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2019.11.9

アジアNo.1ワインはどっち?インドワインvs.タイワイン

(写真=Lisa Holmen Photography/Shutterstock.com)
(写真=Lisa Holmen Photography/Shutterstock.com)
ワイン文化は富裕層、文化人、一流のビジネスマン、とって身につけたほうがよい嗜みの一つです。欧米では、ワインの授業を設けている学校すらあるくらい、ワイン=教養として考えられています。そのため、ワインの名産といえば、ヨーロッパをはじめとして欧米のイメージが強いですが、いまや、グローバル化の進展でワイン文化は世界中に広がりました。昨今ではアジアのワインもクオリティが向上しています。

特にインドの「SURA」(スラ)とタイの「Monsoon Valley」(モンスーンバレー)が、富裕層やビジネスマンに評判です。旅先でご当地ワインを飲むのは旅の楽しみの一つ。インド、タイの2ブランドを含め、知られざるアジアのワインを紹介します。

世界ブランドに成長したインドワイン「スラ」

インドワインで有名な「スラ」ブランドのワインは、その筆頭です。すでに、日本でも欧州各国でも販売されていて、三つ星シェフのアラン・デュカスの店でもサーブされています。「スラ・ヴィンヤーズ」のワイナリーは、インド西部の都市ムンバイから約180キロ北東に離れたナシクの町にあります。ここの気候がブドウ栽培に適しているとわかり、1997年から栽培が始まりました。

初めてワインができたのは2000年で、品種はソーヴィニヨン・ブランとシュナン・ブランの2種類だけでした。それがいまでは、メルロー、シラー、ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨンなどのワインも生産されています。

オーナーのラジーブ・サマント氏は、シリコンバレーでファンドマネージャーをしていたので、ナパ・ヴァレーの手法を用いて生産されています。そのため、欧州ワインより、カリフォルニアワインに近く、アメリカ人好みとされます。

紀元前4世紀頃からワインづくり

「スラ」ワインで評判なのが、「スラ・ソーヴィニヨン・ブラン」(白)。ハーブを彷彿とさせるアロマ系で、白ワインなのにカレー料理とよく合います。インド人ビジネスマンは、海外からのゲストにカレー料理とともにこれを勧めて「お国自慢」をします。

インドでは、紀元前4世紀頃からワインづくりの文化が栄えてきました。イギリスの植民地時代には、ワイン生産が奨励されました。しかし、19世紀末に禁酒令が発布されて、一時期ワイン生産ができなくなりました。

それが、1980年代からの世界的なワインブームで復活し、近年は経済発展とともにワインを楽しむ層が増えています。

カオヤイ国立公園にある2つのワイナリー

タイワインは、アジアのワインのなかでは、インドワインに匹敵する人気を誇っています。あの常夏の国にご当地ワインがあるのかと思う方もいるでしょうが、タイには東南アジアで最大級のワイナリーがあります。東南アジアのワイン好きの富裕層は、ワイナリーに泊まって現地料理といっしょにタイワインを楽しみます。

タイのワイナリーで代表的なのが、カオヤイにある「PBバレー・カオヤイ・ワイナリー」と「グランモンテ・アソーク・バレー」です。どちらも、バンコクから車で約3時間、タイの避暑地として有名な世界遺産・カオヤイ国立公園内にあります。

近年、オーストラリア他で数々の賞を受賞、APEC首脳会議にも提供され、バンコクの一流レストランならどこでも置いてあるので、日本人ビジネスマンにも人気があります。

タイワインは太陽の恵みがいっぱい

「カオヤイ・ワイナリー」で勧められるのは、『ピロム・カオヤイリザーブ・テンプラニーリョ』(赤)です。酸味とタンニンのバランスが取れていて、フルボディが好きな人なら堪能できるワインです。

カオヤイは高原のため、タイとは思えない涼しい気候です。日本で言えば軽井沢のような気候でしょう。そのため、スペイン原産のテンプラニーリョのような欧州種のブドウも栽培できるのです。タイは乾季と雨季が明確に分かれていて、乾季にはほとんど雨が降りません。そのため、ブドウは豊富な太陽の日差しを浴びて育ちます。カオヤイのワインは、太陽の恵みがいっぱい詰まったワインと言えます。

バンコクでのビジネスディナーの席でカオヤイのワインを頼むと、現地のクライアントは喜びます。タイでは最高級のワインとされるからです。

「モンスーンバレー」はタイNo.1ブランド

タイワインと言うとカオヤイのものも有名ですが、現地の人が必ず勧めるのが、「モンスーンバレー」というブランドです。このワインは、「サムアム・ワイナリー」が生産していて、この会社はタイ王室の保養地があるホアヒン、バンコクの北東に位置するサラブリ、水上マーケットのあるサムット・サコーンの3ヵ所に、ブドウ園を所有しています。

一番人気は、『モンスーン・バレー・ホワイト』。タイ原産種のマラガブランというブドウの種を主体にほかの品種がブレンドされていて、どちらかと言うとフルーツワインに近いワインです。パインやパッションフルーツの味わいが楽しめます。

サムアム・ワイナリーの一つ、サムット・サコーンでは、ブドウ園が水上に浮かんでいます。水路の間に浮かぶ陸地でブドウが栽培されていて、採集は小舟に乗って手摘みで行われています。こんなワイナリーは、世界中どこにもありません。

ベトナムとインドネシアのワインも忘れてはいけない

アジアワインは、インド、タイだけではありません。いまでは、ほとんどの国でワインがつくられています。かつてフランスの植民地だったベトナムでは、ハノイ近くのバ・ヴィー高地で、フランス人によってブドウ栽培が行われ、昔から自家製ワインがつくられてきました。その伝統があるので、ベトナムワインのクオリティは高く評価されています。

なかでも有名なのがリゾート地としても有名なダラットでつくられている「ダラットワイン」。カーディナルワインの一種で、マルベリー(桑の実)を加えているので、ほんのりとした酸味と苦みが特徴で、これがベトナム料理によくマッチします。

インドネシアにもご当所ワインがあります。観光地バリ島では、イスラム国で飲酒が禁止されているにもかかわらず、ワインがつくられています。有名なのが『ハッテンワイン』。バリ島のレストラン、バーに行けばどこにでも置いてあり、スーパーでも売られています。

マレーシア、ミャンマーなどでも、近年はワインがつくられています。
 

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シンガポールでは豪州ワインが人気?

東南アジアの中心は、シンガポールです。この富裕層都市には、数多くのワインバーがありますが、人気はやはりオーストラリアワインです。アジアのワインも置いてありますが、やはり、距離的に近くクオリティが高いオーストラリアワインが、コストパフォーマンスがいいようです。

不思議なことに、シンガポールはオフショアだというのに酒税が高く、ビール→ワイン→日本酒→ウィスキーの順に税率がアップしていきます。そのため、ワインバーで、バイザグラスでワインを頼むと、日本のワインバーの値段の倍ほどになります。いずれにしても、ワインは現地産のものを楽しむのがいちばんです。
 

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