経済・マーケット
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2019.6.29

クラウドファンディングで考える金融業界の革命

(写真=Wright Studio/Shutterstock.com)
(写真=Wright Studio/Shutterstock.com)
日本ではまだ馴染みの薄い「株式型クラウドファンディング」ですが、将来有望な非上場企業の株を少額から購入することが可能な新しい投資手法として、金融業界に革命を起こす可能性を秘めています。

メリット、デメリットを正しく理解した上で、ベンチャー企業を支援するための投資手段として上手に利用してみてはいかがでしょうか。

次世代投資「クラウドファンディング」

クラウドファンディングはインターネット上で不特定多数の群衆(クラウド)から、アイデアやプロジェクトを実現するための資金を募る・提供する(ファンディング)という、新たな投資手法です。

クラウドファンディングには以下の5つの種類があり、それぞれに特徴があります。

・購入型
・融資型
・寄付型
・ファンド投資型
・株式型

資金提供に対する報酬という点では、寄付型は基本的にリターンなし、購入型はリターンとして商品やサービスを受け取れるのに対し、融資型・ファンド投資型・株式型では金銭的リターンが期待できます。

株式型クラウドファンディングが注目されている理由

株式型クラウドファンディングは、新規ビジネスや事業拡大の資金を必要としているスタートアップや中小企業に、複数の投資家が出資を行う仕組みです。

一般投資家には公開されていない非上場企業株を購入する手段として、日本証券業協会が将来有望なスタートアップ株の売買の機会を提供する目的で1997年にスタートさせた「グリーンシート制度」が挙げられます。

しかしグリーンシート銘柄は2018年に廃止されたため、現在は株式型クラウドファンディングが非公開株を購入する新たな手段として急速に注目を集めています。

株式型クラウドファンディングのメリット

株式型クラウドファンディングを利用して非上場企業に投資することで、税制の優遇措置や高い投資リターンなどさまざまなメリットが得られます。ここでは主なメリットを3つ紹介します。

メリット1 非上場企業株を少額購入できる

「インターネットを通して、非上場企業の株を少額から購入することが可能」という点が、株式型クラウドファンディングの最大の特徴であり、メリットでもあります。

メリット2 エンジェル税制の対象である

「エンジェル税制」とはベンチャー企業への投資促進を目的とした、個人投資家向けの企業応援税制です。対象条件を満たしている場合、優遇措置が受けられます。

メリット3 将来的に大きなリターンを狙える

株式型クラウドファンディングで投資した企業が、将来上場あるいはM&A(合併・買収)した場合、予想外のリターンを狙える可能性があります。

株式型クラウドファンディングのデメリット

次に、株式型クラウドファンディングのデメリットを3つ紹介します。

デメリット1 優良株の見極めが難しい

インターネットという仮想空間での取引である点を考慮すると、株式型クラウドファンディングを介した優良株を見極めるためには、念入りな事前調査と慎重な判断が必須です。

デメリット2 自由に売買できない

上場株のように、必要に応じて自由に売買できない=即座に換金できない点に注意が必要です。ただし将来的に上場を果たした場合は、自由に売買することが可能になります。

デメリット3 金額の上限が決められている

一企業が株式型クラウドファンディングを通して発行可能な総額は年間最高1億円、投資家一人あたりが一社に投資できる金額は年間50万円と、上限が設けられています。上場企業株のように、好きな企業に好きなだけ投資することはできません。

投資家保護目的で設けられた上限であるため、大損失のリスクを緩和するメリットでもあります。

株式型クラウドファンディングが変える金融の未来

これまで企業が資金を調達する手段として、上場や銀行融資が主流でした。しかし株式型クラウドファンディングの登場により、わざわざ複雑な手続きを踏んで上場したり融資を受けたりしなくても、投資家に株を買ってもらえることで資金調達が容易になると考えられます。

日本では株式型クラウドファンディングを取り扱っている業者が非常に少ないものの、着実に市場規模を拡大しています。金融庁が日本証券業協会のデータに基づいて作成した資料からは、第一種少額電子募集取扱業者による株式投資型クラウドファンディングの取扱い総額が、2017年4~6月にはわずか1件、総額約1,400万円だったにも関わらず、同年10~12月には合計14件、総額4億円を上回る急成長を遂げたことが明らかになっています。

株式型クラウドファンディングが先行している米国では、2014年の時点で主要クラウドプラットフォームによる総額が約1億 7,300万ドル(約190億円)と推定されていました(ウェルスフォージ調査)。

クラウドファンディングは誰もが気軽に投資を楽しめる環境を提供するとともに、既存の金融産業のエコシステムそのものを大きく様変わりさせていくことでしょう。
 

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