経済・マーケット
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2019.12.9

ファンを増やして物を売る!ライバーが語る物販ビジネスの進化

(写真=zEdward_Indy/Shutterstock.com)
(写真=zEdward_Indy/Shutterstock.com)
経済産業省がまとめた「電子商取引に関する市場調査」の結果によると、国内の電子商取引(EC)市場規模は2010年から右肩上がりに拡大し続け、2018年には17兆9,845億円に達しています。EC市場の発展によって、ECとライブ動画配信を組み合わせた「ライブコマース」という新たなビジネスも生まれました。今回は、ライブコマース、ライブ配信サービスの現状についてご紹介します。

「ライブ」がビジネスになる

2020年春から、いよいよ5Gが始まります。高速・大容量の通信が可能になり、リアルタイムでのやり取りも低遅延で行えるという5Gが浸透すれば、これまで以上にライブコマース・ライブ配信分野は活況を呈することでしょう。

ライブ配信を通して商品の売買ができる「ライブコマース」

ライブコマースとは、ライブ配信者がインターネット上で商品の宣伝を行い、その商品を視聴者が配信画面からリアルタイムで購入する販売方法を指します。2017年ごろから注目され、複数のプラットフォームが生まれました。2018年に市場はさらに過熱する様相を見せました。

視聴者からの投げ銭で収益が得られる「ライブ配信サービス」

ライブコマースがライブ機能を使ってリアルタイムに物やサービスを販売する一方で、「配信者は何も販売しないにもかかわらず収益を得られる」のがライブ配信サービスです。ライブ配信サービスには「投げ銭」という機能があり、視聴者がアプリ内で課金して得たアイテムを、バーチャルギフトとして配信者に贈ることができます。配信者は、配信サービス事業者がユーザーの課金によって得た収益の一部を事業者から受け取る形で利益を得ます。

中国で人気のライブ配信サービスは、ライブコマースと同様に国内で今後さらに伸びる可能性が高い分野です。

ライバーにライブ配信サービスの現状について聞いてみた

ライブコマースやライブ配信サービスのように、配信者と視聴者がリアルタイムにつながりコミュニケーションを行うサービスが広がることで、さらに新しいビジネスが生まれるに違いありません。新規ビジネスのヒントを得るためには、ライブコマース・ライブ配信サービスの現状を知る必要があります。

現在の日本におけるライブコマース・ライブ配信サービスの現状について、ライバー(ライブ配信者)として活躍する現役大学生・秋山吏功(りく)さんにお話をうかがいました。

ライブ配信者からみたライブコマース・ライブ配信サービスの現状は

――秋山さんがライブ配信を始めたきっかけは何だったのでしょう?

秋山さん:私がライブコマースを始めたのは、2018年7月でした。ライブコマースや投げ銭式のライブ配信サービスのプラットフォームが続々と誕生していたこともあり、「これからはライブ配信でビジネスをする時代になる」と考えてのことです。

インターネット上でのコミュニケーションが活発化する中で、SNSもさまざまな変遷をたどってきました。文字によるコミュニケーションとしてのTwitter、写真を通してのコミュニケーションはInstagram、そして動画を共有してコミュニケーションを行えるTikTokと、より多くの情報がやり取りできるようになってきています。

そして、その次に求められるのは「リアルタイムでコミュニケーションを取れる動画配信サービス」ではないかと思い立ちました。2020年から5Gがスタートすれば、その傾向はより強まるでしょう。始めるのなら今だなと。

――ライブコマース・ライブ配信は現在どのような状況なのでしょうか。

秋山さん:ライブコマースやライブ配信におけるアジアでの先進国は中国です。中国では、ライブ配信サービスが人気を得た後、ライブコマースが普及しました。2019年には中国のEコマース企業アリババがライブコマース分野を独立させ、アプリ「淘宝直播(タオバオライブ)」をリリースするなど、ライブコマース市場はさらに活発化しています。

配信者の体感として、現在の日本ではライブコマースよりも投げ銭式のライブ配信サービスのほうがプラットフォームも多く、人気があると感じています。ライブコマースは5Gが全国に普及するタイミングで人気が出るのではと考えています。
 

動画共有サービスとは異なる魅力が利用者をとりこにする

――秋山さんが実際に配信者として活動している中で、ライブコマースやライブ配信のどのような部分に魅力を感じていますか?

秋山さん:私が最初に行ったのはライブコマースです。1回目の配信を行う前には、「誰も見てくれないのではないか」「何も売れないのではないか」という不安がありましたが、その予想はいい意味で裏切られました。

2018年の7月、1回目の配信を始めてすぐに視聴者が現れ、そこで販売したものも次々と売れていったのです。販売したものも自分が読んだ本や服など身近にあるもので、販売のために新たに投資をする必要もありませんでした。

それから視聴者とコミュニケーションを取りながらモノを売るライブコマースにのめりこみ、2019年の1月には、とあるプラットフォームで人気ランキング1位を獲得しました。そこで得たファンは今でも私の活動を支えてくれています。現在は、投げ銭型のライブ配信サービスにも力を入れています。

――リアルタイムで配信者と視聴者がコミュニケーションを取るという点で、ファンを増やすためには動画共有サービスとはまた違った戦略が必要になりそうです。秋山さんが考えるライブ配信攻略の秘訣を教えてください。

秋山さん:私がライブ配信でファンを増やすために注力しているのが、「視聴者をいかに喜ばせることができるか」という点です。動画共有サービスでは、配信者が一方的に語りかける形になってしまいますが、ライブ配信では視聴者とのコミュニケーションが必要になります。

ここでのコミュニケーションは、自分の話ばかりをするのではなく、視聴者から話を引き出すことが大切です。さまざまな視聴者がいる中で、それぞれの話を聞き特徴を捉え、語りかけに反応するスキルが求められます。

――配信者として感じるライブ配信ビジネスの課題などはありますか。

秋山さん:ライブコマースやライブ配信のウィークポイントは、ライブ配信中しかマネタイズ(収益化)できないという点です。ライブ配信市場が拡大し成長していく中で、新しいビジネスが生まれ、育ち、配信中以外でもライバーに利益が生まれるようなシステムが確立することを願っています。
 

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ライブ配信サービスから生まれるビジネスチャンス

総務省の「令和元年版 情報通信白書」には、2000年から2015年の間にテレビの視聴時間が減り、インターネットの利用は増加していると明記されています。5Gが普及していつでもどこでも高速回線を、料金を気にせず利用できるようになれば、あらゆる年齢層にライブ配信サービスが広がっていくことでしょう。

そうなれば、ライブ配信プラットフォーム事業だけでなく、ライバーとのタイアップで売り上げを伸ばす、新たなライバーを発掘する、コンサルティングやプロダクション、マネジメントなど、さまざまな事業展開が考えられます。次なるビジネスチャンスを生むであろう、ライブコマース、ライブ配信サービスに要注目です。

プロフィール
秋山吏功(あきやま・りく)さん
1997年生。玉川大学経営学部国際経営学科在籍(2019年11月現在)。
将来的にライブ配信関連のビジネスが伸びると考え、2018年7月にライブコマースを開始。スタート当初から固定のファンが付き、2019年1月に某ライブコマースプラットフォーム内で人気ランキング1位を獲得。
※写真はご本人様ではございません

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