経済・マーケット
-
2020.9.14

時間外労働の上限規制開始。今後実施される中小企業の働き方改革は?

(写真=paru/stock.adobe.com)
(写真=paru/stock.adobe.com)
中小企業における働き方改革関連法が、2019年4月から2023年4月にかけて順次施行されています。大企業とは施行のタイミングが異なるケースもあるため、中小企業の経営者や従業員は時期や内容をあらかじめ確認し、準備を進めることが重要です。

働き方改革における中小企業の定義とは?

働き方改革とは、労働者それぞれの事情に応じた「職業生活の充実」を目指し、国が推進する施策です。その実現のために事業主は、労働時間の短縮や労働条件の改善に努めなければならないとされます。

働き方改革を進めるには、従業員の配置や業務内容の効率化などの見直しが必要です。そのため、即座の対応が難しいと考えられる中小企業には、施行までの猶予期間が設けられています。働き方改革における中小企業の基準は、下表で確認しましょう。

【中小企業の基準】
業種 資本金の額または出資総額 または 常時使用する労働者数
小売業 5,000万円以下 50人以下
サービス業 100人以下
卸売業 1億円以下
上記以外 3億円以下 300人以下
 

こちらもおすすめ
2020年4月からの「同一労働、同一賃金」、正社員への影響は?
中小企業オーナー必見「事業承継税制」を簡単理解!

中小企業での施行は4段階で行われる

中小企業での主な働き方改革は、2019年4月から4段階で行われます。

働き方改革1【有給休暇年5日取得】:2019年4月1日~

2019年4月1日から施行されているのが、「年次有給休暇の確実な取得」です。これにより使用者は、法定の年次有給休暇付与日数が10日以上のすべての労働者について、毎年5日、時季を指定して年次有給休暇を確実に取得させる必要があります。

働き方改革2【時間外労働の上限】:2020年4月1日~

2020年4月1日に施行されたのは、「時間外労働の上限規制」です。この施行により定められた時間外労働の上限は、原則として月45時間、年360時間となります。例外として臨時的な特別な事情がある場合の上限は、年720時間、単月100時間未満(休日労働を含む)、複数月平均80時間(同)です。ただし、月45時間の上限を超えられるのは、年間で6ヵ月までと決まっています。

なお、自動車運転業務、建設事業、医師、鹿児島県・沖縄県の砂糖製造業、新技術・新商品等の研究開発業務等は、適用が除外もしくは猶予されることがあります。

働き方改革3【同一労働同一賃金】:2021年4月1日~

2021年4月からは、「雇用にかかわらない公正な待遇の確保」が始まります。これにより使用者は、同一企業内において同一の労働を行っている人には、同一の賃金(待遇)を確保しなければなりません。この改革により、正規雇用労働者と非正規雇用労働者(パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)との、不合理な待遇差の廃止が図られます。

働き方改革4【割増賃金率の引き上げ】:2023年4月1日~

2023年4月に施行されるのは、「割増賃金率の引き上げ」です。月60時間を超える時間外労働については、割増賃金率を50%以上引き上げることと定められます。

相談窓口なども活用し計画的に準備を進めよう

中小企業における働き方改革は、2019年から2023年にかけて段階的に施行されます。働き方改革を円滑に進める支援策として、各都道府県の働き方改革推進支援センターや労働基準監督署などが、相談窓口を設けています。また、業務効率化のための補助金や助成金は、経済産業省や中小企業庁で申し込み可能です。そのほか、人材確保や社員育成を相談できる窓口も用意されています。

働き方改革に違反した場合、懲役や罰金が科されるケースもあります。中小企業を経営する人は、助成や支援を活用し計画的に準備を進めましょう。

 

>>その他のおすすめ記事
中国向けECビジネスを加速させる「自動輸送ロボット」
日本は借金大国?世界の債務残高はどのくらいなのか
災害時にハイブリッド車からの給電で気をつけることとは?
水に浮く世界最小4人乗り「FOMM ONE」が日本でも発売か?
LINE PayボーナスからLINEポイントへのインセンティブ変更で何が変わる?

関連記事