンを狙う個人投資家が相当数いたと見られています。

米国を代表する30社の株価で構成されるNYダウの値動きを見てみると、2020年3月後半に1万8,000円台前半まで急落しました。しかし、その後、2020年8月には2万9,000円台まで一気に値を戻しています。また、新興企業市場のNASDAQも急落後に回復し、過去最高値を更新しました。

短期的なトレンドに注目が集まる米国市場ですが、長期的に成長し続けている点も見逃せません。NYダウは10年前の1万円前後から約2.5~3倍に成長。NASDAQは10年前の2,000円台前半から約5~~6倍に成長しています(※)。こういった成長性を意識して、米国株を長期保有する個人投資家もいます。
※2010年~2020年の比較

米国株人気の理由2:手数料が下がった

ネット証券を中心に2019年に米国株の売買手数料が下がったことも見逃せません。以前は、最低5ドル程度必要だった売買手数料がネット証券を中心に安くなっています。現在、主要ネット証券では最低手数料を無料に設定。手数料率も税込0.495%が中心となっています(一部、売買手数料が無料のネット証券会社もあります)。

いくら市場が好調だとしても、日本株よりも売買手数料が割高であれば二の足を踏んでしまいます。この障壁がなくなったのもプラス材料です。

米国株人気の理由3:日本人に身近な企業が増えた

日本人にとって身近な米国企業が増えたことも着目したい点でしょう。以前は、NYダウやS&P500などの企業を見ても、日本人に馴染みのある企業は少ない印象がありました。一般の人がよく知っているのは、一部のグローバル企業のみで、特に金融系や工業系は「社名は聞いたことがあるけど、詳しく知らない」というケースもよくありました。

最近は「GAFA」(アルファベット、アマゾン、フェイスブック、アップル)に代表されるように、日本人に身近な急成長企業が増えています。これにより、米国株投資への心理的なハードルが下がっているのも追い風となっているようです。

米国株の3つのメリット:高配当利回り、少ない単位で購入可、取引時間帯が長い

米国株には、日本株と比べたときのメリットがあります。そのため、日本株と合わせて米国株を持つことは分散投資によるリスクヘッジにもなります。

米国株のメリット1:高配当利回りの傾向

米国株は、平均配当利回りが高い傾向があります。そのため、配当利回り重視の長期保有派の個人投資家にも米国株は人気です。米国株の配当利回りが高い背景には、株主への利益還元を優先するアメリカの企業文化があります。もちろん、すべての米国企業が高配当なわけではありません。気になる銘柄は、事前に配当利回りをチェックしてから購入するのがおすすめです。

米国株のメリット2:少ない単位で購入できる

日本株の基本的なルールに、株式は「100株単位で売買する」というものがあります。たとえば、任天堂の株式を購入するには、1株当たり約6万円×100株で約600万円が必要になります(2020年9月時点の株価)。もっと安い、1株あたり千円単位・百円単位の株もありますが、100株単位での購入になるとまとまった費用を用意しなくてはいけません。

証券会社によっては、日本株でも1株単位で売買できるところもあります。しかしこれは一部の証券会社でしかありません。一方、米国株ならどの証券会社でも、すべての銘柄が1株単位で購入できます。そのため、少額から投資をしたい初心者にも米国株はおすすめといえます。

米国株のメリット3:ビジネスパーソンでも投資しやすい取引時間

日本株の取引ができるのは、取引市場が動いている平日の9~15時に限られます(PTS取引を除く)。そのため、日中は拘束されているビジネスパーソンにとって、売買がしにくい環境です。

米国株の市場が動いているのは、23時30分~翌5時(サマータイムは1時間繰り上がり)。時間の自由な深夜を利用する、あるいは早起きをすればビジネスパーソンでも売買が可能です。

さらに、ネット証券のなかには、かなり長い時間帯注文の受付ができるところもあります(※)。つまり、取引時間以外も米国株が自由に売買できるのです。勤めながら株式投資の副業を無理なくしたい。このようなビジネスパーソンに米国株はおすすめです。
※詳しくは、この記事の「米国株の注文受付時間の比較」をご参照ください。

米国株のデメリット:為替差損の可能性

こういった米国株のメリットと共に、デメリットを十分知った上で投資をすることがリスクヘッジになります。

日本株にはない、米国株のデメリットに「為替の影響」があります。ただし為替は、メリットにもなりうる要素です。円高の局面で(円をドルに両替して)米国株を買い、円安の局面で売れば為替差益になります。つまり、株価上昇と為替差益の二重の利益を手にできるのです。

逆に、米国株を円安局面で買って円高局面で売れば、為替差損になってしまいます。これにより、仮に株価が上昇しても利益が目減りする可能性があります。このような性格があるため米国株投資をする場合は、経済動向や企業業績に加えて、為替にもアンテナを張る必要があります。

為替差損を避けたい、でも米国株(市場)に投資したいという人は、NASDAQ指数やS&P500指数などと連動するETF(上場投資信託)のなかでも、「為替ヘッジあり」を選ぶ手もあります。

日本株とは違う!米国株特有の取引条件とは

日本の証券会社で米国株を買う場合、日本株とは違う条件があります。これらをしっかり理解して取引を始めれば、混乱することも少ないでしょう。

米国株特有の取引条件1:すべての証券会社で米国株が買えるわけではない

証券会社には外国株式(米国株式)を扱っているところと、そうでないところがあります。当然ながら米国株式を買うには、外国株式を扱っている証券会社を選ばなくてはなりません。ネット証券で米国株が買えるのは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、DMM.com証券などです。

米国株特有の取引条件2:「外国株取引口座」を開設しなければならない


これはすべてのネット証券に共通しますが、米国株式の購入には次の手続きが必要です。

・「証券総合取引口座(以下、総合口座)」を開設する
※総合口座開設は日本株購入の場合も必要
・「外国株取引口座」を開設する

手順としてはまず、米国株式を扱っている証券会社で総合口座を開設します。その後、証券会社で外国株取引口座を開設すると、米国株取引ができるようになります。総合口座を開設するには本人確認書類などを提出するなど多少の手間がかかります。その後の外国株取引口座の開設は、簡単な設定をするだけで済みます。

米国株特有の取引条件3:株式売買時の手数料の仕組みが違う

日本株を買ったときには、売買手数料はその都度かかります(1日約定手数料などは除く)。これは米国株も同じです。ただし、両者では手数料の考え方が異なります。

日本株の売買手数料は、約定金額によって決まった固定の手数料で支払います(例:約定金額50万円まで275円)。これに対して、米国株の場合、売買手数料は、取引額に一定料率をかけて割り出します(例:約定金額5,000ドル× 0.45 %)。

また米国株(外国株)を購入する場合、「円貨決済」または「外貨決済」に伴う手数料が発生します。これらは日本株の取引にはないものです。

円貨決済は日本円でそのまま外国株を買う方法。あらかじめ決まった為替スプレッドを支払います。もう1つの外貨決済は、事前に円を外貨(この場合ドル)に変えておいてドルベースで外国株を買う方法です。なお、ネット証券によってこれらの両方を選択できる場合と、外貨決済しか選べない場合があります。

米国株が購入できる!主なネット証券の比較

ネット証券で米国株が買えるのは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、DMM.com証券です。この4社をいくつかのテーマで比較してみましょう。

ネット証券4社の「米国株の売買手数料」比較

ネット証券4社の売買手数料、それに伴う最低・最高手数料をまとめると下記のようになります。

▽ネット証券4社の売買手数料の比較
証券会社名 売買手数料率 最低手数料 最高手数料
SBI証券 税込0.495% なし 税込22ドル
楽天証券 税込0.495% なし 税込22ドル
マネックス証券 税込0.495% なし 税込22ドル
DMM.com証券 なし なし なし
※2020年9月24日現在の売買手数料

SBI証券、楽天証券、マネックス証券の条件は横並びです。売買手数料率0.45%、最低手数料なし、最高手数料20ドルなど同一の内容になっています。 DMM.com証券のみ、売買手数料率と最低・最高手数料ともに「なし(無料)」となっています。

ネット証券4社の「米国株の注文受付時間」比較

日本株の市場取引時間(売買ができる立会時間)は、平日の9~15時になります。これに対して米国株の市場取引時間は日本時間の23時30分~翌5時です(サマータイムは1時間繰り上がります)。

ただ米国株は、市場取引時間以外も注文受付が可能です。ただこの注文受付時間は、ネット証券各社でかなり差があります。たとえば、楽天証券は8時~翌6時注文可、DMM .com 証券は24時間注文可といった具合です。そのため、ご自身に合った注文時間に設定されているかは要チェックポイントです。

▽ネット証券4社の注文受付時間の比較(冬時間)
証券会社名 注文受付時間(平日の場合)
SBI証券 9:00~翌6:00
楽天証券 8:00~翌6:00 (19:00~19:30除く)
マネックス証券 24時間注文可(システムメンテナンスを除く)
DMM.com証券 16:00~翌5:00
※2020年9月現在の時間帯です。※サマータイム期間は時間が繰り上がります。

なお、4社ともに土日に注文できるのは共通です。 ただし、土日の注文時間は各ネット証券で異なります。注文受付のできない時間帯が細かく設定されているため、各社のホームページなどでご確認ください。

ネット証券4社の「米国株の取扱銘柄数」比較

注意したいのは、米国株の取扱銘柄数はネット証券によって違う点です。とはいっても日本で馴染みのある有名企業銘柄のほとんどは、ネット証券各社でカバーされているはずです。ただ、それほど注目度の上がっていないベンチャー企業銘柄を購入したい場合もあるでしょう。こういった場合は、事前にカスタマーセンターなどに取扱状況を問い合わせてから証券口座を開設するのがオススメです。

▽ネット証券4社の「取扱銘柄数」比較
証券会社名 取扱銘柄数
SBI証券 3,601銘柄
楽天証券 3,515銘柄
マネックス証券 約3,600銘柄
DMM.com証券 約1,000銘柄
※2020年9月25日現在または直近の公式サイトでの銘柄数です。

次のステップは実際に投資をしながら知見と経験の積み上げを

ここでは、次の4つのテーマについて解説してきました。
  • 米国株人気の背景
  • 米国株のメリット・デメリット
  • 口座開設のポイント
  • 米国株を扱っている主要ネット証券4社の比較
これらの内容で、米国株投資をはじめるのに必要な基本情報はおおむねカバーできたのではないでしょうか。米国株の特徴の1つは「1株からでも投資できる」というものでした。次のステップとしては、この少額でも投資ができる米国株の特性を生かして、実際に投資をしながら知見や経験を増やしていきましょう。そうすることでわかること、見えてくるものもあるはずです。
 

>>その他のおすすめ記事
滝川クリステルさんが1.5億円保有する「国債」ってどんな商品?
【連載#2】3億円失う人も…”億り人”で居続けることの大切さ
【連載#3】100万円を4,000万円にする「マーケットの渡り方」
【連載#4】忙しいビジネスマンでも株で“億り人”になれるワケ
総資産を1億にする資産運用法とは?

関連記事