日本経済は未だ回復の兆しが見えず、それどころか「景気後退期」ともいわれています。そこで、投資家が目を向けているのが米国株です。今回は、米国市場における狙い目の米国株を紹介します。
日本国内の株における配当回数は年1~2回の企業がほとんどですが、米国株では多くの企業が年4回の配当を行っています。配当金がもらえるチャンスが2倍となっているのです。
米国では株主に対してどれだけ利益を還元できるかが強く意識されており、このため日本株よりも配当利回りが高い傾向にあります。
また米国株には長い期間配当金が増え続けている「長期連続増配銘柄」が多数存在し、中には50年以上にわたって右肩上がりを繰り返しているものもあります。
日本株では単元株制度による「単元株数」が設定されており、原則としては100株からの取引で、これではある程度まとまった資産がなければ投資を始めることができません。
しかし米国株はすべての上場銘柄・ETFが1株単位から売買が可能で、日本の「ミニ株」などと同じように少額からの投資が可能となっています。米国トップクラス企業でも数万円あれば株主になることができます。
海外株の中でも、日本でも名の知れた企業の銘柄は多数存在します。世界株時価総額ランキングのTop10にはiPhoneなどで知られるアップル、世界的シェアを持つOS「Windows」のマイクロソフト、Googleを傘下に持つアルファベット、アマゾンドットコムなど日本でも存在感が強い企業が名を連ねており、これら超有名企業に投資を行えるのが魅力です。
また米国の新興銘柄は後々、世界的大企業に進化するケースが散見されます。有名な例でいえば、アップル株は2003年春から2012年秋にかけて株価が約110倍に、また特にWebサービスではフェイスブックを筆頭に爆発的成長を見せることが多く、大半がアメリカ市場から世界へ拡大して行きます。
米国株を取り扱っている主な証券会社は以下の通りです。
ネット証券 会社名 |
米国株銘柄数 | 特定口座 | 時間外取引 |
---|---|---|---|
![]() 取扱銘柄数 トップクラス |
3,600銘柄以上 | ○ | あり |
![]() 取扱ツールに 強み |
約3,500銘柄 | ○ | なし |
![]() 米国株取扱 |
約3,200銘柄 | ○ | なし |
マネックス証券は米国株の取扱銘柄数が業界トップクラスで、本格的に米国株取引を始めたい方には魅力的な証券会社です。また外国株取引をする際の為替手数料が0円になっています。
SBI証券は現時点での口座開設数がネット証券No.1となっており、多くのユーザーが利用する証券会社です。また、NISAで米国株を取り扱いできるのはSBI証券のみとなっているのが大きな特徴です。
米国は投資先進国ということもあり、株主還元への意識が非常に高い傾向にあります。高配当、連続増配の銘柄を掴むことができればチャート上にはない楽しみを得ることが可能です。米国株の配当利回りランキングは、多数のホームページで掲載されています。ここでは「投資の森」がまとめているランキングを参考に見ていきます。
順位 | 企業 | 配当利回り | 株価 |
---|---|---|---|
1位 | ジェイ・ジル | 200.66% | 3.91 |
2位 | パイオニア・パワー・ソリューションズ | 130.48% | 5.27 |
3位 | ガネット | 127.33% | 2.83 |
4位 | ベリシティ | 83.33% | 10.54 |
5位 | メリマック・ファーマシューティカルズ | 57.71% | 3.77 |
富裕層向けに高品質な婦人服を販売する衣料メーカーです。カタログ販売からスタートして通販、実店舗販売と広がったため、オンラインとカタログ販売経由が売り上げの約半数を占めています。
工業、商業市場向けに送電・発電装置を開発する電気機器メーカーです。北米の国営、地方公益事業者、工業会社を中心にシェアを獲得しています。
大手マルチメディア企業です。米国・英国で100種の日刊出版物、その他米国で400種、英国で125種を超えるコンテンツを印刷・デジタルの両方で提供しています。
ネット証券 会社名 |
米国株銘柄数 | 特定口座 | 時間外取引 |
---|---|---|---|
![]() 取扱銘柄数 トップクラス |
3,600銘柄以上 | ○ | あり |
![]() 取扱ツールに 強み |
約3,500銘柄 | ○ | なし |
![]() 米国株取扱 |
約3,200銘柄 | ○ | なし |
生命保険会社フィデリティライフ、コールセンターベースのeFinancialを運営、生命保険商品の開発・販売を主な事業としています。
がん治療に主軸を置くバイオ医薬品企業で、コンパニオン診断により治療薬を開発、商品化しています。
ネット証券 会社名 |
米国株銘柄数 | 特定口座 | 時間外取引 |
---|---|---|---|
![]() 取扱銘柄数 トップクラス |
3,600銘柄以上 | ○ | あり |
![]() 取扱ツールに 強み |
約3,500銘柄 | ○ | なし |
![]() 米国株取扱 |
約3,200銘柄 | ○ | なし |
林産物関連製品メーカーで、新聞用紙、特殊紙、パルプを含む木材加工製品を製造・販売しています。チラシから建築用木材まで幅広いラインアップを持ち、世界90ヶ国でシェアを得ています。
液化燃料、ガスを中心に取り扱う資源企業です。南アフリカでの石炭採掘、輸入原油の精製、天然ガス生産、その他化学品の製造・販売を行います。
婦人用衣料メーカーでアクセサリー類を含む自社ブランドを展開しており、小売店・カタログ・ウェブサイト経由で商品を販売しています。
「FIAT」を中心に日本でも昔から知られる自動車メーカーで、世界40ヶ国で直接販売、代理店を通じて150ヶ国で車両販売を行います。
バミューダ諸島にある船舶会社です。石油タンカー、貨物船、鉱石運搬船などを運営しアジア・欧州を中心に事業を展開、船舶のチャーター・販売にも対応しています。
(数値は2020年11月23日時点のものです。)ネット証券 会社名 |
米国株銘柄数 | 特定口座 | 時間外取引 |
---|---|---|---|
![]() 取扱銘柄数 トップクラス |
3,600銘柄以上 | ○ | あり |
![]() 取扱ツールに 強み |
約3,500銘柄 | ○ | なし |
![]() 米国株取扱 |
約3,200銘柄 | ○ | なし |
売買手数料は約定代金の0.45%
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20年以上増配を続けている米国企業10社を、増配年数順に一覧化しました。
会社名 | 増配年数 | 株価 | 配当 | 配当利回り |
スリーエム | 59年 | $147 | $5.88 | 4.07% |
コカ・コーラ | 57年 | $53.08 | $1.80 | 3.62% |
エイ・ビー・ビー | 45年 | $81.59 | $3.84 | 4.56% |
VF | 44年 | $54.57 | $1.92 | 3.53% |
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド | 42年 | $35.74 | $1.44 | 4.07% |
エクソン・モービル | 34年 | $36.29 | $1.12 | 3.20% |
アフラック | 34年 | $36.29 | $1.12 | 3.20% |
ティー・ロウ・プライス | 32年 | $100.34 | $3.60 | 3.63% |
シェブロン | 29年 | $87.01 | $5.16 | 5.94% |
キャタピラー | 25年 | $121.97 | $4.12 | 3.31% |
連続増配銘柄の中には、日本でも馴染みのある企業が多くあります。
コカ・コーラをはじめとする飲料水でおなじみの企業です。NYダウ工業株を構成する30銘柄の1つであり、「投資の神様」と呼ばれる、ウォーレン・バフェットが30年以上に渡って保有する株としても知られています。
アフラックは米国ジョージア州コロンバスで1955年に創業されました。世界で初めてがん保険を開発した生命保険会社として知られ、がん保険などのTVCMで目にするアフラック生命保険株式会社は、同社のグループ会社にあたります。
建設機械や大型エンジンの製造を行う米国大手メーカーです。「CAT」のロゴで馴染みのある人も多いのではないでしょうか。
創業初期から世界シェアNo.1の座を守り続ける、建設機械業界のトップランナーです。
ネット証券 会社名 |
米国株銘柄数 | 特定口座 | 時間外取引 |
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![]() 取扱銘柄数 トップクラス |
3,600銘柄以上 | ○ | あり |
![]() 取扱ツールに 強み |
約3,500銘柄 | ○ | なし |
![]() 米国株取扱 |
約3,200銘柄 | ○ | なし |
配当貴族とは、S&Pグローバル社(SPGI)が算出している株価指数「S&P 500配当貴族指数」に組み込まれている銘柄です。以下の条件をクリアした企業である必要があります。
ただ連続増配しているというだけでなく、人気・流動性のある優良企業が選出されます。配当貴族は最低40銘柄で構成されることになっているため、もしこれらの条件に該当する企業が40社未満となった場合、増配継続年数を25年以上から20年以上に引き下げて再度選出が行われます。
また25年(20年)連続増配とは、配当権利落ち日を基準に、1~12月という区切りの「暦年(CY【Calender Year】)」で見て年間配当額が増えているか、という基準で判断されています。もしある企業の会計年度の区切りが暦年と異なり、会計年度の中では増配しているものの、暦年で見て増配していない場合には、この「配当貴族」基準から弾かれることになります。
配当貴族指数以外にも、基準により様々な分類があります。例えば「配当チャンピオン」では、基準日が配当権利落ち日ではなく配当の支払日となっています。同じ増配傾向にある優良企業の中でも、基準を変えることにより発表される銘柄も変わってくるのです。
米国株主が企業選びの際に最重視する数値として、ROE(株主資本利益率)が挙げられます。株主から提供された資金に対してどれだけの収益を挙げられたのかを表しており、このROE値を上げるため各企業は新規事業開拓や自社株買い、経費(雇用)削減、そして増配などに力を入れ、結果として株価が上がりやすい傾向になります。
このROEを重視するあまり、雇用問題や環境問題などの社会的責任が問題視されているのも事実です。しかしダウ平均株価のグラフなどから見てもわかる通り、リーマンショックやITバブル崩壊を経てもなお、米国株は成長著しく、世界をリードする投資先進国としての威厳が垣間見えます。
上記の表では連続増配していることや配当率に重きを置いていますが、では実際に投資先を選ぶ時にすべてここから選んで投資をすればよいかというと、必ずしもそうではありません。
連続増配が続いている企業は、配当を増やすことに積極的な優良企業であることに違いはありませんが、配当が増えたからといって利益も連続で伸びているわけではありません。利益が伸びず減益した年でも、配当を増やすことにより配当貴族に名を連ねることができています。
優良企業の中には、実績配当をとり実際の利益に合わせて配当率を増減させている企業もあります。この結果、連続増配とはなりませんが、長期的に見ればしっかりと成長を見せているということも多々あるのです。このような企業が連続増配リストに掲載されていないからといって、優良企業でない、株主還元に消極的な企業だと判断して投資しないのは、非常にもったいないことです。
配当率に関しても同じようなことがいえます。目先の配当率がよい企業にばかり目がいってしまいそうですが、本当に重要なのは決算です。実際の利益が出ているからこそ増配を行えるので、現在の配当率だけでなく、会社の決算の内容を考慮し「増配傾向」にあるかどうかをしっかりとチェックしておきましょう。
いま現在の配当率が目立たない企業でも、収益が伸びれば自ずと増配傾向になるでしょう。元本の回収に必死になりすぎてしまうと、未来の優良企業を見落としてしまうことにもなりかねませんので、リアルタイムのデータ確認だけでなく、焦らず長期的な予測をしながら投資先を決めていくのがよいでしょう。
米国株では4期に渡り配当がある企業が多く存在しますが、1月・4月・7月・10月配当の銘柄、2月・5月・8月・11月配当の銘柄、3月・6月・9月・12月配当の銘柄を組み合わせて取引を行うことにより、毎月配当を得られる状況を作ることもできます。
日本株では権利を取得してから3ヵ月ほど経て入金処理が行われますが、米国株は配当権利落ち日から約1ヵ月という早さで入金されます。円貨に替えるには為替レートを考慮する必要があるものの、上記のようにポートフォリオを組むことで毎月配当金が振り込まれるようになります。
日本では多くの企業が株主に対して特典を付与する「株主優待制度」を採用していますが、米国株はあくまで配当金を重視するためこのようなサービスを展開する企業は少なく、あったとしても米国在住者に限られています。
時差の関係上、米国株をリアルタイムで取引できるのは日本時間では夜間となります。
昼間働きに出ている人なら、仕事終わりに取引ができるためメリットともいえます。また国内証券会社経由で米国株に投資する場合、24時間取引が可能な証券会社もありますので利用を検討してみましょう。
国内銘柄の取引にくらべ、海外株式はどうしても取引手数料が割高になる傾向があります。現地の手数料と国内の売買委託手数料が二重でかかるので仕方ないかもしれませんが、これらのコストを考慮して、最近では米国株の中で指定銘柄の売買手数料を引き下げる動きが各証券会社で出ており、ハードルは比較的下がってきているといえます。
また売買にかかる手数料の他にも、円からの取引であればドル交換の際に為替手数料がかかること、そして税金面での注意も必要です。
手数料と同じく、海外株取引では現地の税金と国内税の二重払いとなります。米国では配当金に10%課税(売却金に対する課税はなし)、日本では配当と売却益に20.315%の課税がありますが、確定申告を行うことにより米国税は還付されます。
またNISAを用いて投資すれば日本税20.315%を非課税にすることも可能なので、海外株コスト対策として検討しておきましょう。
状況によってメリットにもデメリットにも転じますが、海外株を扱う際最も注意すべき点が為替リスクです。実際の取引は現地の通貨で行われるため、常にドルの値動きに留意する必要があります。米ドルに対し円安であれば為替差益、逆に円高となれば為替差損となります。
このリスクへの対策として、円決済でなく米ドルによる外貨決済での運用が挙げられます。株式の売却までは米ドルで行い、円安の際にまとめて円交換を行うことにより為替差益を得ることができます。
米国株は投資先進国だけあって、市場規模が日本株よりも数段上です。加えて流通量が多いうえに取引の自由度も高く、配当に対して前向きな企業も多数です。またマイクロソフトのように、不況下でも立ち直りが早く、力強い値上げを見せる優良企業も多く存在します。
もちろん為替リスクや時差、情報量の少なさがネックになることもあります。本記事で取りあげたドル建決済などのテクニックを用いたり、チャート分析だけでなく、できる限り企業の情報収集に努めていきましょう。配当金のことばかりにフォーカスしすぎず、その会社の長期的な実績も合わせて調べておくことが重要です。
また、いきなり米国株に限定する必要はありません。まずは国内株から始めて、リスク許容量や期待に応じてその都度ポートフォリオを組み直しましょう。場合によっては、ETFなどの少額分散投資を組み込むと、比較的低リスクといえます。米国株についてベンチャーから人気株、手数料や決済システムまでを少しずつ調べ、投資先の選択肢を広げることで更に充実した投資活動が行えることでしょう。
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