投資・資産運用
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2020.5.3

【連載#2】小口の不動産投資として大人気J-REITの魅力に迫る

サラリーマンや国内外の大手金融機関、さらに日銀までが買っているというJ-REIT。その分配金利回りは高いもので5%以上もあります。さらに上昇率も昨年好調だった日経平均株価を上回る21%!昨年J-REITに投資した投資家は、高い分配金と上昇率によるキャピタルゲインのダブルメリットを享受しました。
 

2019年の年間上昇率は日経平均を上回る21%!

昨年は東京証券取引所で取引されるJ-REITが活況でした。J-REIT市場全体の値動きを示す東証REIT指数は年末の水準としては2001年の市場開設以来の過去最高を記録。1年間の上昇率は21%と、日本株の代表的な指標である日経平均株価の18%を上回りました。J-REITに資金が集まったのは、高い分配金利回り、米国の金利低下、東京都心部を中心とする不動産市況の好調などいくつものプラス要因が重なったためです。

J-REITが値上がりした最大の原動力は高い分配金利回りでしょう。東証には64銘柄のJ-REITが上場しています。今期中に支払われる予定の分配金をJ-REIT価格で割った分配金利回りは2.67~5.62%、平均で年3.6%です(2020年1月10日現在)。

2013年以降の分配金利回りはおおむね3~4%ですが、東日本大震災のあった2011年は一時6%を超えました。当時の安い価格で買えば、今では10%近い分配金利回りになっています。こうした高利回り銘柄ほど手放さない投資家が多く、限られた売り物を奪い合う形でJ-REITが値上がりしていきました。

大手銀行の大口定期預金(1000万円以上)は10年満期で0.01%、個人向け10年物国債の年利率は0.05%(最低金利保証)でいずれもゼロに近く、「利息」で資産を増やすのは実質的に不可能です。元本保証のない株式は配当利回りが預貯金より高水準ですが、それでも東証1部に上場する2158社の平均で1.86%(2020年1月10日現在)にとどまります。日銀がマイナス金利政策で金利を低く抑えている現在、J-REITの平均3.6%は突出した高利回りなのです。

このため、個人投資家にはJ-REITは魅力的な商品に映りました。「老後2000万円問題」が象徴する老後の資金不安から、分配金や値上がり益が非課税のNISA(少額投資非課税制度)口座を通じた購入も多かったようです。

銀行や信用金庫といった金融機関もJ-REIT市場の大口プレーヤーです。どの銀行も本業の融資業務を伸ばしたいのですが、審査をクリアできる優良な借り手は簡単に見つかりません。日銀のマイナス金利政策のあおりで貸し出し利率も上がらず、国債を買っても利息収入は期待できません。株式は値動きが大きいため、金融機関は保有額を増やせないものです。そこで銀行は分配金利回りが高く、株式よりも安定した値動きが期待できるJ-REITに活路を求めたのです。J-REITは日銀が金融緩和政策の一貫として実施する資産購入の対象でもあります。金融機関にとって、日銀が買っているJ-REITは「残高を増やしていい資産」と言えるでしょう。

しかも昨年は米国の連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を3回に分けて引き下げました。2018年11月に3.2%台だった10年物国債の利回りは2019年8月に一時1.4%台まで低下。この結果、米国債で運用されていた海外のお金まで高利回りのJ-REITに流入したようです。
 

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東京都心部を中心とするビル賃料の上昇もJ-REITへの投資を促しました。オフィス仲介大手の三鬼商事が1月9日公表した昨年12月の東京都心5区の1坪(3.3平方メートル)当たり賃料は月2万2206円と72カ月連続で値上がりしました。平均空室率は1.55%と記録的な低水準です。

人手不足や働き方改革で交通の便が良い都心部にオフィスを確保したい企業は多く、賃料は改定のたびに上昇する一方です。J-REITは収入の9割以上を分配する決まりになっているので、賃料の上昇が続けば、分配金の積み増し期待が高まり、J-REITの人気がさらに高まる構図です。


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