投資・資産運用
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2020.9.16

iDeCoを利用する会社員は確定申告が必要?手続きや注意点を徹底解説!

(写真=umaruchan4678/stock.adobe.com)
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「iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入すれば税対策できる」といわれることがありますが、実際に税対策をするためには年末調整か確定申告のいずれかを行う必要があります。

会社員がiDeCoに加入したら年末調整で済むのでしょうか。それとも、状況によっては確定申告が必要なのでしょうか。今回は、iDeCoに関心のある会社員の人に向けて、iDeCoの確定申告について解説します。

 

1.iDeCoとは?個人で積立、運用ができるお得な年金制度

そもそもiDeCoとはどういう制度なのでしょうか。最初にカンタンに制度について見ていきましょう

1-1.iDeCoの経緯・特徴

iDeCoは企業型DC(企業型確定拠出年金)とともに、2001年6月、確定拠出年金法の可決・成立により開始した年金制度です。もともと日本の年金制度には国民年金や厚生年金のほか、これらに上乗せして支払う国民年金基金や企業年金基金がありましたが、いずれも確定給付型でした。

あらかじめ将来給付する額を決めている確定給付型は、高度経済成長期のように好況であれば問題ないのですが、現在のように不況や少子高齢化による経済の縮小に悩まされる局面の場合、資金を運用している企業や基金に負荷がかかります。資産の目減りは企業・基金が補填しなくてはなりませんので、最悪、年金そのものが破綻するリスクがあります。

確定給付型の年金システムの限界が見えた頃、米国では401kと呼ばれる「個人が自ら資金を拠出・運用して老後資産を形成する」という確定拠出型の年金制度が注目を集めるようになりました。これを見た日本側も同制度を導入したわけです。

開始当初はなかなか知名度が上がりませんでしたが、税効果の高さや加入要件の緩和、さらに老後資金2,000万円問題も加わって一気に人気が高まるようになりました。

1-2.従来の年金との違い

iDeCoは従来の国民年金や厚生年金といった確定給付型の年金とどのように異なるのでしょうか。iDeCoも既存の確定給付型年金も掛金の全額が所得控除になること、いずれも年金システムであることは同じです。しかし、運用主体が異なります。

確定給付型の運用主体は企業や基金ですが、iDeCoは拠出した個々人です。投資先は投資信託や預金になりますが、個々人がどの金融商品で運用するかを決められます。さらに、どのくらい資金を拠出するかも自分で決められます。

確定給付型が国や企業におまかせタイプであるのに対し、iDeCoは完全自己責任型だという点が大きな違いだといえます。

1-3.なぜiDeCoが税対策になるのか

なぜiDeCoが税対策になるのでしょうか。それは、iDeCoは次の3つの局面で通常の資産運用よりも税金を低く抑えることができるからです。

(1)掛金の支払時
毎年1月1日から12月31日までに支払った掛金は、「小規模企業共済等掛金控除」として全額が所得税の課税基準である課税所得から控除されます。老後資産を形成すべく生命保険で多額の保険料を支払ったとしても、12万円までしか控除できません。しかしiDeCoで老後の資産作りに取り組めば、会社員ならば最大27万6,000円を課税所得から控除することができるのです。

(2)運用時
上場株式や投資信託などで資産を運用して売買すると、売却益に対し通常税率20.315%(所得税率15.315%、住民税率5%)で税金がかかります。しかし、iDeCoで運用されている金融商品の運用益は非課税とされています。

(3)受取時
60歳以上になり、10年の加入期間が終了して初めて運用したお金を受け取れます。受取方式には3種類あります。1つめは5年以上20年以下の期間で分割して受け取る「老齢年金方式」、2つめは一括で受け取る「老齢一時金方式」、3つめは「老齢年金方式と老齢一時金方式を併用して受け取る方式」です。

老齢年金方式での受取は「公的年金等の雑所得」に、老齢一時金方式での受取は「退職所得」に該当します。いずれも現役世代が受け取る給与や満期保険金に比べ、税金が低くなります。

1-4.iDeCoに加入できる人と掛金上限額

20歳以上60歳未満の人なら誰でも加入できます。ただ、海外に住んでいる人や国民年金保険料を支払っていない人は加入できません。なお60歳以上は加入できないのですが、加入期間が10年未満の人は60歳以前に始めたiDeCoでの運用を60歳以降も続けることが可能です。

会社員の人は、勤務先によっては制限がつくことがあります。それは勤務先の会社が企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入しているケースです。会社が規約でiDeCoとの併用を認めている場合に限り、従業員個人でのiDeCo加入が可能になります。

1-5.状況別「iDeCoの掛金上限額」

iDeCoの掛金額は5,000円から、1,000円刻みで設定できます。ただ、加入者の立場によって掛金上限額が次のように変わります。無制限に拠出できるわけではないので注意しましょう。

(1)民間企業の会社員(会社が企業型DCに加入していない)
  • ほかに企業年金など(厚生年金基金など。以下同じ)に加入していなければ年間27万6,000円(月額2万3,000円)
  • ほかに企業年金などに加入しているなら年間14万4,000円(月額1万2,000円)

(2)民間企業の会社員(会社が企業型DCに加入しているがiDeCo加入が可能)
  • ほかに企業年金などに加入していなければ年間24万円(月額2万円)
  • ほかに企業年金などに加入しているなら年間14万4,000円(月額1万2,000円)

(3)公務員
・年間14万4,000円(月額1万2,000円)

(4)専業主婦(主夫)
・年間27万6,000円(月額2万3,000円)

(4)自営業者
・年間81万6,000円(月額6万8,000円)

1-6.iDeCoで税対策ができる人、できない人

iDeCoに加入しても税対策ができる人とできない人がいます。具体的には次のとおりです。

(1)税対策ができる人
次のような「納めるべき税金がある人」が税対策できる人になります。
  • 給与や株式の運用益などで源泉徴収されている税金がある人
  • 個人事業や不動産投資を行っていて、納めるべき税金が毎年発生するような人

これらの場合、天引きされている税金や確定申告で納めるべき税金があって、初めて税金を節約することができるからです。

(2)税対策ができない人
次のような人は、いくらiDeCoで多額の掛金を支払っても税対策にはつながりません。
  • パート・アルバイトでの年収が103万円以下の人
  • 専業主婦・専業主夫・収入のない学生
  • 個人でしている仕事の利益が年間48万円以下
こういった人たちでも状況が変わって収入が増え、納めるべき所得税・住民税が生じるならiDeCoの掛金支払も税効果を持ちます。しかし、そうでないならiDeCo加入による税効果のうまみは「資産運用時の利益への非課税」と「受取時の税効果メリット」だけに限られ、掛金を支払うことによる税効果メリットは享受できません。

このほか、次のような人もiDeCo以外の所得控除で納税額が0円になる可能性が高いので、iDeCoに入っても税軽減にならないことがあります。
  • 多額の社会保険や生命保険、医療費を支払っている人
  • 扶養親族の多い人
  • 寡婦(夫)控除や勤労学生控除、雑損控除などを受ける人
  • 住宅ローン控除のある人

1-7.iDeCoで税軽減につながる仕組み

そもそも、iDeCoで税軽減とはどのようなことを指すのでしょうか。これは所得税・住民税の計算の流れを知らないとなかなか理解できません。ここでこの2つの税金の計算の経緯を見てみましょう。

【所得税・住民税の計算の流れ】

(1)所得を「給与所得」「事業所得」「雑所得」など10種類の区分に分けて計算

基本的に「所得額=総収入金額-必要経費」ですが、厳密には区分によって異なります。さらに、所得税・住民税で所得額計算が変わる点にも留意しましょう。

【参考】所得の区分のあらまし_国税庁

(2)10種類の所得を合算して合計所得金額を算出

(3)各種控除を計算
「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」「生命保険料控除」「扶養控除」などの控除を計算します。この各種控除の計算も種類ごとに異なります。なお、扶養控除や基礎控除の金額は所得税と住民税とで異なる点も注意しましょう。

【参考】所得金額から差し引かれる金額(所得控除)_国税庁

(4)(3)の金額を合計

(5)課税所得金額を計算((2)-(3))

(6)所得税額、住民税額を計算
(5)の金額に対して所得税率、住民税率を乗じて所得税額と住民税額を計算します。なお、所得税率には(4)の金額に応じた税率を、住民税率には一律10%を用います。

(7)最終的な所得税額を計算
(6)から住宅ローン控除などの税額控除額を差し引き、復興特別所得税を計算したうえでその年の最終的な所得税額を計算し、住民税額については税額控除や調整控除を加味したうえで税額を算出します。

iDeCoの小規模企業共済等掛金控除は(3)に当たります。そのため、iDeCoの年間掛金の額が大きければ大きいほど、課税所得額が小さくなるのです。さらに、所得税の税率は累進課税制度を採用しており、所得額が小さければ低い税率が、所得額が大きければ大きいほど高い税率が適用されます。iDeCoの掛金で課税所得額が小さくなればiDeCoに加入していないときよりも低い税率が適用され、より税軽減の効果が高くなります。

1-8.iDeCoでいくら税軽減につながる?シミュレーションを見てみよう

ではここで例をあげて所得税と住民税の還付額をざっくりとシミュレーションしてみます。40代会社員独身男性で給与年収1,000万円(社会保険料15%、住民税率10%)のケースで比較しましょう。加入している場合の掛金月額を2万3,000円とします。なお、比較しやすくするため、住民税は所得割額のみを提示、調整控除は省略します。

【加入していないときの所得税・住民税】

所得額:(1,000万円-195万円)-1,000万円×15%-48万円=607万円
所得税額:607万円×20%-42万7,500円=78万6,500円
住民税額:607万円×10%=60万7,000円

【加入したときの所得税・住民税】

所得額:(1,000万円-195万円)-1,000万円×15%-2万3,000円×12ヵ月-48万円=579万4,000円
所得税額:579万4,000円×20%-42万7,500円=73万1,300円
住民税額:579万4,000円×10%=57万9,400円

iDeCoに加入しているときと加入していないときの所得税・住民税の合計差額は8万2,800円です。つまり、月2万3,000円、老後に備えて資産運用した結果、掛金の3倍以上の金額が節約できることになります。「投資自体が税軽減につながる」という効果はほかの資産運用ではなかなか得られません。

 

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2.会社員のiDeCoは年末調整?確定申告?

iDeCoに加入した会社員がiDeCoで支払った掛金で税軽減効果を享受するためにはどうしたらいいのでしょうか。年末調整か確定申告かのいずれかになりますが、会社員の場合はまずは年末調整を検討し、要件に合わなければ確定申告を行うことになります。

2-1.iDeCoで年末調整できる人

iDeCoで年末調整できるのは、以下のような人です。
  • 年末、勤務先の会社に籍をおいて年越しする人
  • 前の会社を年の途中で退職したけれど年末までにどこかの会社に再就職した人
  • 給与年収2,000万円以下の人
  • 会社に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出した人
年を通して会社に在籍するがゆえに年末調整を受け、そこで源泉徴収された所得税額の総額と1年間の本来あるべき所得税の精算が行われる人が対象となります。

給与収入が2,000万円を超える人は、仮に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しても年末調整はされず、所得税の精算もされません。そのため、iDeCoの所得控除を受けるなら、翌年3月15日までに自分自身で確定申告を行う必要があります。

なお、以下の人は年末まで会社に在籍はしませんが、「出国時」「死亡時」「退職時」「前もって支給された時」に年末調整を行うため、iDeCoによる所得控除を受けることができます。
  • 海外転勤のために年の途中で非居住者となる人
  • 年の途中で死亡退職した人
  • 著しい心身障害のために退職し、退職年においては再就職の予定がない人
  • 12月に支給されるはずの給与を前もって支給された人
年の途中で退職した人については死亡後に親族が、海外転勤については本人が出国前までに原則、勤務先の会社に申告すれば、年末調整で所得控除を受けることができます。

2-2.iDeCoで確定申告を行うケース

では、iDeCoに関して確定申告をすべきなのはどのようなケースでしょうか。会社員に限っていうと、次のようなケースが確定申告でiDeCoを所得控除することになります。
  • 年末調整のとき、iDeCoの払込証明書(小規模企業共済等掛金払込証明書)の提出が間に合わなかった
  • 給与年収が2,000万円を超える
  • 海外転勤で出国する際、給与所得以外にも所得があるため確定申告を行う
  • 本人死亡後、年末調整によらずに親族が準確定申告を行う
ほかに不動産所得や雑所得があったり、医療費控除や雑損控除があったりするようなときは、年末調整でiDeCoを処理するよりも確定申告を行ったほうがラクだと感じる人もいます。このようなときは確定申告で行っても構いません。

3.iDeCoの確定申告の手続きと必要書類

ここから、iDeCoに関する確定申告の手続きについて解説します。そもそも、年末調整と確定申告はどのように違うのでしょうか。また、確定申告の際、どのような書類が必要になるのでしょうか。ここでは、会社員の人のiDeCoで確定申告をするときの概要についてお伝えします。

3-1.なぜ確定申告が必要なのか

そもそも、なぜ確定申告が必要なのでしょうか。普段、会社員として年末調整を受けている身としては不思議な気がします。しかし実は、日本の税制では確定申告が原則で、年末調整は特例的な存在です。

日本では「納税者自らが自分の所得・税額を計算し、申告して納税する」という申告納税制度を採用しています。そのため、本来ならば会社員であるか自営業であるかに関係なく確定申告を行わなくてはなりません。しかし会社員については、徴税コストや事務負担の軽減の観点から、勤務先の会社が月々の給料から所得税を源泉徴収し、年末調整で精算するという作業を本人の代わりに行っています。そのため、多くの会社員は年末調整で完結するのです。

ただ年によっては住宅ローンを組んだり、多額の医療費が発生したり、災害で自宅や家財が損壊したりといった事情が生じます。これらに伴う税金の処理は会社の年末調整では処理できません。そのため、個々人で確定申告を行う必要が出てくるのです。

3-2.iDeCoを始めた会社員が確定申告するときの流れ

会社員がiDeCoで確定申告を行うとき、次の流れで行っていくことになります。なお、公務員の人やアルバイト・パートの人も同じです。

(1) 勤務先から給与所得の源泉徴収票を、国民年金基金連合会から証券払込証明書を受領
iDeCoの掛金の払込をした年の12月に勤務先の会社で年末調整を行い、給与所得の源泉徴収票をもらいます。iDeCoの払込証明書が秋頃に届くため保管しておきましょう。勤務先への提出は不要です。

(2)確定申告書の作成
年が明けたらiDeCoを含めて確定申告書を作成する。このとき、給与所得以外に不動産所得や譲渡所得、雑所得があったり、医療費控除や雑損控除などがあったりするなら、合わせて確定申告書に記載する。

(3)確定申告書の提出
年明け3月15日(この日が土日祝日になるならその次の平日の最初の日)までに確定申告書を提出する。不動産所得や雑所得が多いなどで納税額が発生するなら、同日までに納付する。還付額が生じるなら確定申告書に還付先の本人名義の預貯金口座を記載する。

3-3.iDeCoの確定申告書作成の手続き

実際の確定申告書は次の流れで作成します。なお、税の計算の流れについては1-7.iDeCoで税軽減につながる仕組みにて既にお伝えしておりますので、ここでは、書類作成に焦点を当てて確認していきます。

(1)必要書類の整理
確定申告書作成に必要な書類を整理します。会社員については具体的には次のような書類が必要となることが多いです。
  • 給与所得の源泉徴収票
  • 原稿料や講演料など所得税が源泉徴収されている所得があるならこれらに関する書類
  • 不動産所得がある人は不動産所得の青色申告決算書あるいは収支内訳書(事前に作成する)
  • 年末調整の際に提出しなかったiDeCoの支払証明書
  • ほかの所得控除に関係する書類
(2)確定申告書に記入、計算
(1)を見ながら確定申告書に記入し、計算していきます。

(3)確定申告書第一表右下に本人の預貯金口座を記載
還付額が発生する人は「確定申告書第一表右下」の預貯金口座を書く欄に、本人名義の口座を記入します。

(4)自分の所得を区分して計算
自分の所得を10種類の区分に分け、それぞれの区分で計算します。所得の計算は基本的に「総収入金額-必要経費」で行いますが、厳密にはそれぞれの区分によって計算方法が異なります。

このとき、事業所得・不動産所得・山林所得は青色申告決算書又は収支内訳書を最初に作成し、このほか、譲渡所得などもあらかじめ所定の申告書に記入し、作成します。

(5)各所得控除を計算
こちらも(1)と同様、「社会保険料控除」「医療費控除」「生命保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」などに分けて計算します。

3-4.iDeCoの確定申告に必要な書類

iDeCoの確定申告に必要な書類は、会社員なら誰でも共通する部分と、申告する内容によって異なる部分があります。具体的には次のようになります。

(1)共通する部分
  • 給与所得の源泉徴収票
  • iDeCoの支払証明書
  • マイナンバーカード(両面)のコピーあるいは「マイナンバーの通知カード+身分証明書(表裏)」のコピー
2019年分の確定申告以降、給与所得の源泉徴収票の添付は不要になりました。このほか、税務署に直接提出する際、マイナンバーカードや通知カード・身分証明書を窓口で提示するならコピーの添付は不要です。コピーは郵送提出のときに必要になります。

(2)異なる部分
給与所得や配当所得、雑所得といった一部の所得とiDeCoを含む所得控除を申告するならば、確定申告書Aを用います。それ以外の不動産所得や譲渡所得も申告するのならば確定申告書Bを使います。迷ったらすべての所得に対応できる確定申告書Bを選びましょう。

3-5.iDeCoの確定申告の期限

通常の確定申告の申告期限はiDeCoの掛金を支払った年の翌年2月16日から3月15日まで(この日が土日祝日になるときは、その次の平日まで)になります。ただ、還付申告については、翌年1月1日から提出が可能です。さらにiDeCo掛金を支払った年の翌年1月1日から5年間は提出できます。

なお、亡くなった人のiDeCoの確定申告(準確定申告)と海外に出国する人の確定申告は、それぞれ次のようになります。

(1)亡くなった人の確定申告(準確定申告)
相続(死亡)の開始があったことを知った日の翌日から4ヵ月以内に申告します。

(2)海外に移住することにより非居住者となる人の確定申告
出国日までに確定申告を行うことが原則です。ただし、国内に不動産があり非居住者となった日以後も不動産所得が生じるなどで納税管理人を定めた場合には、通常の申告期限までに納税管理人が本人の代わりに確定申告を行えばよいこととなります。

3-6.iDeCoで還付されるときの手続き

会社員がiDeCoで還付されるのは給与所得以外に特段所得がないときや、給与所得以外に所得があっても配当所得のように源泉徴収の対象となる所得であるとき、不動産所得の赤字により損益通算で所得額全体が小さくなるときなどです。ただ、所得額によるので必ず還付になるとはいえません。

なお還付については、申告書を提出してから2週間後くらいから4月下旬あたりを目安に還付税額が本人の預貯金口座に振り込まれます。

3-7.iDeCoでも納税になるときの手続き

iDeCoでも納税になるときは、給与所得以外に不動産所得や雑所得など黒字の所得があるときです。このようなときは、確定申告の期限までに所得税を税務署あるいは金融機関の窓口で納付書を用いて納税するか、パソコンかスマートフォンでクレジットカード納税することが必要です。このほか、納税方法としては振替納税やQRコード付きの納付書を用いたコンビニ納付があります。

4.iDeCoの確定申告の注意点

以上がiDeCoの確定申告です。iDeCoは始まったばかりの制度であるため、うっかりミスをすると後で損をすることになります。特に次の2点には注意が必要です。

4-1.稼ぎのある妻や夫の所得から控除できない

iDeCoの掛金は契約している本人分しか控除ができません。なぜかというとiDeCoの掛金は本人の預貯金口座から引き落とされるからです。「年間に支払った金額すべてが所得控除できる」という点で社会保険料控除と似ていますが、iDeCoは社会保険料と同じように同一生計の家族分から差し引くことはできません。iDeCoでは、社会保険料のような現金納付ができないからです。なお、所得控除は原則、「支払を負担した人が控除できる」となっています。

「専業主婦の妻を養っているのは自分だし、間接的にiDeCoも自分が払っているようなものなのに」と思う人もいるかもしれません。しかし制度上、本人分以外は控除できないことになっているので留意しましょう。

4-2.遅すぎる申告だと住民税の税軽減効果が享受できない

iDeCoで確定申告をする人の多くは還付申告だと思われます。「還付申告は3月15日過ぎても5年間可能」といわれ、のんびりと還付申告を行う人がいますが、実はのんびりした分だけ損をします。なぜかというと遅すぎる還付申告だと住民税については税軽減効果が享受できないからです。

確定申告期限の3月15日が終了した後、各市区町村に所得税の確定申告書の情報が届きます。これをベースに各役所で住民税を計算し、6月以降の住民税を納税者に通知する仕組みとなっています。この市区町村での住民税の計算の際、iDeCoの情報がなければ、iDeCo分を除いた所得額で住民税が計算されることになります。つまり、iDeCoの税効果が薄れるのです。きちんと税効果を得たいなら、できるだけ期限内に申告するようにしましょう。

5.早く始めた分だけ税効果は高くなる


iDeCoには掛金控除を含め、3つの税メリットがありますが、加入が遅くなればなるほど享受できる期間は短くなります。逆に早々に加入すればその分税効果が高まるのです。

税対策だけでなく老後の資金をより潤沢にするためにも、iDeCoに興味を持っている人はなるべく早めに加入を検討するとよいでしょう。

 

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