投資・資産運用
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2019.12.11

米国一流大学の基金の運用を個人の運用に活かす

(画像=Getty Images)
(画像=Getty Images)
ハーバード大学、イエール大学、プリンストン大学など、米国の超一流大学の基金の運用に関して、あまり知られていないが故に過大に評価されたり、過少に評価されたりすることが多いです。

投資のプロとして、伝統資産よりもエキゾチックなオルタナティブ投資を優先させている感があり、なんか凄い投資家、という印象が強くなっています。

どのような運用をしていて、個人の投資にそのやり方が参考になるのかを考えていきたいと思います。

そもそも、大学の基金の運用の目的は何でしょうか?そこから理解しておく必要があります。

それは奨学金制度の安定的な運営のための資金、様々な研究にかかる費用の補助というところにあります。

簡単に言えば、大学の安定的な運営にかかる費用の補助を安定的に行っていくことです。

「資産額を減らさずに」「安定的にキャッシュフローを生み出す」ということが目的であり、また制約条件でもあります。

株式市場への投資では良い時は非常に良く、悪い時、大きく悪いということも起きます。

それでは、大学の運営が不安定になってしまいます。安定的なキャッシュフローを生む工夫がその投資の配分に現れています。

具体的にどのようになっているかを見てみましょう。

ハーバード大学:Harvard Management Companyという基金の運用を行う会社を持っています。

資産額は$39.2bil(約4兆25百億円、2018年6月末)。
 
(画像=The Motley Fool)
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イエール大学:Yale Investments Officeで運用を行っています。

オルタナティブ投資の先駆者です。

資産額は$29.4bil(約3兆18百億円、2018年6月末)。CIOのDavid F. Swensen氏が有名です。
 
(画像=The Motley Fool)
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プリンストン大学:Princeton University Investment Company略してPRINCOが運用にあたっています。

資産額は$25.9bil(約2兆81百億円、2018年6月末)。
 
(画像=The Motley Fool)
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ハーバード大学の場合は、2018年の基金から大学への資金分配は$1.85bil(約2000億円。資産の約5%)であったようです。

イエールは$1.2bil(約13百億円)。

プリンストン大学が$1.3bil(約14百億円)。

資産額の5%前後を大学の運営資金に充てているようです。

その資金を安定的に供給するため、プリンストン大学などでは、年率10%のリターンを安定的に確保することが目標とされています。

他もほぼ同じ水準の目標と推察されます。

運用資産から上がったリターンのうち一部を分配した上で運用をしているので、複利運用が完全にできているわけではありません。

逆に、資産の5%程度を安定的に運用に回すという厳しい制約があるために、その運用は、所謂オルタナティブが多めにならざるを得ない状況です。

上記の3つの大学基金の運用に特徴的なものは、やはりオルタナティブ投資の多さです。

大学によって多少違いはあるものの、プライベート・エクイティ(未公開株)、ヘッジ・ファンド、不動産、インフラ、現物資産などです。

株や債券は、投資信託を通じて、いろいろなものがありますので、問題ありません。

問題は、プライベート・エクイティ、ヘッジ・ファンド、不動産、インフラ(デット、エクイティ)、現物資産などにどう投資するか、です。

そうしたファンドの多くは、最低投資金額が非常に高いく、個人向けでも5000万円とか、数億円単位のものも多いです。

個別のプライベート・エクイティには投資出来ないとしても、それに近いリターンを得る方法はあります。

上場されているプライベート・エクイティ・ファンド(あるいはその運用会社)の株を買うことです。

有名なKKRも上場されています(TickerはKKRです)し、Blackstone Group(BX)は米国で上場されていますし、スイスのプライベート・エクイティの会社であるPartners Group(PGHN)などもスイスで上場されています。

それぞれの会社の特徴など細かい情報が入手して分析してこれらに投資するのも一つです。

通常はなかなか難しいと思います。

そこで、これらの企業を集めたETFを買う、ということも可能です。

iシェアーズ上場プライベート・エクイティ(IPRV)というETFは、上場プライベート・エクイティ・インデックスに連動することを目的としたETFで、ロンドンに上場されています。

外国株の一つとして投資することが可能です。

詳細は取引いただいている証券会社に相談いただければと思います。

ヘッジ・ファンドは、通常もプライベート・エクイティと同様ですが、現時点では、数は少ないものの、日本の公募投信でも購入できるものもあります。

不動産は、REITで対応できるかと思います。

資源への投資(森林や、代替エネルギーなど)は、上場の資源関連ファンドなどへの投資ということになるでしょうか。

完全に真似できるわけではありませんが、近いものを組成することは何とかできそうです。

自分の投資のステージに合わせて、投資から得られたリターンの一部を使いつつ、投資のリターンを確実に上げていく、資産形成期の次の段階の投資方法として参考にされたら良いかと思います。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan
 

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