モトリーフール米国本社、2019年12月2日投稿記事より
リセッション(景気後退)の足音が近づくにつれ、定期的な収入をもたらす配当株への注目が高まっています。
しかし、配当株にはいろいろありますが、単に配当利回りが高いだけでは要注意です。
配当性向が著しく高い場合、業績悪化により配当を見送る可能性があります。
堅実な業績を重ね、さらに大幅に増配している銘柄を紹介します。
バンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)
バンク・オブ・アメリカほど、増配スピードの速い銘柄はないでしょう。
以前のリーマンショック時、同行は四半期配当を0.64ドルから0.01ドルに大幅に減らし、業績が悪化したためFRB(米連邦準備制度理事会)の監視下に入ったため、増配にはFRBの承認が必要になりました。
しかしその後、リーマンショック時の問題を一掃し、FRBのストレステストでも問題が出なくなりました。
この結果、四半期配当を0.18ドルまで引き上げてきました。
配当利回りは執筆時点で2.2%です。
ただ、リーマンショック以前の水準に比べれば、まだ増配余地は大きいとみられます。
バンク・オブ・アメリカは、実店舗を減らし、モバイルバンキングに注力し、コスト削減と利益の極大化を進めています。
堅調な米国経済に加え、金利上昇局面に入れば、同行の利ざやもさらに改善していくでしょう。
同行は、今後も速い増配を続けていくとみられます。
ゾエティス(NYSE:ZTS)
成長株が急速な増配を行うことが可能で、それが動物の健康関連企業のゾエティスです。
現在の配当利回りは0.54%に過ぎず、配当株投資家の食指が動かないかもしれません。
しかし、2013年第2四半期の四半期配当が0.065ドルに過ぎなかったのが、現在は0.164ドルまで増配しています。
ゾエティスは、家畜やペットの医薬品や診断などに携わっており、こういった市場は今後大きく拡大すると見込まれています。
米国ペット製品協会によれば、米国人は2019年にペットに754億ドル費やすと予想され、そのうち190億ドルが動物医療、164億ドルが処方薬を占めます。
そして、こういった費用は今後大きく拡大すると予想されており、ゾエティスはその恩恵を大きく受けるでしょう。
さらに、ゾエティスには強力な競合企業が存在しないため、動物向け医薬品ポートフォリオの価格支配力は強く、さらにペット関連ビジネスには海外などで大きな成長余地があります。
今後数年間は1桁台後半の増収率が見込まれています。
同社は研究開発投資も進めており、更なる大幅な増配を期待できるでしょう。
ブロードコム(NASDAQ:AVGO)
配当株投資家はまた、急成長中のハイテク銘柄を見過ごすべきではありません。
そのような配当株が半導体大手のブロードコムです。
現在の四半期配当は2.65ドル、配当利回りは3.3%ですが、2011年第4四半期の配当はたった0.12ドルでした。
8年間で見た場合、増配率は何と2100%以上となります。
ブロードコムの主力事業であるスマートフォンやブロードバンド向けワイヤレス半導体は予想以上に成長してきました。
さらに今後、次世代5Gワイヤレスネットワークの開始によりスマートフォンのアップグレードが進み、企業データのクラウドへの移行が加速することで、ブロードコムのワイヤレスチップの需要はさらに増大するでしょう。
直近四半期の前年同期比増収率は約9%にのぼり、20億ドルの株主還元(うち11億ドルが配当、9億7700万ドルが自社株買い)を行っています。
クアルコムの買収は米連邦政府によって2018年3月に拒否されたため、ブロードコムは潤沢な資金を有しています。
このため、今後についても大きな株主還元が期待できそうです。
ただ、中国企業の顧客も多いため、米中貿易戦争の影響を受けやすい点には留意が必要でしょう。
文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan
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