投資・資産運用
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2020.8.5

2020年の米国株投資は、19年のIPOラッシュの生き残りを見極める年

(画像=Getty Images)
(画像=Getty Images)
2019年の米国株市場はIPOラッシュでした。

ズーム・ビデオ・コミュニケーションズやビヨンドミート、スラックなど多くの注目企業のIPOで市場が盛りあがりました。

多くの投資家は、IPO直前の盛りあがりやIPO直後の値動きばかりを追ってしまうのではないでしょうか。

確かにIPO直後は株価が大きく動き、エキサイティングなトレーディングの機会があります。

しかし中長期的にみるとIPOされた銘柄はしばらく値動きが停滞するケースが多いのです。

例えばIPOされたビヨンドミートやスラックは上場直後に高い値がつきました。

しかし過大なバリュエーションで2020年1月現在、値を下げています。

2020年は19年にIPOされた銘柄が振るいにかけられます。

多くの投資家が忘れた頃にIPOされた銘柄が成長するケースも多いため、20年は19年にIPOされた銘柄をしっかり追うと、投資のチャンスをつかめる可能性が高まります。

IPO株はしばらく寝かせておいた方が良い理由

IPO株は上場直後に慌てて買う必要はありません。

むしろ、しばらく寝かせておいて半年から1年ほど振るいにかけてから買った方が良いケースもあります。

IPOされた直後の株はロックアップ期間というインサイダーや創業者が自社株を売れない期間があります。

しかし一般的に約180日のロックアップ期間が過ぎるとインサイダーや創業者は株を売れるようになります。

そのため上場してから半年を過ぎると売り圧力がかかりやすくなります。

またIPO直後は話題性で過大なバリュエーションがついてしまい、しばらく上値が重くなる展開もあります。

つまりロックアップ後の売り圧力とIPO直後の過大なバリュエーションで、しばらくIPO後の株価は低迷する期間が続きやすいのです。

しかし本当の成長株は、IPOされて投資家が注目していない時期にいつの間にか新高値を抜けて伸びていきます。

2020年こそ2019年のIPO銘柄に投資する絶好のタイミングが来るかもしれません。

例えばスラックやウーバー・テクノロジーズなど、IPO直後の高いバリュエーションに苦しんでいる銘柄があります。

意外と話題になったけど駄目だったと見捨ててはいけません。

多くの投資家が離れていった後にこそ本当のチャンスが巡ってきます。

2020年こそ注目したい19年のIPO銘柄

2020年こそ動向を追っておきたい19年度にIPOされた注目銘柄をご紹介します。

2020年~21年の振るい落としで株価が上がらず底うねりをするようであれば無理に買う必要はありません。

しかし新高値をつけたら買いのチャンスです。

Facebookなど大きく上昇した銘柄も、チャートをIPOした頃まで遡ると新高値を抜けてから大きく上昇しています。

20年こそ19年度のIPO銘柄を注目しましょう。

ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(NASDAQ:ZM)

2019年4月にIPOされたビデオ会議やオンライン会議のソフトウェア企業です。

リモートワークや新しい働き方、遠距離の会議の需要が高まっていることが追い風になっています。

売上高も右肩上がりで上昇中です。

2019年度の100USD付近の高値をまずは抜けられるかに注目してみてください。

2020年1月で70USD後半まで値を戻しています。

順調に市場のコンセンサスを上回る決済を今後出せれば、十分100USDを上回るポテンシャルのある銘柄です。

ビヨンド・ミート(NASDAQ:BYND)

2019年5月にIPOされた人工肉の製造・開発をする企業です。

IPOされてから7月に60USD程度の株価が230USDを超え急騰しました。

しかし7月下旬から大きく下落し19年度末には70USD台まで下がりました。

しかし1月初旬に再び上昇し100USDまで値を戻しています。

ただし極めて高いバリュエーションで取引されており、上値が重いため慎重な態度をとったほうが良いかもしれません。

パロマーホールディングス(NASDAQ:PLMR)

2019年4月にIPOされた保険会社の銘柄です。

日本人にはあまり馴染みがない銘柄かもしれません。

パロマーは従来の保険会社がカバーしきれていなかった分野の保険を取り扱っています。

例えば地震・洪水・竜巻などの特定財産保険市場に焦点を当てることで同業他社と差別化しています。

年単位で売上も右肩上がりで順調に伸びています。

保険の企業なので成長株で分散投資をする際にIT系の銘柄ばかりになっている投資家は、ポートフォリオ組み入れに検討しても面白い銘柄なのではないでしょうか。

IPO直後の4月の株価は18USD程度でした。

2019年末には50USDを越えました。

2020年1月現在48USD程度に落ち着いていますが、チャート的には大きく崩れておらず順張りで買いやすい銘柄です。

スラック(NYSE:WORK)

スラックは日本でも普及しているコミュニケーションソフトです。

2019年6月の上場から一方的なダウントレンドで2020年を迎えました。

IPOで38USDから2020年1月には22USD程度まで下げています。

しかし高値と安値に大きな差ががないため、決算をとりこぼさなければ新高値を抜きやすい株価です。

ウーバー・テクノロジーズ(NYSE:UBER)

ウーバー・テクノロジーズは配車アプリの企業です。

ウーバーのアプリでタクシーを呼ぶと、後から顧客と運転手が相互評価をする仕組みになっています。

そのためウーバーを通して仕事をする場合、低い評価ばかりついている質の悪い運転手は淘汰されていく設計です。

ウーバーは日本人投資家にもよく知られた銘柄でIPO時には話題になりました。

しかし黒字化の目処も立たず、競合のLYFTとのシェア争いもあります。

上場してからの高値の46USD付近の株価を上抜けられるだけの好決算がなければ、厳しい状況が続く可能性もあります。

ピンタレスト(NYSE:PINS)

ピンタレストは写真共有ウェブサイトです。

写真以外にもイラストやデザインも共有できます。

デザイナーの世界では参考になるデザインを集めるための便利なサービスとしても知られています。

収益源は主に広告収入です。

ただし決算がコンセンサスを下回っており、株価も2019年の夏以降は低迷しています。

人気のサービスであってもマネタイズや収益化にうまくつながっていないこともあるため、決算をしっかり確認するようにしましょう。

クラウドストライク(NASDAQ:CRWD)

クラウドストライクはインターネットセキュリティの会社です。

クラウドソーシングの手法をネットワークセキュリティに応用しています。

もしも顧客のどこかがアタックされた場合、その情報を他の顧客と共有することで集団防衛する仕組みを採用しています。

近年クラウドのサービスを使って仕事をすることが増えています。

例えば、アドビシステムズのフォトショップやイラストレーターなどの画像編集ソフトは、現在パッケージソフトではなくWEBからサブスクリプションで利用するクラウドサービスになっています。

そのためパソコン1台にセキュリティソフトを入れるだけでは不十分です。

クラウドストライクは新世代型のセキュリティシステムとして順調に売り上げを伸ばしています。

IPO以来、100USD前後の高値から半値まで下落しました。

しかし2020年1月現在、60USD付近まで回復しており上場来の高値を抜けられるかどうかに注目しておきましょう。

まとめ

2019年はIPOラッシュで話題の企業が数多く上場しました。

2020年は19年にIPOした銘柄が真の成長銘柄かどうかを見極める年になるのではないでしょうか。

IPO銘柄は多くの場合、過大なバリュエーションやロックアップ後の売り圧力があるため急いで買う必要はありません。

むしろ、IPOされてから半年~1年程度、様子をみて振るいにかけるべきです。

2019年のIPO銘柄の多くは上場来高値を更新できていません。

しかし2020年以降にIPOされた銘柄が市場から評価され伸びていく可能性があります。

19年にIPOされた銘柄の動向を見逃さないようにしましょう。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan

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