現代社会では「お金の教育」が子どもの自立に不可欠です。しかし、残念ながらお金についてのノウハウは学校では十分に学べません。どのような場所で知識や経験を得ることができるのか、具体的な方法を解説します。
お金の教育は普段の生活から学べる!
お金の教育と聞くと、企業などが開催する体験イベントやセミナーを想像しがちですが、大人がおぜん立てをした1回きりの体験をしても、あまり多くは身に付きません。
そもそもひと口にお金の勉強と言っても金融や流通の仕組み、お金を稼ぐ方法、限られた予算でやりくり、お金の有効な使い方などさまざまです。英語の勉強に単語・文法・長文読解・英文作成・リスニング・スピーキングが含まれるのと同じです。そんな多様なお金の勉強を、読書や授業だけでするのには無理があります。
何事も実体験を通して学ぶことが一番です。私達の生活にお金が関係しないものはほとんどありません。その一部を疑似体験もしくは体験することで、子どもにとっては十分なお金の勉強になります。つまり、日常生活から学べるのです。
子ども向けお金の教育の事例
いくつか例を見てみましょう。
「買い出し」
勉強にもお手伝いにもなって一石二鳥なのが買い物です。「おつかい」ではないのがポイント。買い物リストの作成から実行まで子どもに任せます。たとえば「3,000円でカレーに必要な材料を買ってきて」のように頼みます。レシピなどを見ながら必要なものを書きだし、予算内で買い物ができるかの練習になります。その際、冷蔵庫や戸棚の在庫チェックもしましょう。
「ボードゲーム」
遊びながら学ぶ方法として最適なのはボードゲームではないでしょうか。家族のコミュニケーションにも役立ちます。定番は『人生ゲーム』です。ある程度幅広い年齢層でも遊べて、仕事は職業によって給料に差があること、銀行や株券(と借金)の存在を知ること、家の購入には大金が必要なこと、その時の選択によって人生が左右されることなどが学べます。慣れてくると銀行係をさせるなど工夫もできますね。
『モノポリー』は投資することによる資産形成について学べます。土地の買収や建物の増築、賃貸収入など主に不動産に関するお金の勉強ですが、有利に買い占めを進めるにはどうしたらいいかなど大人でも頭を使うゲームです。最終的には他のプレーヤーを破産させることが目的なので、兄弟げんかにならないようにしましょう。
「フリーマーケット」
本物のお金を扱うという点でリアルなお金の勉強と言えるのがフリーマーケットへの出店です。商品の準備から値付け、当日の販売、売り上げの計算までできるだけ子どもにやらせることで、非常に多くのことが学べます。地域のフリーマーケットでもいいですが、子どもだけが参加できるキッズマーケットを開催しているところもあります。
子どものお金の教育に不可欠な要素3つ
紹介したお金の学び方のように、お金の教育は一見すると「ありきたり」であることが重要です。お金は特別なものではなくごく日常的なもので、肌感覚で学ぶことが大切なのです。それ以外にも不可欠な要素が3つあります。
子どもが主体となること
子どもは、大人からこうしなさいと言われることに飽き飽きしています。自主的に取り組むことによりモチベーションが上がり、学んだことが身に付きやすくなります。
繰り返し行うこと
一度きりの体験会に行くだけでは、喜びや反省が次に生かせません。何度も繰り返し行うことでどんどんスキルを上げていくことができます。
楽しいこと
子どもが楽しんで取り組めることが何よりも大切です。その際、大人も楽しんで見守れる勉強であることが長続きの秘訣です。
金融広報中央委員会が運営する「知るぽると」というサイトでは、一般向け・教育関係者向けに金融経済教育に関する情報を提供しています。子どもに関しては「お金のしつけ」のコーナーで専門家のアドバイスが閲覧できるほか、教育関係者向けの教材・指南書も一般家庭で役に立ちそうです。また、金融庁の「小学生のみなさんへ」のサイトでも、お金のことを学べるゲームなどを紹介しています。参考にしてみてください。
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