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2020.10.27

【特集#4】「ふるさと納税」トレンド2020

(写真=ANA Financial Journal 編集部)
(写真=ANA Financial Journal 編集部)
返礼品ではなく、寄付金の使い道に着目した「クラウドファンディング型ふるさと納税」の広がりも、最新トレンドといえるでしょう。2020年は特に医療関連や子育て支援などのプロジェクトが目立ち、注目されています。最後に、ふるさと納税に関して今年特に注意しておきたいポイントも紹介します。

寄付金の使い道で寄付先を選択

これまでは返礼品ばかりが注目されがちでしたが、最近では災害発生時の被災地支援や、さまざまな地域課題解決など、寄付金の使い道から寄付先を選ぶ人も増えています。

たとえば、昨年10月に発生した火災による首里城の焼失について、沖縄県那覇市が再建のための費用をふるさと納税の仕組みを活用したクラウドファンディングで募集したところ、全国約5万人から総額9億円を超える寄付が集まりました(3月末に終了)。返礼品は用意されていませんでしたが、「なんとか力になりたい」という人たちの熱い思いが結集したのです。
 

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自治体がクラウドファンディングを活用

そもそもクラウドファンディングとは、特定の目的や目標を掲げて、インターネットを通じて広く不特定多数の人たちから資金を調達する方法です。新商品の開発や事業者支援など、さまざまな目的のため活用されていますが、最近では自治体がプロジェクトオーナーとなり、地域が抱える課題を解決するための資金を募るケースが増えています。

プロジェクトのテーマは、たとえば自然環境保全や歴史的建造物の修復・保存、伝統産業の維持、観光業の振興、生産者支援、過疎化対策など、実にさまざまです。それぞれ募集意図や寄付金の使い道、目標額や募集期間などを明示して、自治体ごとに寄付を募ります。複数の自治体が連携して共通のテーマで募るケースもあります。

いずれも通常のふるさと納税同様、寄附金控除が受けられるため、わずかな自己負担で済みます。返礼品が用意されているプロジェクトもありますが、その有無にかかわらず、趣旨に賛同して、「せっかくなら人の役に立ちたい」「返礼品はいらないから使ってほしい」と寄付する人も多いようです。

地域の課題を解決するための寄付を募集

特に今年は、一斉休校や外出自粛などによって生じたさまざまな地域課題の解決を目指すプロジェクトが、次々登場しています。たとえば、「子ども食堂支援」「ひとり親家庭への食材提供」など、子育て支援に関わるものや、大きな打撃を受けた地元の飲食店や観光施設を応援するプロジェクトなどが目立ちます。

また、自治体にとって喫緊の課題ともいえる「医療体制の強化」「感染症対策」などを掲げるケースも増えています。こうした寄付金の使われ方にも着目した動きはますます広がっていくのではないでしょうか。

例年通りにならない場合もあるので要注意

2020年のふるさと納税の新しいトレンドを探る本シリーズ。ここまで3つのトレンドを見てきましたが、最後に今年特に注意したい点を挙げておきます。ふるさと納税の税金控除の枠は、寄付する年の1年間の収入によって決まります。今年は在宅ワークや時差出勤、残業削減など、いつもとは異なる勤務体制となった職場も多いかと思いますが、給与体系によっては残業代やボーナスが減ったりして、例年より年収が下がるケースもあるでしょう。

年収が下がった場合、ふるさと納税の上限額も例年より下がる可能性があります。いつもと同じ予算だと思って寄付をしていると、上限額を超えてしまって自己負担が2,000円では済まないケースも出てきます。最終的には12月に確定するので、それまでは上限いっぱいではなく、ある程度余裕を持たせて寄付するのが賢明でしょう。

お得な返礼品だけでなく、社会貢献の目的においても新しい動きを見せるふるさと納税。2020年に発生した経済的な打撃は深刻ですが、一方で、新しい寄付の概念や考え方を生み出しているともいえそうです。ふるさと納税の新しい局面を、楽しみながら注目していきましょう。
 

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