経済・マーケット
-
2019.6.4

RPA改革で何が変わる?業務効率化はどう進むのか

(写真=PopTika/Shutterstock.com)
(写真=PopTika/Shutterstock.com)
最近さまざまなメディアでRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)という言葉をよく見かけるようになりました。RPAとは定型化されたデスクワークをソフトウェア型のロボットが代行して行う概念のことをいいます。

ロボットに仕事が奪われる時代の代表例がRPA

RPAを活用することで、業務は大幅に効率化されると言います。これまで人が行ってきた作業を、AI(人工知能)やロボットが代行するようになるのです。

以前、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が「機械によって約半分の仕事がなくなる」と予想して大きな話題を呼びました。

例えば情報収集やデータの入力や表計算ソフトでの計算や分析、請求書の作成、データを用いた文書の作成などはRPAで自動化できます。バックオフィスで行っていた事務処理のほとんどがRPAで実行できるのです。

AIに仕事が奪われるというとマイナスの印象を受けてしまいますが、人口の減少や少子高齢化によって労働人口が確実に減少していく日本において、RPAは企業に欠かせないものとなっていくでしょう。

順次施行されている働き方改革関連法では、年10日以上の有給休暇付与者に年5日の有給休暇の取得が義務化され、残業時間にも上限が設けられました。業務を大幅に効率化しなければ、これらの法制度に対応できない企業も出てくるでしょう。

横浜市とNTT、NTTデータグループらが行ったRPAによる共同実験では、月報作成やデータの収集・入力など7つの定型業務をRPAで自動化したところ、作業時間が平均84.9%、最大で99.1%も削減できたと報告されています。

2017年の時点で、国内でRPAを導入している企業は14.1%、導入中が6.3%、導入を検討している企業は19.1%でした(総務省RPA「働き方改革:業務自動化による生産性向上」より)。

RPAは能力の違いによって3つの段階がある

RPAが得意とするのは定型化された業務の反復、構造化されたデータを利用する業務、クラウドソフトの利用などです。特にヒューマンエラーが起きやすい分野において、RPAはその能力を発揮します。エクセルで数字を入力し続ける作業のように、単純であるがゆえにヒューマンエラーを誘引するような業務はRPAの得意分野です。

RPAには判断力や自己学習能力の違いにより3段階あります。

・Class1:RPA(Robotic Process Automation)
同じ作業を反復するような単純作業、定形業務で役立ちます。

・Class2:EPA(Enhanced Process Automation)
大量のデータを解析し、解析結果を出力する業務を行います。顧客データからマーケティングに役立つデータを引き出したい時などに便利です。

・Class3:CA(Cognitive Automation)
自然言語処理、ビッグデータの分析、機械学習が備わっており、大量のデータから学習を行い、もっとも適した業務を自動で判断し実行します。CAを導入すると売り上げデータや経済情勢を読み取り経営意思決定まで行えます。

RPAはどのようにして仕事に影響を与えるのか

野村総合研究所によると、2030年ごろには日本の労働人口の49%がRPAを含むロボットに代替可能だと言います。

だからといって労働人口の半分が職を失うというわけではありません。ロボットで業務を効率化しながら、ロボットではできない、例えば創造性、協調性、非定形が求められる仕事は人が行うという、業務の住み分けが考えられます。

テクノロジーによって新たな職業も多く生まれることでしょう。企業がAIを活用するための支援事業、AIが集めて解析したデータのより高度な分析、人とロボットのチームをマネジメントする仕事なども考えられます。

AIを活用するための支援事業などは、すでに多くの企業が取り組んでいます。RPAの導入は自社だけでは対応できない部分も多く、ツールを使ったりベンダーに依頼したりする場合がほとんどです。

ロボットが活躍する未来にも人が輝く場所がある

RPAをはじめとするAIの台頭は、労働人口が減少していく状況において避けられないものです。ロボットに任せられる部分は任せ、人でなければできない部分や分野で人の力を発揮していけばいいのです。

そのためにもスキルアップの努力は欠かせません。RPAを開発するエンジニアや、RPAの導入を支援するベンダー、RPAを社内で使いこなすアドバイザーなどがこれから求められるでしょう。

今後、RPA市場はますます拡大していくと考えられます。社員の負担を軽減し、事業を円滑に進めるためにもRPAの導入を検討し、近い将来どのような職業が生まれているのか予想しながら、役立ちそうな分野の学習を始めてみてはいかがでしょうか。
 

【おすすめ記事】
日本は借金大国?世界の債務残高はどのくらいのか
日本円だけの資産ではダメな理由3つ
人口ボーナス期の果実を享受するためには
日本から出品・入札できる 世界最大のオークションハウス「クリスティーズ」
孫・バフェット両氏も活用する錬金術 保険が「最強のビジネス」である5つの理由

NEXT 独身ビジネスマンが身に着けるべき「経済習慣」とは? PREV 「値上げ」話だけではない!肉やチーズが安くなるかも?

関連記事