投資・資産運用
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2020.9.24

上場ルール厳格化により米国上場の中国株に急落リスク浮上……。あなたの資産にも影響が。

(写真=xy/stock.adobe.com)
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5月20日、米国の上院議会は外国企業の株式市場上場を制限する法案を可決しました。同法案のターゲットは主に中国企業と見られています。下院でも同法案が可決すれば、中国企業が米市場から締め出される公算が高まります。また、これによって、米国上場の中国企業には株価急落のリスクが指摘されています。ここでは、この法案に絡んだ米国市場上場の中国企業の株価リスクを考察していきましょう。

外国政府の管理下にある企業を米国市場から排除する法案が上院で可決

可決された法案とは「外国企業説明責任法(Holding Foreign Companies Accountable Act)」です。米国市場に上場する外国企業に関して、「外国政府の管理下にないことを証明するか、あるいは米国の会計監査委員会(PCAOB)が3年連続でその企業を監査し、同委員会が外国政府の管理下にないと断定できない場合、その企業は上場廃止となる」というものです。

要は、外国政府の支配下にある企業は米国市場から追い出されるということです。法案に特定の国名は入っていませんが、中国を対象としていると見られています。なぜなら、米国では中国の大手企業が米国の会計監査を回避し続けており、監査を受け入れている他の外国籍企業との間で不公平が生じていることが問題視されていました。また、同法案の提案者の一人、クリス・ヴァン・ホーレン上院議員は「中国企業は長年、米国の情報開示のルールを無視してきた」と表立って中国企業を批判しています。

なぜ中国企業が米国の監査の拒否を続けているかについては、実際のところは明らかになっていません。いずれにしても、同法案が下院で成立し、トランプ大統領が署名をすれば、米国市場に上場する中国企業には上場廃止リスクが急浮上することになります。

 

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下院での審議は慎重な見方も。米国の投資家にとっても裏目に出るか

現在、米国市場にはADR(米国預託証券、株式と同じように売買が可能)を含め、多くの中国企業が上場しています。EC(電子商取引)サイトを展開するアリババグループやSNSサービスやゲーム開発のテンセントホールディングスは米国の時価総額ランキングでベスト10入りしているほか、中国工商銀行、高級酒メーカーの貴州茅台など、ランキング上位に位置する銘柄が少なくありません。

ハーバード大学ロースクールのジェシー・フリード教授は「米国の投資家保護の観点からすれば、同法案成立は裏目に出るだろう」と指摘しています。ウォール街の金融勢力の反対によって法案は成立しないと予測しています。また、ナンシー・ペロシ下院議長は「同法案は上院で十分な審議が尽くされていない。下院では慎重に審議する」との姿勢を見せているため、法案の審議に相当な時間がかかるかもしれません。ただ、同法案が共和、民主の超党派で提出されていること、上院では全会一致で可決したことなどを考えると、可決の可能性を排除しないほうがよさそうです。

中国株を組み入れている投資信託には要注意

同法案が可決となれば、どのような影響が考えられるでしょうか。米国在住の日本人米国株アナリストは、「この法案によって米国上場の中国企業が上場廃止となっても、香港市場などに重複上場している企業の株であればその株が割り当てられるので、いわゆる“紙切れ”にはならない」とコメントしています。

同法案が上院で可決した直後、アリババをはじめとした中国企業の株価は急落しました。その後、アリババの株価は反発していますが、仮に下院で可決すれば株価下落が加速する可能性があります。また、米国市場に上場するような中国の主要企業の一部は、中国株や新興国の株式に投資するファンドはもちろん、グローバルで投資を行うファンドに組み入れられているため、そうしたファンドの価格にも悪影響を与えるでしょう。

もし、そうしたファンドに投資をしているのであれば、同法案の先行きには注意を払っておくべきかもしれません。
 

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