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2020.8.2

ソニーのコンセプトカーによる、電気自動車市場を取り込み

(画像=Getty Images)
(画像=Getty Images)
モトリーフール米国本社、2020年1月15日投稿記事より

ソニー(NYSE:SNE)は、CES 2020で「Vision-S」と呼ばれる電気コンセプトカーを発表して参加者を驚かせました。

しかし、ソニーはテスラと競争するためにEV市場に参入するわけではありません。

ソニーのもつ様々な技術のショーケースとして電気自動車を製造しただけです。

これらの技術がどのようにソニーの未来を形作るのか見てみましょう。

センサービジネスは、スマホ市場から自動運転市場へと飛躍の可能性

ソニーの画像およびセンシングソリューション(I&SS)ビジネスは、主力事業となっています。

同社は、スマートフォン向けのイメージセンサーが収益の大きな柱となっており、多カメラ搭載のスマートフォンの台頭を追い風に急成長しています。

ソニーのI&SS収益は、2019年度上半期に年間19%増加して5,414億円(50億ドル)で、総売上高の13%でした。

営業利益は63%増加して1,259億円(12億ドル)でした。これは、ソニーの営業利益の4分の1にあたります。

ソニーのI&SSユニットは、すでにスマートフォン市場の約半分にイメージセンサーを提供しています。

コネクテッドカーやドライバーレスカーにもVision-Sのイメージセンサー技術を使うことができ、新たな市場として期待されています。

Vision-Sには、車両の内外に33個のセンサーが埋め込まれています。

これらのセンサーの中でも、ToFカメラセンサーは到達速度で距離を測定し、CMOSイメージセンサーは車の近くの歩行者を認識します。

ソニーのスマートフォンメーカーへのイメージセンサーの販売は、長期的には減速するリスクがあります。

一方、大量のセンサーを必要とするコネクテッドカーとドライバーレスカーの成長は、スマートフォン市場以上のポテンシャルがあります。

電子製品およびソリューション事業も自動車市場で返り咲きか?

Vision-Sのダッシュボードは、端から端までデジタルスクリーンであり、後部座席にもデジタルスクリーンが装備されています。

4つの座席はすべて、「360 Reality Audio」を備えたヘッドレストスピーカーを備えています。

これにより乗客は「音に包み込まれる」という体験ができます。

これらのデバイスは、スマートフォン、テレビ、オーディオデバイスを手掛けるソニーの電子製品およびソリューション(「EP&S」)セグメントに、明るい未来が待っていることを示唆しています。

しかし、今のところ、ソニーのEP&Sユニットは苦戦しています。

売上高は2019年上半期に年間13%減の9,774億円(89億ドル)で、総売上高の24%でした。

その原因は、スマートフォンとテレビの販売不振にあります。

しかし、ソニーは製品ラインのコストを削減し、モバイルユニットを再構築したため、営業利益は35%増の6650万円(営業利益の13%)となりました。

今後、自動車向けの需要が顕在化すれば、成長部門として返り咲くかもしれません。

半導体大手と自動車開発で協業

Vision-Sが発売されれば、ソニーがコネクテッドカーとドライバーレスカーの成長の恩恵を直接受けることを示せるでしょう。

しかし、ソニーは自動車市場に参入しようとは考えていませんし、特に自動運転の核となる半導体部分には既に強いプレーヤーが君臨していることを十分理解しています。

例えば、エヌビディア(NASDAQ:NVDA)はドライブ・オートパイロット、クアルコム(NASDAQ:QCOM)はスナップドラゴン・ライドにより、レベル2+(半自律)運転を実現しています。

インテル(NASDAQ:INTC)のモバイルアイは、先進的なドライバー支援システム(ADAS)をすでに大手自動車メーカーの約9割に提供しており、インテルのチップがアルファベットの子会社であるウェイモを支えています。

ソニーは、これらの半導体の巨人との提携を目指しているようです。

同社の分野は、画像センサー、スクリーン、オーディオデバイスにとどめ、半導体やシステム部分においては、エヌビディアやクアルコムと提携し、Vision S開発に参画してもらったようです。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan
 

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