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2020.5.31

確定申告しないとどうなるの?ペナルティだけでなく財産を失うリスクも

毎年確定申告の時期になると作業に追われている人がいる一方、「申告しなくても大丈夫かも」と考えている人もいるかもしれません。今回は、確定申告の概要をお伝えした上で、申告しない場合のリスクについてみていきましょう。

確定申告とは何か

申告しないリスクについて考える前に、「そもそも確定申告とはどのようなものか」を解説します。

確定申告は「個人の稼ぎと税金の決算」

この時期によく耳にする確定申告は、正しくは「所得税の確定申告」のことを指します。所得税の確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間の稼ぎがどれくらいか、そして稼ぎに対して課せられる所得税はいくらなのかを計算して税務署に報告し、税金を納付するか還付を受けるまでの一連の作業のことです。いうなれば「個人の稼ぎ(所得)と税金の決算」です。日本の税制は申告納税制度を採用しているため、これら確定申告の作業は個々人が自らそれぞれ行うことが義務付けられています。

「個人の稼ぎ(所得)」はどう計算する?

所得税の元となるのは所得です。所得が多ければ多いほど税金が高くなりますし、逆に少なければその分税金は低くなります。所得というと多くの人は「手取額」「年収」と混同しますが、正しくは「利益」です。税法上ではざっくりと次のような内容で計算します。

所得額=年間の総収入金額-年間の必要経費の総額

確定申告では、所得を「どうやって得たのか」によって10種類に分け、その区分ごとに所得額を計算します。この10種類の所得区分はおおよそ次のような内容です。
  • 利子所得:公社債や預貯金の利子など
  • 配当所得:株式の配当や投資信託の収益の分配金など
  • 不動産所得:不動産賃貸による収入
  • 事業所得:フリーランスや士業など個人事業主として事業を営んで発生する所得
  • 給与所得:サラリーマンやバイト・パートなど会社に勤務して受け取る給料や賞与など
  • 退職所得:会社を退職することによって受け取る退職金
  • 山林所得:伐採した山林や立木を売ったことによる所得
  • 譲渡所得:不動産や美術品、株式や投資信託、事業用資産を売却して得た所得
  • 一時所得:懸賞やクイズ、当たり馬券による賞金、満期の生命保険金、ふるさと納税の高額返礼品
  • 雑所得:公的年金、FXや仮想通貨の投資による所得本業とは別に行った副業で得た原稿料や講演料、民泊営業による所得など

実際の所得の計算の仕方は、所得の区分ごとに異なります。例えば、給与所得は給与の年収額に応じた給与所得控除(いわゆる「サラリーマン経費」)を給与の総収入金額から差し引いた金額が所得額になりますし、一時所得は総収入金額から受取に必要な支出(生命保険金の掛金総額など)と特別控除額50万円を差し引いた後、1/2を乗じて計算します。

なお、税額は所得を合算し、合計所得額に応じた税率を乗じて計算するのが基本ですが、中には単独で税率を乗じて計算するものもあります。実際の計算ではその都度注意しなくてはなりません。

確定申告が必要なのはこんな人

確定申告する人の多くは、個人事業主や不動産オーナーとして独立して事業を行う人や源泉徴収されない収入がある人です。日本の納税者の8割以上を占める給与所得者(サラリーマンやOL、バイトやパートなど)のほとんどの人には無縁です。なぜかというと、会社での年末調整で1年間の正確な税額計算や精算が完了するからです。そのため「確定申告が義務」と言われても「確定申告なんてほとんどの人はやっていないじゃないか」と感じる人が多いかと思います。

ただ、給与所得者でも副業をしていたり、多額の年収を受け取っていたり、不動産などの売却で利益が出た人は確定申告が必要です。まとめると、次のような人が「確定申告をしなくてはいけない人」になります。
 
  • 独立して事業を営み、事業所得や不動産所得を得ている人
  • 給与の年収が2,000万円を超えている人
  • 1つの会社に勤務しながら個人事業主として副業を行い、その副業収入の所得(利益部分)が年間20万円を超える人
  • 2つ以上の会社に勤務しながら個人事業主として副業を行い、年末調整をしていない会社からの給与所得と副業の所得の合計額が年間20万円を超える人
  • 同族会社の役員で、同族会社から自社ビル・工場の賃貸料や貸付金利息、機械などの賃貸料を受け取っている人
  • 台風や地震の被害を受けたため、給料から天引きされる所得税について災害減免法による徴収猶予や還付を受けた人
  • 不動産などを売却して利益が出た人
  • 生命保険の満期保険金や懸賞や競馬の当たり馬券で多額の賞金を得た人
  • 源泉徴収されない金融商品の運用をしている人
  • 年金の年収が400万円を超える人

余談ですが、「確定申告義務はないけどした方がトクな人」もいます。たとえば、一つの会社で勤務しているサラリーマンが多額の医療費を払ったりふるさと納税をしたりしたケースです。こういう人は確定申告の義務はありませんが、確定申告で医療費控除や寄付金控除をすることで所得税の還付が受けられます。また、確定申告した年の6月以降の住民税が安くなります。

確定申告の期間

確定申告の期間は通常、計算の対象となる期間の翌年2月16日から3月15日までです。つまり、申告書の提出や納税は所得が発生した年の翌年3月15日までに行わなくてはなりません。ただし、還付申告は翌年1月1日から行えます。また、3月15日が土日や祝日と重なった場合、その次の平日が確定申告期限となります。

なお、2019年分の確定申告は、本来は2020年3月16日が申告期限でした。しかしコロナウイルス感染拡大防止対策により、2020年4月16日に延長されました。さらに、その後も期限を区切らず、申告を柔軟に受け付けることが国税庁より発表されています。

確定申告の手順と必要書類

確定申告は次の手順で行います。
  1. 1年間の収入・必要経費を10種類の所得区分に応じて計算する
  2. それぞれの所得額を計算し、必要に応じて決算書や収支内訳書を作成する
  3. 医療費控除や住宅ローン控除など、各種控除を計算する
  4. 上記1~3.を確定申告書に記載し、所得の合計額や税額を計算する
  5. 完成した確定申告書に控除証明書などの書類を添付する
  6. 確定申告書と決算書または収支内訳書、添付書類を税務署に提出する
  7. 所得税額が発生したならば納税する
これら一連の作業を確定申告期限までに行わなくてはなりません。特に事業所得や不動産所得のように、たくさんの領収書や請求書を見ながら計算していくものは、普段からきちんと帳簿付けを行うことが求められます。

以上が確定申告のおおまかな内容です。多くの人が「資産を売って利益が出たら確定申告する必要がある」と注意していますが、一部には「自分一人だけやらなくも大丈夫」と思っている人もいます。「税金を余計に払うのがもったいない」という気持ちがあるからかもしれませんが、どこかで税務署はわかってしまいます。
 

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なぜ無申告が税務署はわかるのか

無申告は、税務署はなぜわかってしまうのでしょうか。背景には、次のような税務システムがあるからです。
  • 源泉徴収制度
  • 法定調書制度
  • 申告漏れについての報告制度

年末調整が終了した後、会社は法定調書合計表と共に自社の役員・従業員の源泉徴収票や法定調書を税務署に提出しなくてはなりません。法定調書とは不動産の支払やフリーランスへの原稿料や講演料、配当や生命保険等の支払がある場合に支払い側がその詳細について記載したものです。さらに、国税庁はウェブサイトで課税・徴収漏れに関する情報提供を呼び掛けています。つまり、既存の仕組みで無申告があるとすぐ分かるようになっているのです。

さらに、国税当局はメディアやウェブから羽振りのよさそうな人の情報をチェックし、申告の有無や内容について確認しているとも言われています。こういった環境であるため、無申告のまま逃げ切るのは難しいのです。

確定申告をしないと何が起こるのか

申告義務があるのに申告・納税しないでいると、次のようなペナルティが発生します。
  • 罰金を払う
  • お金以外のペナルティを受ける
  • 財産が差し押さえられる
  • 脱税として刑事告発される

つまり、タダでは済まないということです。日本の憲法は第30条で「納税は国民の義務」と定めています。また、税制全般が課税の公平を重視しています。こういったことから「逃げ得は許さない」として無申告にはペナルティが発生するのです。

次の項目から、上記それぞれのペナルティの内容について見ていきます。

ペナルティ1:罰金を払う

確定申告をしないまま期限を過ぎると次のような罰金的な税金を払うことになります。
  • 延滞税
  • 無申告加算税
  • 重加算税

重加算税以外の2つは申告しないと必ずかかってくるものなので意識しておくとよいでしょう。以下、それぞれの内容について見ていきます。

延滞税

延滞税とは、税金を納付期限までに納税しなかった場合にかかる罰金的な税金です。利息のような性格を持っており、法律で決められた納税の期限(法定納期限)の翌日から実際に納税するまでの日数に応じて計算されます。

1.「法定納期限がいつか」で延滞税は変わる

延滞税は、申告書そのものの提出が遅れたときに課されるのではなく、納税が法定納期限より遅くなった場合に課されるものです。この法定納期限は、所得税の確定申告の場合、いつ申告書を提出したかによって分かれます。2020年に行う確定申告については、法定納期限は次のようになります。
  • 2020年4月16日までに申告書を提出した場合(期限内申告):4月16日
  • 2020年4月16日を過ぎて申告書を提出した場合(期限後申告):申告書を提出した日

つまり、4月16日までに申告書を出しても納期限が8月17日になれば4か月分の延滞税がかかります。また、申告書そのものの提出が遅れて同日に納税を済ませれば延滞税はかかりません(ただし後述する無申告加算税がかかります)。

2.延滞税の計算の仕方

延滞税は「本来納めるべき税金(本税)をいつ納めたか」によって計算に用いる利率が異なります。目安は「期限の2か月以内か否か」です。

【法定納期限の翌日から2か月を経過する日まで】
「年7.3%」「特例基準割合+1%」のうち、いずれか低い割合を用います。2020年は特例基準割合が1.6%なので、延滞税の計算では2.6%を用いて計算します。

【法定納期限の翌日から2か月を経過する日まで】
「年14.6%」「特例基準割合+7.3%」のうち、いずれか低い割合を用います。2020年は特例基準割合が1.6%なので、延滞税の計算では8.9%を用いて計算します。

これだけ見ると「期限から2か月以内に納付すれば本税×2.6%、2か月過ぎて納付すれば本税×8.9%」と感じるかもしれません。しかし実際の計算は「2か月以内分の利率」「2か月超えた分の利率」の両方を使います。例を挙げて延滞税を計算してみましょう。

【例】確定申告書を期限内に提出し、所得税5万円を2020年9月15日に納付した場合
2020年はコロナウイルス防止対策のため、法定納期限が4月16日とされています。そのため、この例では法定納期限から5か月過ぎて納付するわけです。計算式は次のようになります。

(1)法定納期限4月16日から2か月を経過する6月15日までの期間
(50,000円×2.6%×61日)÷365日=217円(1円未満切捨)
(2)法定納期限から2か月を経過した6月16日から9月15日までの期間
(50,000円×8.9%×92日)÷365日=1,121円(1円未満切捨)
(3)(1)+(2)=1,338円→1,300円(100円未満切捨) ∴延滞税は1,300円

3.延滞税がかからない場合

納付が遅れると延滞税がかかるのが原則ですが、次のように税額が少ないとかかりません。
  • 本税が1万円未満
  • 計算した延滞税が1,000円未満

さらに、法定納期限から1年以上経過してから納税された場合、1年以上の期間分については延滞税の計算上考慮しないものとされています。つまり、納税が5年遅れても延滞税は1年分しかかからないのです。ただし、後述する重加算税が課されるような悪質なケースを除きます。

無申告加算税

無申告加算税とは、申告書を法定申告期限までに提出しなかったときの罰金的な税金です。

1.無申告加算税の計算の仕方

税額は原則、「50万円までは15%、50万円超えた部分については20%」という割合を用いて計算されます。例えば、税額80万円の所得税の申告書を期限内に提出しないケースでの無申告加算税は次のように計算します。

50万円×15%+(80万円-50万円)×20%=13万5,000円

ただし、どのような状況でも常にこの割合で計算するわけではありません。無申告加算税がかからなかったり、軽くなったりすることもあります。逆に、重くなることもあります。

2.税金がかからないケース

以下のようなケースでは、無申告加算税はかかりません。
  • 申告が期限に間に合わなかったことにつき、正当な理由がある
  • 申告期限から1か月以内に申告書が提出された
  • 無申告加算税そのものが5,000円未満

「正当な理由がある」とは、申告と同時に納税手続を済ませており、過去に無申告加算税や重加算税といったペナルティを受けていない状態を指します。まとめると、税金が少額だったり、あるいは「ついうっかり遅れた」だけであって悪意がないことが明らかだったりすれば無申告加算税はかかりません。

3.軽くなるケース

自主的に期限後申告すると、無申告加算税は一律5%に軽減されます。ただ、自主的であれば何でもいいわけではありません。税務調査の通知があった後に自主申告すると、5%ではなく税額50万円までは10%、50万円を超える部分については15%の税率を適用されます。

4.重くなるケース

無申告の背景に意図的な所得隠しやごまかしがあると、と、無申告加算税の代わりに後述する重加算税が適用されます。

重加算税

重加算税は、意図的に期限内に確定申告しなかったと認められるときの罰金的な税金です。無申告加算税よりもずっと重い割合で課税されます。

1.「無申告が意図的」と判断される要件とは

重加算税は、単なる不注意による期限後申告ではなく、意図的に期限内に申告をしなかった場合に課税されます。専門用語で「仮装又は隠蔽があると認められること」というのですが、具体的には次のような状態を指します。
  • 二重帳簿がある
  • 事実と異なる契約書等の証拠書類がある
  • 事実と異なる帳簿の記載がある
  • 架空の領収書がある
  • 税金逃れのためだけの行動が行われた
  • あるべき証拠書類が破棄されたり、隠されたりしている

こういった状態があると即重加算税がかかる、というわけではありません。税務調査や国税不服審判(税務裁判)の際、こういった客観的な状況を総合的に見て無申告が意図的かどうかを判断します。

2.重加算税の計算の仕方

無申告が意図的であったと認められると、無申告加算税の代わりに重加算税が課税されます。無申告による重加算税の割合は「本税×40%」です。無申告加算税の項目で挙げた例で考えると、単なるうっかりで80万円の所得税の確定申告が期限後になったのであれば余計に払う税額は13万5,000円ですが、意図的な無申告とされると32万円に跳ね上がるのです。

3.延滞税もより多くかかる

延滞税も余計にかかります。本来、延滞税は、法定申告期限をどんなに過ぎて納税しても最大で1年分しかかかりません。しかし、重加算税が課税されると、延滞税は無制限に計算されることになります。

4.「無申告に重加算税はない」とは言えない

2019年の秋に某芸人が申告漏れで話題になった際、「無申告だと重加算税が課される可能性は低い」という専門家の分析が流れました。無申告では恣意性の有無を立証するのが難しいからです。だからといって絶対にないとは言えません。売上と経費のいずれかを意図的に操作した結果、申告すべき所得額や税額がゼロになり、無申告ということもあります。こういったケースでは、残っている帳簿や証拠書類、行動の経緯から恣意性を指摘されて重加算税が課される可能性があります。

ペナルティ2:お金以外のペナルティを受ける

確定申告を期限内に行わないと、お金以外でも以下のような損が生じます。
  • 2期連続で期限後申告すると青色申告の承認が取り消される
  • 期限後申告をすると青色申告の特別控除65万円が10万円に引き下げられる
  • 還付金を受け取れない
  • 融資の審査が通りにくくなる

特に無申告は、青色申告を行っている人には痛手です。不動産所得や事業所得のある人が青色申告を行っているケースは珍しくありません。青色申告の承認が取り消されると、次のような損も発生します。
  • 損失の繰越控除や繰戻還付ができない
  • 30万円未満の固定資産を全額すぐに経費化できなくなる
  • 青色専従者給与として払っている家族への給与を経費計上できなくなる
  • 貸倒引当金の計上ができなくなる

これらはすべて節税につながる要素です。つまり、無申告をそのままにしておくとこれら節税のメリットが全部なくなり、税金が増えることになるのです。

ペナルティ3:財産が差し押さえられる

無申告の最悪の結果は「税務署に財産を差し押さえられ、結果失うこと」です。放置し続けてタダで済むわけではありません。

通常、確定申告の可能性があるのに申告しないままでいると、税務署からお尋ねが届きます。それも放置していると税務調査が入り、税務署の推計により所得額や税額が一方的に決定されることになります。

この決定すらも無視し、納税を放置すると、税務署から督促状が届きます。督促状をも無視していると、ある日、現預金や給与、車や自宅などの財産を差し押さえられることになるのです。

差し押さえられた後、「換価」という強制的に財産を金銭に換える手続きに入ります。最後、換価された後の金銭が未納の税金に充当されるわけです。

なお、この換価の手続きは所得税を含む国税を担当する税務署だけが行うわけではありません。住民税や国民健康保険税を扱う地方自治体や国民年金を扱う年金事務所も行います。所得税だけでなく他の税金や公的な保険料を滞納していると、あらゆる財産が差押になることもあるのです。

ペナルティ4:脱税として刑事告発される

無申告の税額が多額であり、かつ行為が悪質であると認められると「ほ脱犯」として刑事告発されることになります。世によく言う「脱税」です。

1.脱税か否かの判断基準

行為が悪質であるというのは、重加算税の項目でお伝えしたような「意図的なごまかしや隠蔽がある」ことです。ただし、重加算税が課されるからといって必ずしも刑事告発されるとは限りません。行為の悪質さの度合いや脱税額によって判断されます。

なお、以前は脱税額が1億円を超えると脱税として刑事告発されることが一般的でした。しかし最近は1億円以下でも脱税として告発されるケースもあります。

2.脱税とされたときの刑罰

所得税で脱税とされると、内容により次のように刑罰が決まります。
  • 単純無申告犯(正当な理由なく期限内申告をしない):1年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 申告書不提出(故意に期限内申告をしない):5年以下の懲役または500万円以下の罰金

加えて、これに無申告加算税または重加算税も払うことになります。

申告が遅れたときはどうすべきか

余計なお金やペナルティは誰でも困るものです。では、申告が期限内に行えなかったときはどうしたらよいのでしょうか。

対策1:一日も早く申告書を提出する

何よりも大事なのは「一日も早く申告書を提出する」です。これまでお伝えしたように無申告は「放置しておけばそのうち消える問題」ではありません。余計なペナルティで不利益を被らないためには、ひとまず所得額を計算し、確定申告書を提出するに限ります。

「そんな早く正確な金額を計算できない」という人も中にはいるかもしれません。このような場合には、ひとまず今できる範囲で所得額や控除額を計算し、申告書を提出しましょう。そして、後日、修正申告あるいは更正の請求といった手続きで正しい申告書を提出するのです。

修正申告を行うと、過少申告加算税という税金を余計に払うことになります。ただ、それでも無申告による不利益を被るよりはマシです。特に、青色申告を行っている人は、青色申告の特典を失わなくて済むため、とにかく期限内申告をしておいた方がメリットは大きいと言えます。

対策2:どうにもならない事態ならば税務署に相談を

一口に無申告といっても背景は様々です。うっかりでも意図的でもなく、どうにもならない事情で申告が間に合わないこともあるでしょう。お金の事情で申告したくないという理由もあるかもしれません。

台風や地震などで申告が期限内に間に合いそうにない場合は期限の延長という制度を使って申告を先延ばしにできます。また、延納という制度を使って期限内に納付すべき税額の半分以上を納めれば、残りの税金の納付期限を5月31日まで延長することができます。

ただし「どうにもならない事態である」と認められるのは、納税者の主観によるのではなく、税務署が客観的な状況を見た上で判断した後になります。こういったことからも、期限内申告が難しそうだと感じたら、一度税務署に事前相談した方がよいかもしれません。

対策3:忙しすぎるなら専門家を使おう


中には多忙すぎて確定申告が難しいという人もいるでしょう。そういう方は税理士や公認会計士などの専門家に確定申告を依頼するとよいかもしれません。時間をお金で買うことで、申告作業から解放され、本業に集中できます。また、素人には分かりにくい税制改正もきちんと対応してくれるため、ミスを防ぐこともできます。

ただ、専門家に依頼するので報酬が発生します。確定申告書の作成だけならば数万円で済みますが、仕訳入力から依頼すると10万円以上になります。「手間は省きたいけど、お金がかかりすぎるのはちょっと……」という人は、オンラインの会計ソフトを使って普段の記帳は自分で行うとよいでしょう。最後の確認と申告書作成だけ依頼するので、コストを抑えることができます。

確定申告の重要性をあらためて確認しよう

今回の記事で確定申告をしないでいると、損をするだけでなく最終的には自分自身の財産を失うリスクも生じることがお分かりいただけたかと思います。2020年はコロナウイルスの影響もあり、確定申告の期限が延期となり、さらに、その後の対応も柔軟に応じることが、国税庁から発表されています。必要な方はすぐにお近くの税務署へ連絡をしてみましょう。
いずれにしても、確定申告は所得税にかかわる国民の義務ですので、申告の必要な方は毎年、期限内に行うようにしましょう。
 

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