投資・資産運用
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2020.8.13

いまさら聞けない株式投資の基本と利益の上げ方、リスクの管理方法

(写真=charnsitr/stock.adobe.com)
(写真=charnsitr/stock.adobe.com)
2020年2月中旬~3月中旬にかけて日経平均株価は大暴落し1万6,000円台まで下落しました。しかし同年4~5月にかけては反発して2万円台を回復しています。株式投資している人にとっては資産の目減りにより戦々恐々とした状態の人もいるかもしれません。しかしうまく流れに乗ることができれば資産を大きく増やすことができる可能性もあるでしょう。

億単位の資産を築いた投資家のことを「億り人(おくりびと)」と呼ぶ言葉があるほど株式投資の世界では多くの資産家が誕生しています。そんな株式投資の世界に関心があるものの「難しそうだ」「いまさら聞けない疑問が多くてなかなか実行できていない」という人もいるのではないでしょうか。そこで本記事ではいまさら聞けない株式投資の基本や実際の投資で利益を上げる方法、リスクの管理方法について解説します。
 

株式投資の基礎知識と「3つの収益」

最初に株式投資の基本的な知識として「これさえ知っておけば大丈夫」といえる最低限の知識を確認してみましょう。まずは株式投資の前提となる以下の6つの知識をマスターしてください。
  • 株式投資と株の仕組み
  • 株式投資の収益は3通り
  • 株式投資の最低資金額
  • 取引可能時間
  • 株価が変動する主な要因
  • 株式投資の手数料

株式投資と株の仕組み

株式投資とは、株式市場に上場している株式を売買して利益を得る投資のことです。株式とは株式会社が発行している証券のことで証券(株券)を証券取引所で購入することでその会社に出資をすることができます。会社は投資家の出資した資金を元手に事業を行い、そこから得られた利益を出資者である株主に分配する仕組みです。

また株式は売買がしやすいように証券取引所に上場され世界中の証券取引所で活発に売買されています。日々活発に売買されているため、買いが優勢なときは値上がり逆に売りが多くなると値下がりするという流れです。この株価変動を利用して利益を狙う投資家が多くいるのは、ご存じの人も多いかもしれません。

例えばあまり注目されていない株価の低い銘柄を購入、その後会社が急成長により株価が上昇した時点で売却すると大きな利益を手にすることができます。そのため株式投資は夢のある資産運用方法ともいえるでしょう。

株式投資の収益は3通り

株式投資で利益を上げる方法は主に「価格差益(キャピタルゲイン)」「配当益(インカムゲイン)」「株主優待(インカムゲイン)」の3つです。

・価格差益(キャピタルゲイン)
「株価が低いときに購入して高いときに売る」「株価が高いときに空売りをして低くなったら買い戻す」といった価格差を利用した利益がキャピタルゲインです。思惑通りに売買することができればキャピタルゲインを手にすることができますが予想が裏目に出た場合は損失が発生します。この損失がキャピタルロスです。

・配当益(インカムゲイン)
会社が株主に対して分配する利益が配当金です。配当収入は株価に関係なく支払われるため、キャピタルゲインのようにマイナスになることはありません。ただし配当金が出るかどうかは企業の業績次第です。そのため今まで配当金が出ていても業績が悪化した場合は配当が出なくなることはあります。配当金は各社が定める権利付最終日時点で株式を保有していると得ることが可能です。

例えば株価が安定している配当金実績のある銘柄を長期保有すると価格変動リスクが低いため「金利の良い定期預金」に近い感覚で運用することが期待できます。

・株主優待(インカムゲイン)
配当金と同様にインカムゲインに分類されるのが株主優待です。日本では株主優待を行っている企業が多いですが、配当金主流の海外企業の場合、株主優待というインカムゲインはあまりありません。会社が事業によって上げた利益の一部を優待として株主に還元しているため、実質的な配当金の一部を考えて良いでしょう。

株主優待についてはすべて企業が採用しているわけではありません。野村インベスター・リレーションズ株式会社の「『知って得する株主優待』2021年度版について」によると2019年10月時点で株主優待を採用している企業数は1,536社(37.2%)でした。約4割の企業が、株主優待を実施している状況です。

株式投資の最低資金額

株式には売買単位が設定されており、2018年10月以前は各企業の売買単位は1株、10株、100株、1,000株など購入単位が異なりました。しかし2018年10月以降は1単元100株単位に統一されています。こうした最低売買単位の株を単元株といいます。例えば1株2,000円という銘柄であれば1単元購入するには2,000円×100株=20万円が必要です。1株100円の銘柄なら1単元は1万円となります。

ただ近年は1単元(100株)からではなく1~99株といった単元未満株(端株)を購入できる証券会社も少なくありません。

取引可能時間

株式の売買は証券取引所で行うため、証券取引所が営業している時間帯が取引可能時間となります。例えば東京証券取引所の取引時間の場合は、以下のとおりです。
  • 午前立会(前場):9:00~11:30
  • 午後立会(後場):12:30分~15:00

月~金曜日の平日が取引可能日で土日祝日は取引することができないため「平日の午前中と昼下がりに時間を取れる人しか株式投資ができないのでは?」と考える人もいるのではないでしょうか。しかし売買注文に指値といってあらかじめ設定した株価になったときに注文を発動させる方法があります。そのため必ずしも営業時間帯に売買画面に張り付いている必要はありません。

株価が変動する主な要因

株式投資で大きな利益を手にすることができる方法は、やはりキャピタルゲインです。キャピタルゲインを得るためには株価変動の仕組みを押さえておくことが必要になります。主に株価は「企業業績」「景気変動」「テクニカル」「配当金」といった4つの要因で変動している傾向です。

・企業業績(ファンダメンタルズ)
企業の業績が良いと株主に分配される配当金が増える可能性があるため、株価の上昇要因になるでしょう。同時に業績が好調の場合は経営破綻のリスクが下がるため、株価の下支えも期待できます。また企業の合併や経営陣の交代、資金調達の成功など経営に大きな影響を及ぼすようなニュースも株価変動要因の1つです。こうした要因のことを、ファンダメンタルズといいます。

・景気変動(マクロ)
特定の企業だけの話ではなく経済全体の景気がどのような局面にあるのかも株価に影響を与えます。典型的なのは2008年9月に起きた「リーマンショック」です。米投資銀行リーマン・ブラザース・ホールディングスの経営破綻をきっかけに、世界的な信用不安が発生し、幅広い銘柄で株価が下落しました。株価の低迷はしばらく続き、回復基調となるまでに半年以上の時間を必要としています。このように、景気の先行きや大きなリスク要因などによって株式市場全体に影響が及ぶと、個別株の株価も大きく変動します。

・テクニカル
過去の値動きを統計学などによって分析する手法がテクニカル分析です。テクニカル分析はチャートを用いて行われるため、チャート分析と呼ばれることもあります。移動平均線やボリンジャーバンド、一目均衡表などさまざまなテクニカル分析手法が考案されており統計を元に株価変動を予測することが可能です。これらは証券会社が提供しているツールやアプリで簡単に調べることができます。

多くの投資家が用いているテクニカル指標で売買シグナルが発せられると、そのシグナルを根拠に売買をする投資家が多くなるため、テクニカル的なシグナルが株価を動かすことも少なくありません。

・配当金
配当金によるインカムゲインも株式投資の重要な利益の1つです。高配当株を長期保有することで利回りの高い運用をしている投資家も多く配当金の増減は株価にも大きな影響を及ぼします。一般的に配当金が高くなる(増配)と株価上昇、逆に配当が少なくなったり(減配)、配当がなくなったり(無配)すると株価の下落圧力となりがちです。

株式投資の手数料

株式へ投資する場合は証券会社へ委託して売買を行うため、手数料がかかります。この手数料が株式委託手数料です。株式を購入および売却するときに手数料が発生するため、株式投資の大きなコストになります。手数料の金額は各証券会社で異なりますが主な体系は「1回の売買ごとにかかる」「一定の金額ごとにかかる」といった2つです。

例えばネット証券大手のSBI証券の場合「スタンダードプラン」と「アクティブプラン」という2つの料金プランが用意されています。スタンダードプランは1回の売買に対して金額に応じて都度手数料が発生する仕組みです。アクティブプランは1日の売買合計額に対して一定の手数料が発生する仕組みになっています。

1日の取引金額や売買の頻度によって自分にあったプランを選択することが大切です。例えば1日で頻繁に売買を行う本格的なトレーダーであればアクティブプランのほうがコストとしては削減できるでしょう。

このように各証券会社には手数料プランの選択肢があります。例えばSBI証券を株式投資初心者が利用する場合、それほど頻繁にトレードをすることは少ない傾向です。しかし同社のアクティブプランは1日50万円までの取引が0円とお得になっています。そのため購入しようとしている銘柄が50万円以下の場合はアクティブプランを選べばコストをかけずに株式を購入することができるでしょう。

 

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株式投資に必要な取引方法と知っておくべき指標

株式投資を始めるために必要な知識として、ここでは基本的な取引(売買)方法と株価を予測するファンダメンタルズ要因として特に押さえておきたい以下の内容について解説します。
  • 主な取引方法
  • 株価変動に影響を与えやすい主な指標

主な取引方法

株式の売買というと「買って売る」というイメージの人が多いかもしれません。しかし株式の売買は大きく分けて「現物取引」「信用取引」「空売り」といった3つがあります。さまざまな取引方法を押さえておけば基本的な売買がほぼすべて可能です。

・現物取引
現物取引は多くの人がイメージしている「株を買って売る」という取引のことです。証券会社に指定の金額で売買注文(指値)を出して証券取引所の取引時間内に条件を満たせば売買が成立します。成行注文は値段を指定しない注文です。注文者の有利な売買相手と取引することになるため、例えば成行買い注文を出した場合はその時点で一番低い売り注文していた人と売買が成立します。

保有している株式を売却する場合も同様です。指値注文は自分が希望する株価で注文をすることができますが、売買が成立しない場合、失効となります。しかし成行注文はすぐに売買できるのが特徴です。

・信用取引
信用取引とは、投資家の信用に基づき証券会社から資金や株券を借りて行う取引のことです。手持ち資金の約3倍という金額の株式売買ができるため、自己資金だけでは買えないような株式を買うこともできます。自己資金よりも大きな規模の取引ができるため、少ない資金で大きな利益を上げられる可能性があることはメリットです。しかし損失を被る場合も大きくなるため徹底した資金管理が重要となります。

・空売り
空売りは信用取引の一種で証券会社から株券を借りて先に売り、株価が下がったところで買い戻して証券会社に返却する取引のことです。現物取引だと注文が「買い」のみですが、空売りを活用すると相場が下落局面の場合でも売りからの参入ができます。単に下がる銘柄を購入して利益を得るだけでなく保有している株式のリスクヘッジとして活用することも可能です。

手元に株券を持っていないにもかかわらず売りから参入するため、「空売り(からうり)」と呼ばれています。

株価変動に影響を与えやすい主な指標

ここでは株価変動に影響を与えやすい「PER」「PBR」「配当利回り」といった3つの指標について解説します。

・PER(株価収益率)
PER(Price Earnings Ratio)とは株価収益率のことです。対象銘柄の企業が1株あたりにどれだけの利益を上げているかを知るための指標です。1株あたりの収益率を知ることで対象銘柄の収益力に対して「株価が高すぎるのか」「安すぎるのか」が判断できます。PERが高いと株価は割高、低いと株価は割安と見られるのが一般的です。

ただし同業他社のPERと比較したり同一銘柄の過去のPER推移を確認したりすることも必要です。これらを踏まえて現在の株価の収益率を判断します。

・PBR
PBR(Price Book-Value Ratio)は、株価純資産倍率と訳されている指標です。会社が保有している1株あたりの資産に対して株価が割高か割安かを計るために使用されます。株価を1株あたりの純資産で割って求めるため、株価と純資産の比率が同一であればPBRは1倍です。もしこの会社が整理・解散した場合、PBRが1倍であれば理論上株主には株価と同じだけの資産分配があることになります。

PBRが1倍よりも小さい場合は会社を整理するとプラスになるため、相対的に株価が割安であると判断するのが一般的です。逆に1倍よりも大きい場合は、会社を整理した場合マイナスになるため割高と見られます。ただPERと同様に業種によっても適正値が異なる傾向のため、総合的に判断することが必要です。

・配当利回り
配当利回りは、年間の配当額を1株の株価で割って求めることが可能です。投資を検討している銘柄を保有し続けることで「毎年どの程度のインカムゲインが期待できるか」が分かります。配当金が高いことは投資家にとってはプラスとなるため、配当利回りが高い銘柄は購入希望者が増えて株価の上昇要因になる場合もあるでしょう。

ただし例えば毎年の配当額が変わっていないのに配当利回りが高くなるということは、株価が低くなっていることを意味します。業績悪化など株価低迷によって配当利回りが異常に高くなっている銘柄の場合もあるため「配当利回りが高いこと」だけを判断材料に投資しないことも大切です。

株式投資で利益を上げるために知っておくべきこと

株式投資を始める以上「利益を上げて資産を増やしたい」と思うのは当然です。株式投資で利益を上げることは決して簡単ではありません。ここでは株式投資で利益を上げるために最低限知っておきたい知識を5つ解説します。
  • 株価をチェックする方法
  • ファンダメンタルズ分析
  • テクニカル分析
  • 他の金融商品との相関性
  • 株式投資の時間軸

株価をチェックする方法

株式投資で最も重要な数値が株価です。株価をチェックする方法はたくさんありますが、株式投資をするために開設した証券会社のツールやアプリなどを利用するのが最も手軽でしょう。取引可能時間であればリアルタイムの株価が表示され取引時間外の場合は直近の終値が表示されています。その他にも株式ポータルサイトやYahoo!ファイナンスなど株価をチェックできるサイトはさまざまです。

それぞれチャートの見栄えも異なるので自分の好みに合わせて選んでも問題ありません。

ファンダメンタルズ分析

株価の変動要因であるファンダメンタルズは、実際に株式売買をする際に強く意識することが必要です。証券会社の管理画面では投資をしようとしている銘柄のページに株価だけでなくPERやPBR、最近の業績や最近のニュースなどが表示されています。そのためこうした情報から今後株価がどうなるかをイメージすることが大切です。

もちろん証券会社の管理画面以外にもネット上には株式投資に役立つ情報を配信しているサイトがたくさんあります。自分が使いやすいニュースソースを見つけることも投資家としてのスキルといえるでしょう。

テクニカル分析

ファンダメンタルズ分析と並んで株式投資に欠かせないのがテクニカル分析です。テクニカル分析の方法はあまりにも多岐にわたり、さらに奥が深いため簡潔に解説することはできません。しかし過去の値動きから統計学的に今後の値動きを推測する手法が多数考案され実践されている傾向です。そのためそれらの中から自分の使いやすいもの、得意なものを選んで用いるのが良いでしょう。

テクニカル分析で重要なのは「異なるチャートや指標を用いると異なる結果が出ることがある」ということです。「どのチャート、どの指標を信用するか」は投資の技術レベルにも関わってくるため、経験を重ねながら「ありがちな展開」を見出してください。

他の金融商品との相関性

株式は数ある金融商品の1つです。そのため株価は他の金融商品の値動きと関わりながら常に変動しています。そのため債券市場や金利、為替レート、コモディティ(資源、食糧、金属などの商品)などさまざまな値動きが株価に影響を及ぼしたり株価がこれらの金融商品に影響を及ぼしたりすることもあるのです。また株価同士が相関性を持つことも少なくありません。

そのため特定の株価だけを追うのではなく広く経済全体を見わたして株価の予測をするようにすると精度が高くなるでしょう。株価に影響を与えるさまざまな相関性には以下のようなものがあります。
  • 日本株と米国株の相関性(米国株が上昇して引けると翌朝の日本株も上昇しやすい。逆もしかり)
  • 外国為替が円安になると株価が上昇しやすい(逆もしかり。円高になると株安になりやすい)
  • リスクオフになると債券が買われ株が売られる(逆もしかり)
  • リスクオフになると金が買われ株が売られる(逆もしかり)
  • 原油価格が下落すると資源国の株式や通貨が売られる
リスクオフとは、経済や景気にリスクが高まり積極的にリスクを取る「攻め」の投資から資金の目減りを防ぐ「守り」の投資にシフトしやすい局面のことです。こうした相関性は絶対ではなく崩れることもあるのですが、その後再び相関性を取り戻すこともよくあります。基本的な知識として一般的な相関性を知っておくと株価全体の騰落を予想しやすくなるでしょう。

株式投資の時間軸

株式投資には、以下のような「超短期投資」「短期投資」「中長期」時間軸による分類があります。
  • 超短期投資:スキャルピングやデイトレード
  • 短期投資:スイングトレード
  • 中長期投資:インカムゲイン目的や投資信託、つみたて投資など
どれだけの時間で投資を手仕舞いするかによって分類されています。分類がある理由は、時間軸によって投資の戦略や価値観が異なるからです。例えば長期的には下落基調にある銘柄だったとしても好感されるニュースやテクニカル的なシグナルによって一時的に株価が反発することがあります。この場合、長期投資であれば売り推奨ですが、短期的には買いが有利となるでしょう。

また配当金などインカムゲイン目当ての投資であれば短期的な株価変動は特に関係がありません。安定的に配当金が出ている限りは長期間保有し続けるのが勝ちパターンとなるでしょう。このように自分の投資戦略やスタイルで「どの時間軸をメインにするのか」「どの時間軸が得意なのか」をしっかりと検討したうえで銘柄選びや各種分析をするのがセオリーです。

株式投資のリスクとリスク管理方法

株式投資に限らず投資はリスク管理が非常に重要です。資産を増やす方法を考えるのが「攻め」とすれば資産を減らさない方法が「守り」になります。その守りの具体的な手法がリスク管理です。ここでは以下の3つの観点からリスク管理について確認していきましょう。
  • 株式投資の主なリスク
  • 株式投資のリスク管理方法
  • 避けるべき銘柄

株式投資の主なリスク

株式投資でお金を減らしてしまうリスクは、主に「キャピタルロス」「経営破綻や上場廃止」の2つです。株式投資のリスク管理とは、この2つのリスクをどう回避するかに集約されます。

・キャピタルロス
株価変動による利益のことをキャピタルゲインといい、その逆の損失はキャピタルロスであると解説しました。株式投資で最大のリスクは、このキャピタルロスです。確定していない損失のことを含み損といいますが、購入した株式が値下がりして含み損が出ている場合でも売却しなければ損失は確定しません。そのため「値上がりするのを待って持ち続ければ良いのでは?」という感じる人もいるでしょう。

株式投資の世界では含み損となって売るに売れない状況のことを「塩漬け」といいますが、資金に余裕のある人の場合はこれも有効な戦術の1つです。しかし資金にあまり余裕がない人にとって「塩漬けにする」ということは資金が拘束されてしまうため新たな投資チャンスを逃してしまうこともあります。そのため資産状況によっては必ずしも有効な戦術とはいえない場合もあるのです。

・経営破綻や上場廃止
株式を発行している企業はすべて経営破綻や上場廃止のリスクがあります。経営破綻のうわさが流れると株価が急落するため、実際に破綻や上場廃止になったときにはすでに無価値になっていることが多い傾向です。突然の経営破綻で株券が紙切れ同然になってしまう可能性もあります。

株式投資のリスク管理方法

キャピタルロスや上場廃止リスクなど株式投資のリスクを根本的に解消することはできません。しかし適切に管理することによってリスクによる影響を軽減することは期待できます。リスク管理するためには「分散投資」「損切り」「ナンピン」といった3つの方法も有効です。

・分散投資
「卵を1つのかごに盛るな」という投資の格言は有名です。1つのかごに卵を全部盛った状態でかごを落としてしまった場合、すべての卵は割れてしまいます。しかし複数のかごに分けて盛っておけば1つを落としてしまっても残りは無事というわけです。つまり投資にあてはめると1つの投資商品に集中投資せず投資先を分散することでリスクを低減するという考え方になります。

より具体的にいえば株式投資だけでなく投資信託や債券、外国為替、コモディティなど投資商品そのものを分散や日本だけでなくアメリカやヨーロッパ、新興国にも投資するなど国や地域を分散するのも方法の1つです。

・損切り
含み損が出ている状態を放置せず自分で決めた一定のラインで損失を確定させることを損切りといいます。損切りをすると資金が減ってしまうため、誰もが損切りを避けたいと思いがちです。しかし含み損は放置しているとさらに下落相場に入り損失が拡大して致命傷になってしまう可能性もあります。そのため損切りは自分で決めた一定額以上の損失を出さないようにする一種の保険のようなものです。

投資家としてのレベルを向上していくためには、この損切りをいかに効果的かつ正確に実行できるかが重要といえるでしょう。的確な損切りをすることで損失を最小限に食い止めれば次のチャンスが来たときのための資金を残したり有効に再投資したりすることが期待できます。理想的なのは株式を購入もしくは空売りする際に最初から利益確定と損切りの株価を決めておくことです。

例えば注文の段階で指値注文や逆指値注文を最初から入れておくことで確実に損切りを発動させることができます。

・ナンピン
ナンピンとは、含み損が出ているときに追加投資をして平均取得価格を下げる戦術です。例えば1株100円の株式を100株購入(1万円分)したとします。この株式が値下がりして株価90円になった場合の評価額は9,000円で1,000円の含み損です。もし90円のときに追加で100株買い増した場合、9,000円かかるため評価額は1万9,000円で合計200株となります。

そのため1万9,000円÷200株となり平均取得価格は95円と下がるのです。100円のときから平均取得価格は5円下がったため、株価が95円を超えた時点で利益が出ます。このような戦術がナンピンで一時的に相場が逆行しているものの再び回復することが見込めるのであれば有効な戦術です。しかし相場の下落が進んでしまうと当然含み損は拡大します。

ナンピンをしても株価の下落が止まらない状態では致命的なダメージになる可能性があるため、ナンピンは条件が整っている場合にのみ有効な戦術と押さえておきましょう。含み損を確定させるのが嫌でやみくもにナンピンをすることは「下手なナンピン、スカンピン」という言葉もあるほど危険です。さらなる下落傾向がある場合は、できるだけナンピンではなく損切りを選択することをおすすめします。

避けるべき銘柄

数ある銘柄の中には、避けるべき銘柄があります。明確に「どの銘柄を避けたほうがよい」という定義はありません。しかし注目度だけで売買されているような銘柄は避けたほうが賢明です。値動きが荒いためトレード技術が高ければ利益を出しやすい一面はありますが、投資初心者は目先の利益にとらわれすぎて手を出してしまうと上級者の「カモ」になってしまいかねません。

経営危機がうわさされているような企業や不祥事の発覚で急落した銘柄、逆に短期間に急上昇したような銘柄などは株式のランキング上位に顔を出すので目立ちます。「あわよくば自分も利益を得られるかも」といった軽い気持ちで参戦してしまうと大やけどするリスクが高いため初心者のうちは手を出さないとルール決めしておくことが重要です。

初心者でも経験を積むことで投資判断やリスク管理が養える

「株式投資って面白そう」「株式投資を始めてみたい」という初心者に向けて株式投資の基本から利益の上げ方、具体的な始め方などについて解説してきました。投資は難しそう……と感じている人もいるかもしれませんが、本記事で解説した情報だけでも十分にリスクを抑えながら始めることができます。経験することで気づくことや理解できることも多いため、まずは少額から株式投資の世界を体験してみてはいかがでしょうか。
 

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