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2020.2.26

ロックフェラー家に学ぶフィランソロピーの真意

(写真=travelwild/Shutterstock.com)
(写真=travelwild/Shutterstock.com)
石油王のジョン・ロックフェラー氏は、フィランソロピー(企業などによる社会貢献)の先駆けとしても広く知られています。フィランソロピーの哲学は、世界最大規模の慈善団体ロックフェラー財団の運営を通し、一族の伝統として受け継がれています。

史上最も裕福な人物だったジョン・ロックフェラー氏

ジョン・ロックフェラー氏は、各地を転々とするセールスマンの息子として生まれ、薄給のオフィス務めから石油王へと、成功の階段を一気に駆け上がっていきました。簿記アシスタントとして働くかたわら、十代の頃から数々の小規模なビジネスベンチャーに乗りだすなど、ビジネスパーソンとしての才覚を発揮していました。

26歳の時、パートナー会社を買収し、化学者兼発明家のサミュエル・アンドリュース氏と新たな会社(後のスタンダード・オイル)を設立したことが転機となり、瞬く間に大富豪の地位を手にしました。

全盛期の純資産は、米国の年間総経済生産量の約1.5%相当に達していたというから驚きです。現代の価値で計算すると、ジェフ・ベゾス氏やビル・ゲイツ氏の純資産の2倍以上に値する、約2,800億ドル(約30兆円 *1米ドル=109円換算)相当に及びます。

母の教えと闘病生活で芽生えた「奉仕の喜び」

一生かかっても使い切れないほどの富を築いたロックフェラー氏は、1937年に他界するまで、大富豪としての人生の後半を慈善活動に費やし、フィランソロピーの概念を世界中に広めます。

同氏のフィランソロピーは、敬虔なプロテスタント信者だった母親の教えと、自らの闘病生活で体験した、「人に奉仕する喜び」に基づくものです。

自分の幸運がどこに根差すものかをロックフェラー氏は謙虚に認識しており、それは「神は私にお金をくれた」という口ぐせに現れていました。
 

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ロックフェラー財団に受け継がれるフィランソロピー

しかし、目指すべきフィランソロピーの方向性が、最初から定まっていたわけではありません。同氏は慈善活動の経験を得て、何千もの少額の寄付を行うより、問題の根底に取り組む機関に多額の寄付をするという、自分なりのフィランソロピー・スタイルを確立します。

「最高の慈善活動とは、常に最終的な解決法を模索するものだ。問題の原因を探し、その根源を排除するための取り組みである」

「世界中の人々の幸福を促進する」という使命のもと、ロックフェラー氏が1913年に設立したロックフェラー財団は、同氏が他界した後も、人権から貧困、環境、食糧、教育まで、広範囲にわたる社会問題の改善・解決に取り組んでいます。

現在のCEOは、ジョン・ロックフェラー氏の子孫であるジョン・デイヴィソン・J・ロックフェラー4世の妻、シャロン・パーシー・ロックフェラー夫人が務めています。

ロックフェラー家に受け継がれているフィランソロピーの哲学は、慈善活動が単なるトレンドや自己満足ではなく、世代を超えて受け継がれていくべき奉仕の精神であることを、私たちに教えてくれているのではないでしょうか。


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