経済・マーケット
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2020.9.12

会社予想が存在しないからこそ注目されそうなもの

(画像=Getty Images)
(画像=Getty Images)
日本経済新聞によると、5月末時点の2020年3月期決算発表状況を集計したところ、全体の56.4%(1,266社)が21年3月期の業績予想を未定か非開示とし、その96%(1,216社)が新型コロナウイルスの影響を理由に挙げたそうです(2020/6/2朝刊)。

決算発表は、多くの投資家にとって投資戦略を練るうえでの重要な企業発情報です。しかし利益予想がないのでは、予想PERを計算することができず、配当予想がなければ予想配当利回りを計算することもできないので、現時点では多くの企業においてバリュエーションがしにくい状況です。

そんな状況を反映してか、例年より遅くリリースされる予定なのが、2020年6月26日に発売される東洋経済新報社の「会社四季報夏号」です。

「会社四季報」は通常なら3の倍数の月の半ばに発売されていますが、6月に発売されるものは2020年3月期決算発表が全体的に遅かった影響のためか、少し遅く発売されるようです。

日本株の投資家であれば知らない人はいないであろう「会社四季報」は、昭和11年6月に創刊された歴史ある刊行物です。

創刊号は1社1ページで、299社が掲載されたそうです(東洋経済新報社websiteより引用)。

日本の全上場企業をカバーし、現在は約3,800社の情報を掲載しているだけあって、なかなかの厚みです。

近年は紙媒体を購入しなくてもオンライン証券の投資情報の一部として閲覧できることも多いようです。

さて、「会社四季報」の最大の特徴は何かご存じでしょうか。

似たようなものに「日経会社情報」があるのですが、これと比較した最大の違いは「会社四季報」は原則として、今期と来期の2期の業績予想が全上場銘柄に関して掲載されることです。

「原則として全上場銘柄の業績予想が掲載される」

これをかみ砕くと、現時点で企業側が業績予想を出していない銘柄についても、「会社四季報」には予想の数字があるであろうことを意味します。

今年の場合は前述したとおり、多くの企業で会社予想が存在しない状況になっていますが、実は会社予想を提示しない企業は、毎年必ずそこそこの数あります。

それにもかかわらず「会社四季報」には予想が存在しています。

今月発売される「会社四季報」では、多くの企業に関して同様の状態になるわけです。

予想が存在しない状況から、予想が存在する状況への変化は、少なからず株価へ影響をもたらすと考えています。

例えば、この春以降業績予想が出るまでは様子見というスタンスの投資家は少なくなかったと思いますが、「数字」を目にできるようになれば動き出すでしょう。

今まで動かなかった資金が、動き出す節目になるかもせいれません。

「会社四季報」の発売によって株価が動きやすいのは、大型株よりも中小型株だと考えます。

大型株に関しては、証券会社などのアナリストがカバーしていることが多く、そのような銘柄では決算発表後に2、3期先ぐらいまでの予想がレポートで公開(もちろん顧客のみが閲覧できます)されるため、予想の数字が全く存在しないわけではありません。

おおむね、400社から500社ぐらいが該当するでしょうか。それらを集計した結果のコンセンサスが存在する銘柄もあります。

一方、中小型株はアナリストのカバーがない銘柄が多く、業績予想は企業側が出すものか、「会社四季報」か「日経会社情報」に限られる銘柄が少なくありません。

現時点で企業側が予想を出していない銘柄については、業績予想に関して「会社四季報」か「日経会社情報」への依存度が少なくとも今は高くなると考えます。

特に3月に発売された2020年春号に掲載された予想には、その発行時期を考慮すると新型コロナウィルスの影響が加味されていない値は少なくないでしょう。

よって、6月26日に発売される2020年夏号で春号に掲載された予想と大きな違いがある銘柄ほど、株価の動きも大きいと考えられます。

紙媒体の「会社四季報」であれば、それぞれの銘柄の隣に「前号比」が矢印つきでわかるようになっていますので、気になっている銘柄に関しては一番最初にその矢印の向きを確認してはいかがでしょうか。

なお「会社四季報」には、「四季報オンライン」という情報サイトがあります。

このサイトの有料会員になるとわかるのですが、既に6月26日発売分に関してはサプライズ銘柄の情報が提供されているようです。

そのような銘柄は既に株価が動いている可能性がありますので、矢印の向きを確認したら、今月に入ってからの株価の動きも合わせて確認しておきましょう。

すでにサプライズが織り込まれている可能性があるからです。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan
 

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