投資・資産運用
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2020.7.8

楽天証券のiDeCo徹底調査!手数料は?おすすめの商品は?

(写真=singkham/stock.adobe.com)
(写真=singkham/stock.adobe.com)
少子高齢化が進み将来の年金に対する不安が大きくなっている今、老後資金の準備の選択肢の1つとしてiDeCoに注目が集まっています。個人型確定拠出年金であるiDeCoをはじめるにはいずれかの証券会社に口座を開設する必要があります。数ある証券会社の中でも楽天証券はiDeCo口座の開設先として人気のある金融機関です。そこで今回は、なぜ楽天証券で口座を解説する人が多いのか、手数料や人気を集めている商品の観点からご紹介します。

楽天証券はなぜ人気?どんな人に向いている?

金融機関にかかる手数料が最安値

一般の証券口座で資産を運用するのに比べ、iDeCoを利用するとさまざまな税制優遇を受けられる一方、加入時、運用時、そして受給時などに手数料がかかることがネックになります。iDeCoではそれぞれ、加入資格の取得や掛金引落しなどの事務を担当する「国民年金基金連合会」、積立金の管理、給付に係る事務を担当する「事務委託先金融機関」、そして口座管理、運用などを担当する「運営管理機関(金融機関)」に手数料を払う必要がありますが、国民年金基金連合会と事務委託先金融機関に支払うお金が一定額なのに対し、運営管理機関(金融機関)に払う手数料は各金融機関によって差があります。

特に運用期間中に払う手数料は、「国民年金基金連合会」に105円、「事務委託先金融機関」に66円プラス各金融機関に払う手数料となっており、その額は金融機関によって0円から458円までとかなり幅があります(2020年3月時点)。

iDeCoは老後資金の形成が目的のため、ほとんどの人は長期に渡ってこの手数料を払う必要があります。仮に1ヵ月で400円手数料が増えると、1年で4,800円、10年で4万8,000円、20年では10万円近くの差になります。

このように、iDeCoの口座開設先を選ぶ際には手数料の低さがとても大きなポイントになります。楽天証券はこの運用期間中に払う手数料が“0円”と、すべての金融機関と比べても最も手数料が安い金融機関の1つとなっています。

コストの低い商品ラインナップが豊富

iDeCoでは大きく分けて元本確保商品と投資信託(元本変動商品)で運用していきますが、投資信託を買うと「信託報酬」という手数料がかかります。信託報酬とは、投資信託を運営・管理してもらうための経費として、投資信託を保有している間はずっと支払い続ける費用です。

この信託報酬は毎月○○円と月額固定などで決まっているのではなく、「投資信託の総資産額に対して何%」という形で払い、投資信託の種類によって異なりますが一般的には0.5%~2%となっています。0.5%を下回るものは信託報酬がかなり低い部類に入るといえるでしょう。

同じ100万円で投資信託を運用するにしても、信託報酬が0.5%の商品であれば手数料は年間5,000円なのに対し、2%のものは2万円かかることになります。iDeCoは前述の通り、加入者は老後まで長期に渡り運用するので、信託報酬の差は運用成績に大きく影響します。例えば、毎月1万円ずつ、投資信託A(信託報酬0.5%)と投資信託B(信託報酬2%)に投資した場合を比較してみましょう。運用はどちらも年3%の利益が出るものとします。
 
  元本 A(信託報酬0.5%) B(信託報酬2%)
5年後 60万円 63万9,270円 61万5,406円
10年後 120万円 136万2,542円 126万2,204円
15年後 180万円 218万860円 191万1,998円
20年後 240万円 310万6,712円 265万6,464円

5年後の差は2万5,000円程度ですが、10年後には10万円、20年後には約45万円の差が出ています。

このように、iDeCoの口座開設先の金融機関を選ぶ時は、その金融機関がどんな商品を扱っているのかと同時に、その商品の信託報酬についても欠かさずチェックしておきましょう。一般的に、日経平均やTOPIXなどの特定の指数への連動を目指す「インデックスファンド」と呼ばれる投資信託の方が、より利益を目指してファンドマネージャーがさまざまな分析を行う「アクティブファンド」よりも信託報酬が低い傾向にあります。

楽天証券は投資信託の商品数が31本と豊富なだけではなく、インデックスファンドも多数の取り扱いがあり、iDeCoの手数料が最安値なことと併せて、最もコストを抑えてiDeCoを利用できる金融機関の1つです。

証券資産と年金資産を1つのIDで管理できる

一般的な金融機関ではiDeCoの資産は別の管理画面で管理することになりますが、楽天では証券資産とiDeCoなどの年金資産は1つのIDで管理できます。そのため、すでに楽天証券に証券口座を持っている人であれば、iDeCo口座も楽天証券で開設した方が資産管理はしやすいでしょう。

その理由は、資産運用では国内・海外の株式や債券、REITなどさまざまな資産を組み合わせる分散投資が基本になりますが、分散投資はiDeCo内だけではなく他の口座ともバランスを取りながら考えた方が効率的だからです。

iDeCoのメリットの1つに、投資で得た利益に対して税金がかからない点があります。通常の金融商品の運用益には20.315%の税金がかかりますが、iDeCoはそれがゼロ、ということです。そのメリットを考えると、例えば証券口座、iDeCo口座を別々に考えそれぞれで資産配分を考えるより、iDeCoでは高い利益が期待できそうな新興国の株式に多めに投資し、証券口座では比較的バランスの取れた先進国の株式や債券などを主に買うといった資産配分を取り、分散投資によるリスク回避を狙った方が良い場合もあります。

このように、自分が持っている資産全体で分散投資を考えたい場合、証券資産と年金資産を一緒に管理できるというメリットはとても役に立つでしょう。

なお、iDeCoで受けられる税制優遇については以下のとおりです。

・掛金が全額所得控除となる
iDeCoでは掛金が全額所得控除されるため、課税所得が減ることになります。当年分の所得税は還付され、翌年分の住民税が軽減されます。

・利息・運用益が非課税となる
通常、投資信託や預金で運用し、利息や運用益がでた場合には、そこから税金が差し引かれます。その際にかかる税率は20.315%です。しかし、iDeCoに加入し投資信託等を運用した場合には利益・運用益がでた場合でも税金がかかりません。iDeCoは老後の準備金としての性格上、長期運用が基本となりますので、運用益が非課税となることのメリットは、通常の投資信託と比較すると大きなものになります。

・受取時にも税制優遇がある
iDeCoは原則60歳から「老齢給付金」として受け取ることができます。その際の受け取り方法は以下の3つがあります。

一時金:退職金の代わりとして全額を一括で受け取るかたちです。
年金:年金として分割で受け取るかたちです。公的年金の上乗せ分として受け取るほか、60歳で退職した際などは、iDeCoでの年金受け取りを退職後からスタートすることで、公的年金の支給開始(65歳)までの無収入期間をカバーできます。
一時金+年金(併用型):一部を一括で受け取り、残りは年金として分割で受け取るかたちです。

一時金の場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金+年金の併用型では「退職所得控除」と「公的年金等控除」が税制優遇措置としてそれぞれ適用されます。

楽天スーパーポイントは貯まらない

楽天には、楽天グループで幅広く利用できる「楽天スーパーポイント」というポイント制度があり、楽天市場で買い物をしたり楽天証券で取引をしたりするほか、NISAなどの投資信託を保有すると、この楽天スーパーポイントが貯まっていきます。ただし、残念ながらiDeCo口座での投資信託の買付は対象外となっています。楽天証券での口座開設のメリットは楽天ポイントが貯まることと捉えがちですが、iDeCoについては当てはまりませんので、ポイントが目当ての人は注意しましょう。
 

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楽天証券のiDeCo(イデコ)でおすすめの投資信託(元本変動商品)

2020年3月現在、楽天証券のiDeCoでは以下の31本の投資信託の取り扱いがあります。
 
分類 商品名 信託報酬
国内株式 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド 0.18%
たわらノーロード 日経225 0.19%
iTrust日本株式 0.98%
MHAM日本成長株ファンド<DC年金> 1.71%
フィデリティ・日本成長株・ファンド 1.68%
コモンズ30ファンド 1.08%
国内債券 たわらノーロード国内債券 0.15%
明治安田DC日本債券オープン 0.66%
国内REIT 三井住友・DC日本リートインデックスファンド 0.28%
野村J-REIT ファンド(確定拠出年金向け) 1.05%
海外株式 たわらノーロード先進国株式 0.11%
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 0.61%
ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け) 1.46%
iTrust 世界株式 0.98%
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全米株式)) 0.162%程度
海外債券 たわらノーロード先進国債券 0.19%
たわらノーロード先進国債券(為替ヘッジあり) 0.22%
インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券(1年決済型) 0.57%
みずほUSハイイールドファンド<DC年金> 1.54%
海外REIT 三井住友・DC外国リートインデックスファンド 0.30%
国内外株式 セゾン資産形成の達人ファンド 1.55%
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)) 0.21%
コモディティ ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり) 0.90%
バランス型 三井住友・DC世界バランスファンド(動的配分型) 1.292%程度
三菱UFJ DCバランス・イノベーション(KAKUSHIN) 0.66%
投資のソムリエ<DC年金> 1.21%
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド 0.59%
楽天・インデックス・バランス(DC年金) 0.207%程度
ターゲットイヤー型 楽天ターゲットイヤー2030 0.90%
楽天ターゲットイヤー2040 0.92%
楽天ターゲットイヤー2050 0.92%

楽天・バンガード・ファンドシリーズ

楽天証券のiDeCoで最初に紹介するのが、「楽天・バンガード・ファンドシリーズ」です。この楽天・バンガード・シリーズをiDeCoで購入できるのは楽天証券だけ(2020年3月時点)で、全米に分散投資できる「楽天・全米株式インデックス・ファンド」とさらに全世界に投資対象が広がる「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の2種類があります。

まず、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」は、マイクロソフト、Google、Apple、アマゾン、Facebookなど誰もが聞いたことのある有名企業を含め、アメリカの大・中・小型株約4,000銘柄に分散投資できるインデックスファンドです。米国株式市場を対象としたインデックスファンドは、「ダウ平均株価」や「S&P 500」が有名ですが、これらの指数よりも銘柄が分散されているうえ、同じようなアメリカ株式インデックスファンドと比べて信託報酬が低く設定されているので、長期に渡って積立投資する商品として適しているといえるでしょう。

投資地域としてはアメリカ1国ですが、アメリカにはさまざまな産業分野で世界をリードしている企業が多くあります。つまり、国として競争力が高いアメリカの先進国としての実績や、さらにこれからうまれるであろう未来の「GAFA」(=google、amazon、facebook、appleの4社のこと)に投資したいという方にはぴったりでしょう。

次に、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」では、新興国を含む世界の株式約7,400銘柄に分散投資することができます。大きな企業だけでなく、中型株と小型株も網羅されている点がポイントで、これ1本で全世界の株式市場を幅広くカバーできるのが特徴です。

信託報酬も0.212%と非常に低く設定されているので、分散投資はしたいけど自分でいろいろと配分を考えるのは苦手という人は、この投資信託を軸にiDeCoの運用を検討してみてもいいでしょう。

たわらノーロードシリーズ

楽天証券では信託報酬が低い投資信託として「たわらノーロードシリーズ」のラインアップがあります。「たわら」という言葉は、お米のほか小麦や小豆などの穀物をいれる袋の意味で、豊か、蓄えるというイメージで名付けられたファンドです。「ノーロード」は購入手数料がかからないという意味であり、今でこそそういった投資信託は数多くありますが、このシリーズは早くから手数料を安くすることに取り組んできた商品でもあります。

楽天証券では、日経平均株価を構成する大企業に分散投資をする「たわらノーロード 日経225」、日本の国債に投資する「たわらノーロード 国内債券」、海外の先進国に幅広く投資する「たわらノーロード先進国株式」、そして海外の主要先進国の債券に投資する「たわらノーロード先進国債券」の取り扱いがあります。

中でも「たわらノーロード先進国株式」は、アメリカを中心に他の先進国の株式に幅広く分散投資できるうえ、信託報酬も0.10989%と低く抑えられています。

三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド

楽天証券では日本の株式に分散投資する投資信託の種類が豊富ですが、中でもこの「三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド」は最も信託報酬が低い商品となっています。前述の「たわらノーロード 日経225」に比べると、たわらノーロードの投資対象が日経平均株価を構成する大企業225社であるのに対し、「三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド」の投資対象は東京証券取引所第一部に上場している企業すべてを対象にしているので、大企業だけでなく日本株式に幅広く分散投資することができます。

「セゾン資産形成の達人ファンド」と「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」

これまでは信託報酬が低いインデックスファンドを中心にご紹介しましたが、楽天証券では複数の投資信託に投資する「ファンドオブファンズ」の取り扱いもあります。それが「セゾン資産形成の達人ファンド」と「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」です。

「ファンドオブファンズ」は、複数の投資信託を運用機関が適切に組み合わせて1つの投資信託にまとめたものです。通常、投資信託というのは複数の株や債券に分散投資することでリスクを避けますが、ファンドオブファンズではそういった投資信託をさらに複数組み合わせることで、より広範囲な分散を実現しています。

メリットとしては、投資する地域や対象が広がることでさらにリスクが分散されることとが挙げられます。例えば株式が得意なファンドマネージャーが運用する投資信託と債券が得意なファンドマネージャーが運用する投資信託の組み合わせることによって、それぞれの得意分野の掛け合わせで、さらにメリットの多い投資信託にできる点です。

ただし、もともと信託報酬がかかる投資信託をさらに組み合わせるわけですから、ファンドオブファンズの信託報酬は一般的な投資信託より高くなるというデメリットもあります。

「セゾン資産形成の達人ファンド」は短期的な市場の動向に左右されず、中長期的なリターンの獲得を目標とし、(1)企業分析を入念に行っているか、(2)長期的な視点で運用されているか、(3)手数料が適正であるかなどを考慮し、それぞれの地域に強みを持つファンドに投資を行っている投資信託です。

「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は低コストのインデックス運用で定評のあるアメリカのバンガード社のファンドを採用しています。その結果、ファンドオブファンズでありながら信託報酬は0.59%とコストが抑えられており、実質的に世界30ヵ国以上の株式と10ヵ国以上の債券に投資を行うことができます。

楽天証券のiDeCoの元本確保商品

商品名 商品分類 商品期間
みずほDC定期預金 定期預金 1年

楽天証券の元本確保商品はみずほ銀行が提供する「みずほDC定期預金」となっています。定期預金という性質上、預金保険制度の対象となっている商品で、元本確保商品の中でも安全性の高い商品です。

元本(預けたお金)が保証される元本確保商品は投資信託に比べ大きく利益が出ることはないですが、安定してお金を貯められるため、人によってはiDeCoの掛金のほとんどを元本確保商品に回す人もいます。しかし、iDeCoでの元本確保商品の取り扱いには注意が必要です。

普通の銀行口座と違い、iDeCo口座では前述の通り、毎月手数料がかかります。楽天証券では運用期間中に金融機関に払う手数料自体は無料ですが、それでも「国民年金基金連合会」と「事務委託先金融機関」に毎月合計171円手数料を払う必要があります。つまり、もしiDeCo口座を開いて掛金を全部元本確保商品に割り当ててしまうと、手数料分の資産が目減りしてしまう可能性があるのです。

それであれば、どうしても減らしたくないお金はiDeCoではなく普通に銀行に預金し、iDeCoでは利益を求めて投資信託メインで運用するといった運用方法も考えられるでしょう。老後のための資金なのでできるだけ安全に運用したいという気持ちもわかりますが、iDeCoを利用するならある程度利益が出るような運用を目指すことも大切です。

楽天証券は低コストでiDeCoを利用できるおすすめの金融機関の1つ

今回はiDeCoの口座開設先として楽天証券をご紹介しましたが、楽天証券は運用期間中にかかる手数料が最安値の金融機関の1つで、また取り扱っている投資信託も信託報酬が安い商品が揃っています。特に、幅広い分散投資ができてコストも低い「楽天・バンガード・ファンドシリーズ」をiDeCoで取り扱っているのは2020年3月時点では楽天証券だけですし、すでに楽天証券で投資を行っている人にとっては、管理画面の使いやすさもメリットとなるでしょう。今回ご紹介した商品なども参考に、ぜひiDeCoを利用する際の選択肢の1つとして検討してみてください。
 

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