投資・資産運用
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2019.10.29

ETFの売買を活性化させる「マーケットメイク方式」とは?

(写真=Joshua Davenport/Shutterstock.com)
(写真=Joshua Davenport/Shutterstock.com)
ETF(上場投資信託)には、売買を活性化させることで投資家が望むタイミングかつ、適正な価格で取引できるようにすることを目的として「マーケットメイク方式」が導入されています。ここでは売買を成立させる仕組みを踏まえたうえで、マーケットメイク方式がもたらす効果などを紹介していきます。

売買を成立させる仕組みは2つ

証券取引所に上場する株式やETFなどの売買が成立する仕組みは、以下の2つです。

価格優先で取引が成立する「オークション方式」

「オークション方式」とは、価格優先の原則にもとづいて売買が成立する仕組みのことです。買い注文においてはより高い価格を提示するほうが優先され、逆に売り注文ではより低い価格を提示するほうが優先されます。つまりより条件の良い価格を提示する注文が、最優先される仕組みといえるでしょう。

専門の会社が売買を仲介する「マーケットメイク方式」

一方で「マーケットメイク方式」は、マーケットメイカーと呼ばれる会社が一般の投資家の代わりに一定量の売買注文を行うことで、売買を活性化させる仕組みのことです。マーケットメイカーは一定量の売買注文を出し続けることを条件に、売買手数料が割引になるなどのインセンティブを受けることができます。

マーケットメイカーによって売買の数量が一定の基準に保たれることで、一般の投資家は望むタイミングかつ、適正な価格で売買できるといわれています。

オークション方式とマーケットメイク方式のハイブリッドがETF

東京証券取引所に上場するETFは、オークション方式によって売買が成立する土台のうえに、2018年7月からマーケットメイク方式が導入されました。

株式にはないマーケットメイク方式が導入されたことで、一般の投資家による売買の数量が少ないETFでも、円滑に取引できる可能性があります。ただし対象銘柄は限られており、東京証券取引所に上場する全235銘柄のうち121銘柄が対象となっています(2019年9月1日現在)。

対象となるETFの売買においては、一般の投資家からの注文とは別に、流動性を担保するためにマーケットメイカーが常に注文を出し続けます。マーケットメイカーには「野村證券」や「三菱UFJモルガン・スタンレー」などの証券会社のほか、「Flow Traders」や「Optiver」などのマーケットメイクを専業に行う会社が名を連ねており、ETFの中身を運用している運用会社とは異なります。

流動性の向上で実際の売買代金も増加

マーケットメイク方式の導入によって流動性が向上したことで、一般投資家からの売買の数量も増加したといいます。事実、日本取引所グループによるとマーケットメイク方式の導入後、「業種別指数(TOPIX-17シリーズ)」ETFの2019年1月の売買代金は、制度開始前の2018年4~6月平均との比較で約4.4倍になったそうです。
 

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マーケットメイク方式の対象銘柄から選ぶ

2019年4月から各資産クラスを代表するETF13銘柄を対象に、マーケットメイカーによって1~10億円相当の追加注文が常時行われることで、さらなる流動性の向上が期待できるようになりました。対象銘柄に限った話ではありますが、一般の投資家は、より適正な価格・タイミングで取引できるようになるといわれています。

対象銘柄については、日本取引所グループの公式サイト内にあるマーケットメイク制度の概要から確認できます。日経225やTOPIXなど日本の代表的な株価指数への連動を目指す銘柄のほか、S&P500やMSCI KOKUSAIなど先進国をはじめとした、世界の代表的な株価指数への連動を目指す銘柄なども対象となっています。

ETFの銘柄選びで迷ったときは、マーケットメイク方式の対象となる銘柄から選ぶことも検討してみてはいかがでしょうか。
 

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