投資・資産運用
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2019.6.22

外貨預金の手数料が高いって本当?その仕組みは?

(写真=nutcd32/Shutterstock.com)
(写真=nutcd32/Shutterstock.com)
一口に「外貨預金」といっても、銀行によって金利や手数料は変わってきます。また、通貨も米ドルだけでなく、ユーロや英国ポンド、オーストラリアドル、トルコリラなどさまざまです。ここでは、米ドルにおける外貨預金の手数料にスポットを当て、手数料が発生する仕組みから金融機関の選び方などを紹介していきましょう。

手数料は銀行によって大きく違う

まずは、実際の外貨預金の金利と手数料を見てみましょう。下の表は、世界で最も流通している米ドルに関する邦銀の外貨預金の手数料です。
 
外貨預金(米ドル)の金利、手数料比較
金融機関 手数料
(片道)
金利
(普通預金)
金利
(6カ月定期)
(データ
更新日)
備考
三菱UFJ銀行 0.25円 0.20% 0.45% 2019/5/15 6か月定期は3万ドル 未満の場合
三井住友銀行 1.00円 0.20% 0.40% 2019/5/15 6か月定期は10万ドル未満の場合
東京スター銀行 0.00円 0.50% 1.65% 2019/5/1 手数料はネット
バンキングの場合
住信SBIネット銀行 0.04円 0.70% 2.10% 2019/5/15 金利は1万ドル未満の場合
楽天銀行 0.25円 0.01% 0.60% 2019/5/15 定期の最低預入金額は10ドル
※手数料は1米ドルあたり

例えば、三菱UFJ銀行では、外貨預金の預け入れ、引き出しともに1米ドルあたり0.25円です。それに対して、住信SBIネット銀行では同0.04円の手数料がかかります。普通預金の金利はそれぞれ0.20%と0.70%です。これはあくまで一例に過ぎませんが、銀行によってかなり手数料や金利に差があることが分かります。

預け入れ額などの条件によって手数料が変動するケースもあるので一概にはいえませんが、基本的には対面型の銀行よりもネット銀行のほうが手数料が割安な傾向にあるようです。

日本国内の普通預金の場合、平日の日中はATMによる入出金の手数料無料が当たり前になっています。中には「24時間365日、何回でも無料」という銀行もありますから、これと比較すると「外貨預金は手数料がかさむ」というイメージが先行してしまうのは仕方ないかもしれません。

表中の銀行の中では三井住友銀行の手数料がやや割高となっていますが、同行では米ドル建て外貨預金の預け入れ額が1万米ドル(約110万円)以上の場合は入出金とも手数料は無料となります。また東京スター銀行では、外貨定期預金の預け入れ額が1,000ドル以上だと通常の定期預金より金利が上積みされます。外貨預金では、こうした優遇制度を導入している銀行が少なくありません。

インターネットなどで紹介されている「手数料・金利一覧表」の数字をうのみにして、「手数料が安いから」という理由で外貨預金をする銀行を選ぶのは早計でしょう。外貨預金を行う銀行を選ぶ場合には、その銀行のホームページなどで優遇制度やキャンペーンなどを確認するべきでしょう。

外貨預金の手数料が高いわけ

なぜ外貨預金は国内の普通預金と比べて手数料が高いのでしょうか。最も大きな理由は、その外貨を銀行側で調達するのに手間がかかるからです。例えば、1万ドルの外貨預金を行う場合、その銀行は1万ドルを調達することになります。日本円であれば銀行側にこの手間は発生しないわけですから、外貨預金の手数料はいわばその「手間賃」といえます。また、為替相場や金利は日々変動しているため、銀行側はその変動に合わせてサービスを提供するためのシステムを組んだり、人員を割く必要があります。こうしたコストも外貨預金の手数料の一部になっています。

米ドルやユーロといった主要通貨に比べて、新興国通貨の外貨預金の手数料が高い傾向にあるのは、新興国通貨の調達やシステムの開発、人員確保によりコストがかかるからでしょう。

手数料は「TTS」と「TTB」によって決まる

外貨預金の手数料は、各銀行が独自に設定している「TTS」や「TTB」というレートによって決まります。TTSはTelegraphic Transfer Selling Rateの略で、顧客が外貨を買う(銀行が顧客に外貨を売る)際のレートです。外貨預金に預け入れをする際は、このレートが採用されます。

一方、TTBはTelegraphic Transfer Buying Rateの略で、顧客が外貨を売る(銀行が顧客から外貨を買う)際のレートです。外貨預金から出金する際は、このレートが採用されることになります。銀行側は、日々変動する外国為替のレートを元に「TTM(Telegraphic Transfer Middle Rate:仲値)」を設定し、それに為替手数料を加味してTTSとTTBを算出しています。

仮に、その日の米ドル・円のレートが1ドル=110円だったとします。ある銀行がその1ドル=110円を仲値として、TTSを110.5円、TTBを109.5円に設定しているとしましょう。この場合、1万ドルの外貨預金をするにはTTSが採用されて110万5,000円が必要になります。また、同じように外貨預金の口座から1万ドルを出金すると、TTBが採用され109万5,000円を受け取ることになります。このTTSとTTBの差が小さければ小さいほど、外貨預金の手数料が安い銀行といえます。

キャンペーンの活用も一手

外貨預金をする銀行を決める時に見逃せないのが「外貨預金キャンペーン」です。例えば、先ほど手数料がやや割高とお伝えした三井住友銀行では、2019年5月31日を期限に「外貨の扉」という為替手数料と金利の優遇キャンペーンを展開。これは外貨定期預金のキャンペーンですが、これ以外にもさまざまなタイミングで外貨預金のキャンペーンが行われています。

もし外貨預金を検討しているのならば、その銀行の為替手数料や各種サービスの比較に加えて、こうしたキャンペーンもチェックするといいでしょう。ただ、キャンペーンは期間が限定されているものが多いので、短期的なメリットだけに目をとらわれず、もう少し長期的なメリット、デメリットを総合的に考えたうえで銀行を選びたいところです。

外貨預金による資産の分散でリスクを軽減

ここまで外貨預金の手数料について述べてきました。外貨預金は手数料の高さがデメリットとしてクローズアップされがちですが、投資における「通貨の分散」や「地域の分散」といった分散投資を行うための一つの手段であることは確かです。手数料が低い銀行を選んだり、キャンペーンを活用することでデメリットを軽減することができるでしょう。
 

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