投資・資産運用
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2019.3.15

世界の驚き「相続」 あんなもの、そんな額?

(写真= Olena Yakobchuk/Shutterstock.com)
(写真= Olena Yakobchuk/Shutterstock.com)
縁起でもないからと、身の周りでは語られないことも多い「相続」ですが、死は避けられない人生のイベントでもあります。また、家族に遺す相続額を漠然とイメージしていても、各種の不備や法令・裁判により、相続税の支払いが想定以上に膨らむこともあります。

世界の著名人が亡くなり、相続が行われる際に、どのくらいの税金がかかったのでしょうか。いくつかのケースを見ていきましょう。

15億円の余分な相続税

著名俳優のフィリップ・シーモア・ホフマンは、米作家トルーマン・カポーティの生涯を描いた『カポーティ』(2005年公開)でアカデミー主演男優賞を受賞した演技派でした。惜しいことに、円熟の真っただ中であった2014年に46歳で亡くなります。

ホフマンには事実婚の妻と3人の未成年の子供がおり、死亡時の遺産総額は3,500万ドル(約38億4333万円)と推定されました。ところが、彼は子供を「甘やかさない」ために信託基金を設立することを生前拒んでいたのです。そして、財産すべてを衣装デザイナーで子供たちの母親であるミミ・オドネルに遺すことを決めていました。

ホフマンの遺産相続では、もしオドネルと法律上の婚姻関係にあれば、全額が無課税で子供たちの母親であるオドネルに渡っていたのですが、現実には2人は結婚していませんでした。そのため、米内国歳入庁(IRS)は遺産の40%に相当する1400万ドル(約15億3737万円、実際には1200万ドルとの説も)を徴収したと推定されています。

この場合、結婚しておれば子供たちの母親の相続分が増え、クーパー(ホフマンの死去当時10歳、以下同じ)、タルーラ(7歳)、ウィラ(5歳)の3人の子供たちの教育などに使える額も増えていたはずだと、専門家たちは悔やんでいます。

弘法も筆の誤り 法律家も遺産相続の手続きを誤る

ウォーレン・バーガーは、共和党のリチャード・ニクソン元大統領に指名されて、1969年から1986年まで米連邦最高裁判所の長官を務めた、有能な法律家でした。最高裁の保守化の役割を期待されながら、実際には「司法の独立」の信念に基づいてリベラル的な判決を出し続けたことなど、とても興味深い人物です。

米司法の頂点にまで上り詰めたのですから、まさに法律の機微まで知り尽くした専門家の中の専門家です。バーガーは1995年に87歳で亡くなりますが、180万ドル(約2億円)の資産を遺したとされます。

ところが、自己の遺産の相続手続きに関しては素人以下の間違いを犯してしまいます。彼の遺書は綴り間違いのある手書きのもので、しかも箇条書きに過ぎず、遺書の基本を満たさないものであったからです。ですが、元連邦最高裁判所の長官といえども、相続のルールには従わなければなりません。

そのため相続人たちは、遺書に問題がなければ支払わずに済んだ数十万ドル(数千万円)分を国庫に納めなければならなかったのでした。「弘法も筆の誤り」といいますが、バーガーのケースは、その典型と言えましょう。

確定しない「ポップの王様」の遺産額

あまりにも才能に恵まれた「ポップの王様」こと歌手のマイケル・ジャクソンは2009年に50歳で世を去ります。その早すぎる死は世界中のファンに悼まれたものでした。

そうした人気に比例するように、ジャクソンはプリンス・マイケル、パリス、ブランケットの3人の子供と母親のキャサリンに多額の遺産を残しますが、その額は確定せず、未だ裁判で争われています。

米内国歳入庁(IRS)は、ジャクソンの命名権及び肖像権を4億3400万ドル(約476億円)と主張する一方、遺族側は当初2105ドル(約23万円)としていたのですが、3億ドル(329億円)にまで修正しています。それでもIRSの主張額とは147億円もの差があります。

備えあれば患いなし

そこまでの資産額ではないにせよ、死はいつ訪れるかわかりません。相続に関して早くから思いを巡らし、対策をしておくことが肝要だと言えるでしょう。具体的には、法定相続人を決定する、手持ちの財産を整理する、自身の希望を遺言書に残す、相続税の対策を決める、納税資金の対策をする、などです。

備えあれば患いなし。愛する家族のために、準備だけはしておきたいものです。

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