投資・資産運用
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2020.8.17

「勝ち組REIT」の見極め方‐5タイプの各事業環境と分配金利回りを意識する

(写真=zimmytws/stock.adobe.com)
(写真=zimmytws/stock.adobe.com)
株価が値を戻す一方でREIT(不動産投資信託)相場は出遅れが顕著なことから、「今こそ買い場」との声も少なくありません。では、すべてのREITがお買い得なのでしょうか。今回の記事では、REITの投資対象資産を切り口に、「勝ち組REIT」の見極め方について解説します。

分配金利回りに投資妙味

2020年春からの投資市場の混乱で、日経平均株価は年初来高値から大きく下落しましたが、REITへのダメージはさらに大きく、東証REIT指数は年初来高値(2020年2月21日)の2,255ポイントから3月中旬には半値の1,138ポイントと、わずか1ヵ月で半値まで暴落しました。

その後も日経平均が7割以上値を戻したのに対し、東証REIT指数は6月中旬時点で1,700ポイント前後にとどまり、下落前の水準には程遠い水準です。

一方、価格下落と反比例する形でもともと高かったREITの分配金利回りは急上昇、投資妙味を増しています。ちなみにJ-REIT63銘柄のうち、利回り5%を超えるのは27銘柄に達します。

 

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すべてのREITが有利ではない……

ただし、すべてのREITが買い時ということではなく、投資対象資産によって状況はかなり異なるようです。

REITは投資対象資産によって「ホテル」「物流」「オフィス」「住宅」「商業」の5タイプに分かれています。各タイプは運営している事業の経済環境も大きく異なり、REIT価格推移にも違いが見られます。

REIT価格は、物流・住宅系がすでに昨年末水準にまで値を戻しています。「物流・住宅は先行きが安定している」と見込む、投資家の思惑が反映された格好です。裏を返せば、さらなる価格上昇の余地は乏しいといえそうです。

一方でオフィス系は、10月以降と想定される賃料改定の影響が敬遠され、軟調な相場が続いています。ただし価格が落ちた分だけ分配金利回りは高止まりしており、仮に賃料改訂に伴う減配が10%程度なら分配金利回りはまだまだ旨みがありそうです。加えて、もし賃料改定の影響が市場予測ほどでなければ、今後の価格上昇も期待できます。

ホテル系・商業系は外出自粛やインバウンド需要の消失が今後も尾を引くと想定され、オフィス系よりも厳しい状況です。テナントからの賃料引き下げ要求も相次いでおり、REIT価格が持ち直すには当面時間がかかりそうです。

どのREITが今後優位となるかについては、価格推移はもちろんですが、賃料水準に左右される分配金の動向もにらみつつ慎重に見極めていく必要がありそうです。

文・野口 孝雄
上場企業(大手日用品メーカー)にて、事業戦略・財務に携わる。とくに財務部門所属時には、株主総会運営・決算開示を経験、経営分析の力をつける。個人としての投資経験に合わせ、「投資される」企業側からの視点を加味した、独自の切り口によるコラムを真骨頂としている

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