投資・資産運用
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2019.9.26

老後資金「2,000万円不足」、30歳から毎月3万円積み立てするなら年利回り何%必要か?

(写真=Art_Photo/Shutterstock.com)
(写真=Art_Photo/Shutterstock.com)
老後に不足する2,000万円をどうつくったらいいのか?金融審議会の報告書が公表されてから、一般サラリーマンは頭を抱えています。例えば毎月の貯金額が3万円の場合、利子がないとすれば、1年で36万円、10年で360万円、30年で1,080万円にしかなりません。とすると、どれほどの利回りを期待して投資を行えばいいのでしょうか?

貯金で2,000万円をつくるためには月約4万8,000円必要

まず貯金だけで2,000万円をつくるケースを考えてみましょう。30歳から定年を迎える65歳までの35年間、毎月一定額を貯金していくとします。現在の銀行預金の年利(ゆうちょ銀行の定額預金の場合)は0.01%なので、これをないものとして計算してみます。

すると、30歳から35年間で月約4万8,000円貯蓄し続ければ65歳で2,000万円貯まります。平均的なサラリーマンからしたら、月5万円弱の貯蓄を35年間続けるのは難しいかもしれません。

預貯金で資産形成するのには限界があるため、投資によって2,000万円の老後資金をつくるしかありません。そこで、重要になるのが「複利」です。

長期投資なので複利運用することが肝要

金利には「単利」と「複利」があります。利子は一般的に「年利」のことで、年何%というように表します。単利の場合、例えば元本が100万円で年利が10%なら、1年後に110万円になります。2年後は120万円、3年後は130万円です。

これに対して複利は、1年目は同じですが、翌年は利子が元本に組み込まれ、それに対して利子がつくので2年後は121万円、3年後は133万1,000円になります。

このように、複利では元金に対してついた利子が次の年の元本に含まれるので、毎年の利子が雪だるま式に増えていきます。最初のうちはあまり効果が出ませんが、10年、20年と時間が経つにつれて、大きな効果となって表れます。長期投資を続けることで、より一層複利効果のメリットを享受できるようになります。

2.5%の利回りで毎月3万円積み立てれば35年間で2,000万円達成

低金利の預貯金で35年後に2,000万円つくるためには毎月約4万8,000円の積み立てが必要になりますが、年利2.5%の複利で運用できれば、毎月3万円の積み立てで目標額を達成できます。利回り2.5%の金融商品ならば、手が届く範囲にあるでしょう。

金融庁がすすめる「つみたてNISA」と「iDeCo」(イデコ)

金融審議会の報告書では、つみたてNISAやiDeCoが紹介されています。これらの制度を利用し、複利運用をして資産をつくることを金融庁はすすめているのです。

つみたてNISAの場合、投資金額の上限は年間40万円までで、非課税期間は最長20年です。年間40万円ということは、月約3万3,000円になります。つみたてNISAは、運用益が非課税で資産の途中引き出しが可能です。30代、40代のサラリーマンは、結婚や住宅購入、子育てなどさまざまなライフイベントによって、まとまった資金が必要になるケースが増えてくるでしょう。つみたてNISAであれば、預貯金よりも高い利回りが期待できる投資信託で運用し、税制の優遇を受けながら、状況によって資金の払い出しもできるので、柔軟な投資が可能になります。

一方の、iDeCoは、老後資金を自分で積み立ててつくる「私的年金」制度です。そのため、原則60歳まで資金の払い出しができません。つみたてNISAと同じく、積立投資で得られた運用益にかかる税金をゼロにできます。さらに掛金の全額所得控除、年金受給時の控除など、つみたてNISAよりも手厚い税制優遇措置が受けられます。

iDeCoで1年間に投資できる金額は、加入している年金の種類によって異なります。例えば、企業年金のない会社員の場合、年27万6,000円、1ヵ月あたりにすると2万3,000円です。iDeCoで積み立てできる商品は、預金、保険、投資信託です。

利回り2.5%を目指して、毎月3万円の積み立てを35年間続けて2,000万円の老後資金をつくるためには、税制優遇も受けられるつみたてNISAやiDeCoを活用することは一つの有効な手段といえそうです。さらに、資金に余裕がある人は両制度を併用することを考えてもいいでしょう。
 

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ウォーレン・バフェット氏も推奨する「S&P 500」という選択肢も

資産形成にはさまざまな方法があります。いずれにしても複利運用できる金融商品を選ぶことになりますが、積立預金は論外です。現在のほぼゼロ金利では複利の効果は出ません。となると、代表的な商品は投資信託になりますが、一定期間ごとに買い増していくので、複利効果は期待できます。ただし、毎月分配型投資信託は複利効果が薄くなります。また、日本の投資信託は、おしなべて運用実績がよくありません。

そこで、長期投資に向くのが、海外投資、それも米国経済の指数とされる「S&P 500」です。S&P 500は米国の取引所(ニューヨーク証券取引所、NSDAQなど)の米国企業で、流動性がある大型株から選ばれた500銘柄で構成されています。

過去10年の運用成績を見ると約7%です。過去30年では約10%となっています。ITバブルの崩壊、リーマンショックなどがあったにもかかわらず、この実績です。もし、今後もこの実績が続くと仮定すれば、月3万円の投資で、20年前後で2,000万円は達成できるかもしれません。

ちなみに、“投資の神様”と言われるウォーレン・バフェット氏は、妻に次のように言っています。
「自分が死んだ後は、資産の90%はS&P 500、残り10%は政府短期国債に投資せよ」

複利効果を活用した長期投資で2,000万円を貯める

いかなる投資手法にせよ、ノーリスクというものはありません。利回りについても、当初の期待通りに高いリターンが受け取れる保証はありません。複利効果のメリットを十分に得られる金融商品を選び、長期投資で着実に資産をつくることが大切です。その際には、S&P 500をはじめ国内外のさまざまな商品を吟味することで、より短期間で目標を達成できるかもしれません。
 

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