経済・マーケット
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2019.6.3

「2020年問題」で影響を受ける業界や起こることとは?

(写真=Prostock-studio/Shutterstock.com)
(写真=Prostock-studio/Shutterstock.com)
2020年問題はさまざまな業界に影響を及ぼすとされており、日本の経済にも影響を与えかねません。そのため国や自治体を中心に2020年問題を解決しようと数々のプロジェクトが立ち上がっています。2020年問題とはなにか、どんな問題が起こるのか解説します。

そもそも2020年問題とは?

2020年問題とは、2020年から日本のあらゆる分野で起こるリスクに対して付けられた名称です。

リスクの代表例として、出生数が多い団塊ジュニア世代(1971~1974年生まれ)による高齢化の問題があります。2020年以降はバブル世代(1965~1969年生まれ)だけではなく、団塊ジュニア世代も50代に突入します。

世代別に分けた時、平均賃金がもっとも高い年齢層は50~54歳です(国税庁が発表している「年齢階層別の平均給与」より)。

そのため全社員に対する50~54歳の社員の割合が多い企業では、人件費の負担増加による問題が深刻化する場合があります。さらに定年退職者の増加も見込まれるため、ポスト不足や人材不足に陥る企業が増えることも予想されます。

2020年問題で起こることいろいろ

不動産は農村部では人口減少のため空き家化する

2020年になると日本の一般世帯数はピークを迎え、その後は減少に転じると推測しています(国立社会保障・人口問題研究所2018年「日本の世帯数の将来推計」より)。

さらに農村部を中心に人口減少が進み、地方で空き家の増加が懸念されています(総務省が2014年に実施した過疎問題懇談会のレポートにより)。

空き家問題を解消する目的で設立した「全国空き家対策推進協議会」では、空き家を活用するためのノウハウの共有や、不動産の専門家と連携した取り組みを行っています。

IT業界は2020年には19万3,000人の人材不足に

IT業界では2020年以降人材不足が深刻化するでしょう。IT業界の人材不足数は2016年で13万2,000人でした。これが2020年になると不足数が19万3,000人まで増える予想です(経済産業省2016年「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」より)。

政府ではIT人材を確保するために、女性やシニア、外国人など多様な人材を採用する取り組みを行っています。さらにITスキルを高めるための教育制度を強化することで、将来にわたってIT人材を確保できるよう取り組んでいます。

AI(人工知能)による失業

IT業界のように人材不足が深刻化する業種がある一方で、AIによる失業問題もあります。AIでもできる業務が増えていくことで、ヒトよりもAIを選ぶ企業が増え、結果的に失業者の増加につながるのです。

2035年までの間に国内にある業務のうちの約49%はAIやロボットなどが代替できるようになるそうです(三菱UFJリサーチ&コンサルティング「IoT・ビッグデータ・AI等が雇用・労働に与える影響に関する研究会」報告書より)。

経理や人事などのバックオフィス業務、製造ラインの業務はすでにAIに切り替えている企業もあります。

働き方改革によって人材不足が解消されるかも

2019年4月1日から大手企業を対象に「働き方改革関連法」が施行されました(中小企業は2020年4月から施行)。この法案では労働時間法制の見直しにより、長時間労働や残業の上限規制が強化されました。

また働き方改革では、正社員と非正規社員の不合理な待遇差をなくすことで、魅力ある職場づくりを実現し、人手不足解消につなげるという目標もあります。

2020年には大学受験が変わり小学校で英語教育も

2020年度の大学入試試験からはセンター試験が廃止され「大学入学共通テスト」に変わります。センター試験では出題されなかった記述式問題が導入されたり、英語の評価基準が変わる予定です。

大学入学共通テストへの変更で、受験が不利になる学生が現れることも予想されます。

さらに2020年度からは小学生の英語教育が必修科目になり、保護者の中には子どもが英語教育について行けるか不安だと感じる人もいるでしょう。

2020年問題について今から準備していくことが大事

2020年以降に起こる問題に備えて、さまざまな分野で改革が行われる予定です。2020年問題に対応するには日頃から情報収集を行い、問題が起こる前に対策を取る必要がありそうです。
 

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