投資・資産運用
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2019.6.25

外貨預金のリスクを低くする方法とは

(写真=This Is Me/Shutterstock.com)
(写真=This Is Me/Shutterstock.com)
米ドルやユーロといった円以外の通貨に投資する手段の一つである「外貨預金」。資産をほかの通貨に分散させることで、世界の経済・政治情勢などで日本円の価値が下がってしまったときにリスクを軽減する効果が期待できます。ただ、外貨預金にも為替手数料などのコストや為替相場の変動リスクなどが伴います。ここでは、その外貨預金のリスクを低くするための運用方法について解説していきます。

「高金利」が外貨預金の魅力の一つ

外貨預金の魅力として、まず日本国内の普通預金あるいは定期預金と比べて金利が高いことが挙げられます。普通預金の金利は、大半の金融機関で0.001%とほぼゼロに近い数字です。また、定期預金(1年)の金利は0.01~0.03%が多く、金利が高い傾向のネット銀行でも0.2%前後となっています。(2019年5月時点)

金融機関が破たんしたとき、預金保険機構が保護してくれる1,000万円以下(ペイオフ)の範囲内であれば、元本割れのリスクはありませんが利息に関しては「もらえないよりはマシ」といったところです。日本の預金金利が低いのは、日銀による超低金利政策が背景にあり、短期間のうちに日本の政策金利が跳ね上がることは考えづらいのが現状です。

一方、外貨預金の金利は銀行によってかなりばらつきがあります。GMOあおぞらネット銀行の外貨普通預金(米ドル)の金利は、年利1.5%、住信SBIネット銀行が0.7%、三菱UFJ銀行は0.2%です。(2019年5月16日時点)総じてメガバンクよりは、ネット銀行の金利のほうが高い傾向です。金融機関によって「1万通貨単位」といった預金額などの条件はつきますが、国内の円預金と比べると金利の差は歴然でしょう。

また、外貨定期預金はさらに金利が上積みされ、通貨によって金利に大きく差があることも外貨預金の特徴です。中には、「南アフリカランド」のように年利6~7%程度の金利を得られる通貨もあります。(2019年5月16日時点)ただ、新興国通貨は米ドル、ユーロといった主要通貨よりもカントリーリスクや価格変動リスクがあるため、相場の変動幅が大きい傾向にあります。

年利が高い半面、世界経済や政治情勢によって損失(為替差損:かわせさそん)が発生するリスクも高くなっています。また、円から外貨、外貨から円へ通貨を交換する際に割高な手数料(為替手数料)がかかることも注意しておきたいポイントです。さらに、外貨預金は日本国内の預金とは異なり、元本が保護されている金融商品ではありません。つまり、ペイオフの対象外となるため、万が一の際は元本割れする可能性もあるのです。

「為替差益」と「為替差損」

外貨預金のメリットには、金利のほかに「為替差益(かわせさえき)」が期待できることがあります。例えば、米ドル対円の相場で1米ドル=100円のときに100万円分(1万米ドル)の外貨預金をしたとしましょう。その後、1米ドル=120円まで円安が進んだとします。そうなると、預けた1万ドルは日本円換算で120万円になるため、この時点で100万円の元金に対して20万円の利益が生まれるのです。(税金は考慮せず)これが「為替差益」です。

逆に、1米ドル=90円と円高が進んだ場合には、100万円の元金が日本円換算で90万円となり、10万円の損失(為替差損)が発生します。2014~2019年にかけて米ドル対円相場は、110円を挟んで上下10円程度の値動きに終始していて、今後の展開は判断が難しいところです。為替相場は、その国の経済の状況や政策金利、政治情勢などが複雑に絡み合って日々変動しています。

そのため、先行きを正確に見通すことはプロでも容易ではありません。そういう意味では、為替差益を過度に期待することはやめたほうが賢明でしょう。2013~2016年の半ばにかけて、米ドル対円の相場は1米ドル=80円台から120円台まで大幅に円安が進みました。日本や世界の経済状況、相場の状態などを見ていれば、こうした長期的なトレンドをある程度はつかむことができます。

毎日相場をチェックする必要はありませんが、外貨預金をするなら世界の経済や政治、為替などマーケットの大きな流れを把握しておきたいところです。

工夫次第でリスクやコストを軽減

為替差益を意図的に狙うのは難しいとしても、工夫次第で為替差損のリスクや為替手数料については軽減することができます。為替差損のリスクを減らすには、冒頭で取り上げた「分散投資」のうち「時間の分散」をすることが大切です。手元資金を一度にすべて預けるより、複数回、それも定期的に同じ額を預けるほうが為替差損のリスクを軽減できます。

この手法は「ドルコスト平均法」と呼ばれ、代表的な分散投資の一つとして知られています。ドルコスト平均法によって一度に全額を預けるより為替差益が減ってしまう可能性もありますが、同時に為替差損が拡大するリスクを軽減することもできるのです。また、外貨預金でも一つの通貨に集中するより、通貨をいくつかに分けることでさらにリスクを分散することができます。

とはいえ、初めての外貨預金で複数通貨に分散するのはなかなか難しいかもしれません。最初は、米ドルやユーロなど、比較的なじみがある通貨から始めるのが無難でしょう。また、為替手数料については「外貨預金の為替手数料が安い金融機関(主に銀行)を選ぶ」「各金融機関の手数料割引キャンペーンを活用する」などでコストを減らすことが可能です。

緊急性のない余剰資金で

外貨預金は、入出金するごとに為替手数料が発生するため、頻繁に入出金を繰り返してしまうと為替手数料がかさんで、せっかくの利息が吹き飛んでしまう可能性があります。また、外貨預金は国内預金とは異なりペイオフの対象外です。そのため、外貨預金で運用する場合は、すぐに出金の必要性が生じるような資金ではなく、当面寝かせておける余剰資金で行いましょう。

あくまで「リスク」の話ですが、円建てのみの資産運用だけでは万一の事態が起きて円が暴落してしまったときなどに、資産価値が大きく目減りしてしまいかねません。そのリスクを避けるためには、資産の一部を外貨預金など外貨建てにして分散投資しておくことが重要なのです。
 

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