国は資産形成の一助として、2018年からつみたてNISAという少額非課税制度をスタートさせました。
特に投資初心者の方に推奨されていますね。
つみたてNISAの主な特徴は、以下の通りです。
- 年間投資枠:40万円
- 非課税期間:20年
- 投資方法:積立てのみ
特徴的なのは3.の、投資方法が『積立てのみ』というとこです。
株式投資はプラスサムゲームと言われるので、リターンの観点では投資元本を少しでも市場に長く投入する一括投資の方が複利効果を得やすくなります。
それにも関わらず、つみたてNISAは『積立て投資』しかできません。なぜなのか?
その答えの一つとして、短~中期でのリスク(資産のブレ幅)を低減する効果があるからです。
では実際に、投資方法違いによる投資元本と評価額の推移を比較・検証してみましょう。
検証に用いる投資信託は、世界中の株式へ分散投資を可能とする、楽天・全世界株式インデックスファンドです。
<検証期間>
2018年1月から本記事執筆時点(2019年9月末)までの21ヶ月間
<投資方法>
積立ての場合:毎月1万円×21回
一括の場合:2018年1月に、21か月分の21万円
<基準価額の反映>
月末とする
投資方法違いでの、評価額の推移が下のグラフになります。
(画像=ZUU online 編集部)
投資方法の違いによって元本が異なることから、2018年1月時点での評価額に大きな差がありますが、そこから21ヵ月後の評価額にほぼ差はありません。
リターンの観点では一括投資の方が有利となるのですが、それが絶対条件となるのは完全な上昇相場の時だけです。
株式投資のリターンは、短~中期では結果が上下にブレる為、21ヶ月ぐらいの期間ではリターンに差がでにくいのです。
しかし、投資元本に対する損益の推移を比較すると、投資手法の違いは歴然となります。
(画像=ZUU online 編集部)
投資元本に対する損益額の推移は、積立て投資が緩やかな変化なのに対して、一括投資は変化が激しいことが分かります。
では実際に、投資手法違いに於ける21ヶ月間での最大損失額はいくらになったのか?
- 積立て投資: -3,914円
- 一括投資:-28,727円
投資手法違いでの元本に対する最大損失は、7倍以上の差となりました。
今回の検証結果から『積立て投資が優れている』と言いたい訳ではありません。
投資によるリターンを得るには長い時間を要しますが、その投資を挫折させるのが『損失』です。
その損失を投資手法によってある程度低減できるのが、積立て投資のメリットとなります。
つみたてNISAという制度は『これから投資を通じた資産形成』にチャレンジしたい人に対して、寄り添って作られた制度だということがよく分かります。
文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan
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