投資・資産運用
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2020.10.12

株の初心者にもおすすめのミニ株とは?株式投資は少額投資から始めるのがよい理由

(写真=Prostock-studio/stock.adobe.com)
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投資や資産運用と聞くと、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは「株」。つまり株式投資ではないでしょうか。しかし、株式投資をするには通常、数十万円程度のまとまったお金がかかり、初心者にとってはハードルが高いものとなっています。そこで今回は、少額からでも株に投資できる「ミニ株(単元未満株)」をご紹介します。
 

ミニ株とは?単元株とは何が違う?

「A社の株価は5,500円となり、前日より300円下がりました」「B社の株価は前日比10%増の8,000円に高騰しています」など、株に関する情報は毎日のニュースでよく目にします。これらの会社の株は、通常は1株単位ではなく、単元株という単位で売買されています。

株の取引単位は「単元株」

株を売買できる最小の単位を「単元株」といいます。この単元株を何株にするかは、従来、会社が自由に決めることができましたが、2018年10月からは上場企業の単元株は100株に統一されています。この株式取引の最小単位が100株に決められているため、株にはまとまったお金が必要になり、初心者にとってハードルが高いものとなっています。主な企業の株価と単元株を購入するための必要金額を見てみましょう(表1)。

▽表1.主な会社の株価と単元株を買うための必要資金(2020年8月10日時点)
会社名 株価(A) 単元株購入の必要資金(A×100)
ソニー 8,525円 85万2,500円
ソフトバンクグループ 6,521円 65万2,100円
トヨタ自動車 6,878円 68万7,800円
任天堂 5万460円 504万6,000円
ファーストリテイリング 5万9,030円 590万3,000円

上記の表から、普通に株を買うには数十万円から数百万円の資金が必要になることがわかります。憧れの会社の株をどうしても買いたいのであれば、その1社の株だけ買うのも1つの方法です。しかし、いろいろな会社の株に分散投資したり、国債や投資信託など他の資産運用もしたい人にとっては、なかなかハードルが高い金額ではないでしょうか。

ミニ株と単元未満株

通常、株は単元株という100株単位で取引されますが、証券会社によっては単元株より少ない単位で取引できるところもあります。この単元株より少ない株数での取引は「ミニ株(単元未満株)」と呼ばれます。

ミニ株と単元未満株はどちらも単元株より少ない株数の意味で使われていますが、証券会社によってはミニ株を単元株の10分の1(10株単位)、単元未満株を1株単位と区別していることもあります。この記事では特に区別せず、ミニ株を単元株より少ない単位で買える株という意味で用います。
 

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小額投資、分散投資ができ、配当も得られるミニ株のメリット

株式は本来単元株で売買するものなので、ミニ株では単元株を保有する場合とまったく同じ権利は持てません。しかし、ミニ株であっても得られるメリット、またはミニ株で運用する場合の特有のメリットがあります。

ミニ株のメリット1:少額から始められる

まず、なんといっても最大のメリットは、少額から始められるという点です。表1でも紹介したように、通常株の取引には数十万円から数百万円のお金が必要になります。しかし、たとえば10株単位で売買できれば、トヨタ自動車やソフトバンクグループなど有名企業の株が6万円台から買えますし、1株単位であれば任天堂やファーストリテイリングなど高値がついている企業の株も5万円代から買うことができます。

憧れの企業や応援したい会社の株を買いたいけど値段が高くて買えない、という人はミニ株での購入を検討してみてもいいのではないでしょうか。

ミニ株のメリット2:分散投資の幅が広がる

資産運用で大切なのは、資産をバランスよく分散することです。たとえば自動車関連企業のA社の株だけを大量に持っていたとします。この場合、A社の株価が大幅に下落すれば売るタイミングが難しくなりますし、最悪A社が倒産してしまえば投資したお金はすべて無駄になってしまいます。

また、A社の株だけでなく他の企業の株を買う場合、同じ自動車関連企業の株より、他の業界の株を買ったほうが資産の分散はうまい具合にできているといえます。なぜなら、自動車業界全体が不況に陥ってしまうと、その関連企業全体の株価が下がってしまう可能性があり、分散投資の意味がなくなってしまうからです。

このように、資産を特定の企業や分野に偏って投資するのは得策ではありません。さまざまな業界にバランスよく分散させることで値下がりのリスクを回避できます。

しかし、個別株の単元株の場合、前述のように1銘柄を購入するだけで数十万円から数百万円の資金が必要になります。つまり、5銘柄や10銘柄に分散投資しようとすれば、その5倍から10倍の資金が必要になります。すべての投資家が、それだけの資金を持っているとは限りません。

その点、先ほどご紹介したようにミニ株では少額から投資できるので、分散投資がしやすく、リスク回避においても有利に働きます。100万円の資金がある場合、単元株を買おうとすると2、3社の株しか買えませんが、ミニ株であれば配分次第で10社以上に分散投資することも可能です。

ミニ株のメリット3:配当が得られる

株式投資では、株価が安いときに買って高いときに売る譲渡益(キャピタルゲイン)を目指す人も多いでしょう。しかし、毎年企業の利益から株主に支払う配当金(インカムゲイン)も株式投資の楽しみの1つです。

単元株に満たないミニ株でも、株数に応じた配当を受け取ることができます。たとえば1株につき年間100円の配当が出る銘柄を50株保有していれば、100円×50株=5,000円の配当が受け取れます。

大きな利益を狙いにくく、株主優待がない可能性も。ミニ株のデメリット

少額から投資できるミニ株ですが、少額投資であるがゆえのデメリットや、単位株に満たない取引によるデメリットなどもあります。これらのデメリットは取引を始める前にしっかり確認しておきましょう。

ミニ株のデメリット1:大きな利益を狙うには向かない

取得した株式の価額が10倍、100倍に跳ね上がることを夢見て投資を始める人もいるかもしれません。しかし、それは値上がりのしやすいベンチャー企業などに集中して投資をするような、どちらかといえば投機に近いものです。

株式投資の基本も他の投資と同じく、基本はしっかりと分散投資をしてリスクを回避しつつ、リターンを狙うことです。したがって、たとえば年率で5%の利益を目指すなど、現実的な目標を設定することが大切です。

もちろん、年率で5%の利益を続けるというのは簡単ではありません。そして、ミニ株の欠点として挙げられるのは、元手が少ない分、利益も少なくなるという点です。たとえば1,000万円を投資して5%株価が上がれば50万円の利益を得ることができますが、10万円の投資であればその利益も100分の1の5,000円になります。

このように、投資額が少ない分、短期的に大きな値上がり益は期待できません。ただし、ミニ株には配当が受け取れるというメリットがあります。したがって、株価の値上がり益を期待するのではなく、高配当の株に複数分散投資をして配当による長期的な利益を目標にするのもいいでしょう。

ミニ株のデメリット2:取引できる証券会社が少ない

株は本来単元株で売買するものなので、そもそもミニ株を取り扱っている証券会社はそれほど多くありません。また、ミニ株を取り扱っている証券会社であってもすべての上場銘柄を取り扱っているわけではなく、その取扱銘柄数は会社によってさまざまです。

この理由から、ミニ株投資は証券会社選びが非常に重要になります。証券口座を開設する前に、どの証券会社がどれだけミニ株を取り扱っているか、また自分が望む会社のミニ株が売買できるかなど、しっかり確認しておきましょう。

ミニ株のデメリット3:株主優待が受けられないことがある

ミニ株でも配当が受け取れることはご紹介しましたが、株主優待も受けられるとは限りません。ただし、なかには1株単位から優待が受けられる銘柄もあります。株主優待が受けられるかは証券会社や銘柄によって異なるので、株主優待が目当ての場合は事前に確認しておきましょう。

なお、ミニ株で株主優待が受けられないのは単元株に達していないことが主な理由ですが、同じ企業の銘柄をミニ株でコツコツ買い続け単元株に達した場合、株主優待が受けられるようになることもあります。

ミニ株を取り扱う証券会社

少額から取引ができることが魅力のミニ株ですが、株は本来、単元株で取引するのが基本です。そのため、どの証券会社でもミニ株を取り扱っているわけではありません。したがって、ミニ株を買ってみたいという人は、まずミニ株の取り扱いのある証券会社で口座を開設する必要があります。

ミニ株の取引ができる証券会社5選

ミニ株は証券会社によって「ワン株」「S株」「プチ株」など、さまざまな名称でサービスが提供されています。そこで、ここでは2020年8月現在ミニ株が取引できる証券会社5社をピックアップし、それぞれの提供サービス名、何株から取引できるか、そして取引手数料を紹介します。

▽表2.ミニ株を提供している証券会社5選
証券会社名 サービス名 株の購入単位 取引手数料(税抜)
マネックス証券 ワン株 1株~ 約定代金の0.5%(最低手数料48円)
SBI証券 S株 1株~ 約定代金の0.5%(最低手数料50円)
SMBC日興証券 株式ミニ投資 10株~ 約定代金2,000円以上:700円
約定代金2,000円未満:約定代金の2.3%
auカブコム証券 プチ株 1株~ 約定代金の0.5%(最低手数料48円)
SBIネオモバイル証券 S株 1株~ 月間の約定代金合計額50万円まで:200円

マネックス証券:ワン株

マネックス証券では「ワン株」というサービス名で単元未満株の取引を行っています。東京証券取引所上場銘柄(マザーズ、JASDAQ含む)と名古屋証券取引所上場銘柄(セントレックス含む)の取り扱いがあり、ほとんどの上場株式の取引ができます(福岡証券取引所上場銘柄と札幌証券取引所上場銘柄は売却のみ可能)。

注文時間は17時から翌日11時30分までで、後場の始値で約定します。原則としてすべて約定され、約定結果は15時40分ごろに反映されます。

マネックス証券の一番の特徴は、ミニ株の取引手数料の安さです。

▽表3.マネックス証券「ワン株」の取引手数料
インターネット手数料 コールセンター手数料
約定金額の0.5%(税抜) 約定金額の1.0%(税抜)
(最低手数料48円) (最低手数料1,905円)

特にインターネットでの取引では、最低手数料が48円となっており、主要なネット証券のなかでも最低水準の手数料になっています。

SBI証券:S株

SBI証券では、「単元未満株(S株)」という名前でミニ株のサービスを提供しています。このS株でも100株単位の銘柄を1株単位で取引できます。取扱銘柄は東京証券取引所上場銘柄(1部・2部・マザーズ・JASDAQ)が買付・売却共に可能ですが、名古屋証券取引所上場銘柄(1部・2部・セントレックス)、福岡証券取引所上場銘柄(Q-Board含む)、札幌証券取引所上場銘柄(アンビシャス含む)に関しては売却のみ可能となっています。

SBI証券のS株の特徴は、東証上場銘柄であれば24時間365日いつでも注文ができることです。約定のタイミングも、①当日前場始値(9時約定)、②当日後場始値(12時30分約定)、③当日後場終値(15時約定)の1日3回です。

SBI証券では取引手数料が約定金額の0.5%と非常に安くなっています。また、最低手数料は高くなりますが、電話による取引も可能です。

▽表4.SBI証券「単元未満株(S株)」の取引手数料
インターネット手数料 電話による取引手数料
約定金額の0.5%(税抜)(最低手数料50円) 約定金額6%(税抜)(最低手数料2,000円)

SMBC日興証券:株式ミニ投資

SMBC日興証券では「株式ミニ投資」という名称でミニ株のサービスを提供しており、株式を単元株の10分の1単位、つまり10株から購入することができます。投資対象は、東京証券取引所1部・2部・JASDAQ、名古屋証券取引所1部・2部の上場銘柄約2,100と、業界トップクラスの取扱銘柄数をうたっています。

SMBC日興証券では午前5時から翌日午前2時まで注文を受け付けており、翌営業日の始値で約定します。オンラインや電話のほか、店舗でも取引できます。手数料は次のようになっており、店舗での取引手数料は比較的低くなっています。

▽表5.SMBC日興証券「株式ミニ投資」の取引手数料
約定代金 オンライントレード手数料/コンタクトセンター手数料 店舗手数料
2,000円未満 約定代金の2.3%
2,000円以上 1約定あたり700円 約定金額の2.3%(最低手数料1,000円)

auカブコム証券:プチ株

auカブコム証券では「プチ株」という名称でミニ株の取扱サービスを提供しており、1株単位からの購入が可能です。東京証券取引所(1部・2部・マザーズ・JASDAQ)、名古屋証券取引所(1部・2部・セントレックス)の上場銘柄の取引ができます。福岡証券取引所と札幌証券取引所に関しては売却のみの取り扱いとなっています。

インターネットでの注文は24時間可能ですが、23時から翌日10時までの注文は後場始値で、10時から23時までの注文は翌日の前場始値でそれぞれ約定されます。

auカブコム証券の「プチ株」のインターネット取引の手数料は48円からとなっており、業界でも最安水準となっています。オペレーターによる取引ではインターネットの手数料に2,000円が加算されます。

▽表6.auカブコム証券「プチ株」の取引手数料
インターネット手数料 オペレーター(電話)による取引手数料
約定金額の0.5%(税抜)(最低手数料48円) 左記料金+2,000円

auカブコム証券の「プチ株」のもう1つの特徴としては、「プチ株」を積み立てできる「プレミアム積立(プチ株)」というサービスを提供している点です。これは、毎月の積立金額を指定することで、その範囲内でプチ株を買付していけるサービスです。

少額から利用できるのがミニ株の特徴ですが、この「プレミアム積立(プチ株)」では月々500円から1円単位で積立金額を設定できます。また、積立で買付をする場合、取引手数料は無料となっています。特定の企業に興味があるけどまとまったお金がなく、毎月コツコツお金を貯めて個別株を買いたい人などにおすすめのサービスといえるでしょう。

SBIネオモバイル証券(ネオモバ)

SBIネオモバイル証券(ネオモバ)ではSBI証券のS株を取引できます。取扱銘柄や注文時間、また約定が1日3回である点などはSBI証券と同じです。しかし、これまで紹介してきた証券会社と大きく異なるのが、取引手数料です。

ネオモバでは取引ごとの手数料がかからず、その代わりに月額の手数料を支払う仕組みになっています。その金額は月の取引量が50万円以下であれば月額200円(税抜)です。

▽表7.ネオモバ「国内株式(単元株・S株)」のサービス利用料
月間の国内株式約定代金合計額 サービス利用料(月額)
0円~50万円 200円
300万円まで 1,000円
500万円まで 3,000円
1,000万円まで 5,000円
以下、100万円ごとに1,000円が加算されます(上限なし)

たとえば1ヵ月の間に10万円分の株式を買い、20万円になった時点で売った場合、SBI証券やマネックス証券では買うときに500円、売るときに1,000円で計1,500円(税抜)の取引手数料がかかります。しかし、ネオモバでは200円で取引することができます。

さらに、ネオモバでは「期間固定Tポイント」として、株式投資に1ポイント1円で使えるTポイントが毎月200ポイント付与されます。つまり、月間50万円以下の取引であれば、実質20円(サービス利用料220円(税込)-Tポイント200円分)で取引ができるということです。

ネオモバでは、auカブコム証券と同様にミニ株を積み立てで購入できる「定期買付サービス」も提供しています。これは、金額を指定するだけで毎月買付銘柄の注文可能株数の計算を行い、設定金額が単元株の注文に満たない場合、S株で発注されるサービスです。金額は100円以上、100円単位で設定できます。

ミニ株は少額から取引ができる半面、手数料の負担が大きくなりやすいというデメリットもあります。しかし、SBIネオモバイル証券ではご紹介したように手数料が非常に低く設定されています。したがって、取引の頻度を多くしたいという人にとっては、少額投資の特徴を最大限に活かせるのではないでしょうか。

ミニ株とNISAは相性がいい

少額から購入できるミニ株は、NISAという少額非課税制度と相性がいい投資方法です。ここではNISAとはどういう制度か、なぜミニ株との相性がいいのかをご紹介します。

NISAとは

NISAは2014年にスタートした、少額から投資を行う人のための非課税制度です。毎年120万円までの非課税投資枠内であれば、株式・投資信託への投資から得られる配当金や分配金、譲渡益が最長5年間非課税になります。

たとえば、株を購入した場合、毎年配当金がもらえますし、安く買って高くなったときに売れば利益(譲渡益)が得られます。通常の売買では、これらの利益に20.315%の税金がかかるのですが、NISA口座で運用した場合、この税金がかからず利益をそのまま得ることができます。

ミニ株で非課税枠を無駄なく利用しよう

税金面でとてもお得な制度といえるNISAですが、投資できる金額が新規投資で毎年120万円までと少額です。通常の単元株を買おうとすると、たとえば表1で紹介したソニーの株は約85万円ですので、NISA口座ではソニー株1銘柄を買うだけで残りの非課税枠が35万円になり、かなり制限されます。

ミニ株であれば数千円~数万円で買えるので、120万円という非課税枠内であっても複数の銘柄に分散投資が可能です。また、株以外でも他の商品に投資しており、残りの非課税枠が5万円などの中途半端な額でも、ミニ株なら残りの枠を無駄なく利用することができます。

まとめ:株初心者にこそミニ株はおすすめ

株式投資の方法の1つとして、ミニ株投資をご紹介しました。ミニ株は少ない投資で分散投資ができたり、配当がもらえたりと投資初心者の方にはメリットが多くあります。単元未満株でも売買ができるサービスを提供している証券会社は限られるものの、気軽に株式投資をしたいという人はぜひ利用してみてください。

文・松岡 紀史
所属・ライツワードFP事務所代表
筑波大学大学院経営・政策科学研究科(現システム情報工学研究科)でファイナンスを学ぶ。元システムエンジニア。節約や貯金など地道な作業の大切さと、「投資だけ」「保険だけ」に偏ることのないバランスの取れた資産運用を広めるため、執筆・セミナー・個別相談などを行っている。ライツワードFP事務所代表

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