投資・資産運用
-
2019.10.3

分配金利回りの高さだけじゃない!高配当ETFで失敗しない選び方

(写真=Savanevich Viktar/Shutterstock.com)
(写真=Savanevich Viktar/Shutterstock.com)
ETF(上場投資信託)は株式の配当金や投資信託の分配金と同じように、決算日(権利確定日)に保有していれば分配金を受け取れます。この分配金の利回りは銘柄選びの大きな判断材料のひとつとなりますが、最低限いくつか注意しておきたい点もあります。

そもそも高配当ETFとは

分配金(配当)の利回りが高いETFを指します。「日経平均高配当株50指数」「野村日本株高配当70」など高配当の株式で構成された「高配当株ETF」もありますが、ここでは分配金利回りの高いETF全般について取り上げます。

高配当ETF選びの4つのポイント

(1)分配金の支払い頻度が高いほどいいとは言えない

一般的に分配金利回りの高い高配当ETFは、中長期の安定運用と相性の良い選択肢といわれます。日本株に投資するETFは年1回か2回の支払い頻度が多く、国内企業は3月末決算のケースが多いことから、7月に権利確定日を迎える銘柄が主流です。なお海外の債券や株式に投資するETFは四半期に1回や毎月支払われるものもあり、農作物や貴金属といった現物に投資するETFなど分配金が支払われない銘柄もあります。

ここで注意したいのは、分配金の支払い頻度は高ければ高いほうがよいとは言い切れないことです。ロボットアドバイザーなどのサービスを除き、ETFは自動的に分配金を再投資するサービスがありません。中長期で運用の複利効果に期待するのであれば、分配金の支払い頻度は低いほうが運用効率は高く、手動での再投資もしやすいという特徴があります。

なお投資家への還元頻度の高い商品として、毎月分配型の投資信託があります。一時は、収益ではなく原資である運用元本から分配金を支払う、いわゆる「タコ足配当」が批判されました。ただ、ETFの分配金は原則、収益から信託報酬などを控除した金額が支払われます。投資信託の特別分配金とは少し性質が異なるものとして捉えておきましょう。

(2)分配金は安定しているか

ETFの分配金は実施時期によって大きく金額が変動することがあります。分配金利回りは「過去1年間の分配金÷基準価額」で計算されますので、分配金の金額が下がれば利回りも低下します。

一方で、基準価額が一時的に下落することで利回りが上昇している可能性も考えられるために、分配金利回りが高いからといって安定した分配が実施されているかどうかはわかりません。分配金利回りの高さは、あくまでも参考程度に捉えておきましょう。

(3)騰落率で運用の状況を見ておく

いくら分配金が多くても、基準価額の値下がりが大きければ、含み損が膨らんでしまって、総合的な損益でみると損失のほうが大きくなることも考えられます。またETFはTOPIX(東証株価指数)など指数をベンチマークとして運用を行いますので、そもそもこの指数が下落傾向にあればETFの基準価額も当然下がっているはずです。

例えば分配金利回りが5%を上回る高配当ETFのなかには、5年前と比べて約20~40%以上も値下がりしている銘柄もあります(2019年8月9日時点)。

基準価額や運用の対象となる指数はどのような値動きをしているのか、最低でも3年の推移はチェックしておきたいところです。

(4)信託報酬の安さがやはり大切

これは高配当ETFに限ったことではありませんが、中長期投資においては保有期間中のコストは非常に重要です。分配金利回りの高さだけでなく、信託報酬は低水準であるかどうかもチェックしておきましょう。

海外株価指数などを対象とする商品を除き、信託報酬は0.50%未満をひとつの目安としましょう。
 

こちらもおすすめ
プロに運用を任せるファンドラップとは?メリット・デメリットを解説
老後資金2,000万円では圧倒的に足りない?本当に必要な額は?

分配金利回りはあくまでひとつの参考材料

ほかにも細かくチェックするなら、出来高やベンチマークとのかい離度なども安定運用において参考材料となります。ただ、初心者の方がこれから高配当ETFへ投資する判断基準としては、まず上記の4つをチェックしておきましょう。東証に上場しているETFは200銘柄以上ありますが、これらを確認するだけでもグッと選択肢を絞ることができるでしょう。

目先の利回りの高さだけでなく、中長期投資での着実な運用成果を目指すスタンスで銘柄を選びたいところです。


>>その他のおすすめ記事
ウォーレン・バフェットの5つの名言
IPOの当選確率を高める10の方法
今こそ投資初心者が米国株投資を始めるべき3つの理由
IPOして1年後の企業から探す「テンバガー銘柄」
1,000万円で資産運用!投資信託とETFどっち?徹底比較

NEXT 似ているけどどう違う?ETFと投資信託の違い PREV 8割の投資家が損をする理由 投資家心理と価格変動の不思議な法則

関連記事