キャリア・教育
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2019.5.14

長年培ってきたビジネスキャリア、数百万円の会社購入で活かせるかも?

(写真=VGstockstudio/Shutterstock.com)
(写真=VGstockstudio/Shutterstock.com)
ロンドン大学教授のリンダ・グラットン教授とアンドリュー・スコット教授の共著である「ライフ・シフト」によって広く広められた「人生100年時代」。2007年に日本で生まれた現在12歳の子供たちの約半数が107歳まで生きるだろうという、衝撃の内容が盛り込まれています。しかし、この本の論調は、この来たる100年時代をネガティブに捉えず、むしろこの長い期間をどう楽しく生きていくか、ということに重きを置いて書かれています。

ちょうど50歳を迎えるころから、そろそろ60~65歳の定年という会社員のゴールが見えてくるのを契機に、その後の長い人生をどう生きていくかを模索し始める方々が多くいるのではないでしょうか。

会社を買ってオーナー社長になる

その一つの選択肢として、会社員が会社を買う、という選択肢が密かに人気を集めています。(「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 三戸政和著 講談社+α新書」)
当然会社を買うということは、その会社の株式をM&Aで購入し、オーナー社長になることを意味します。

ご存じの通り、日本の中小企業は大廃業時代を迎えています。2018年1月に中小企業庁により発表された「中小企業・小規模事業者政策について」によりますと、「今後10年に70歳(平均引退年齢)を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、うち約半数の 127万人(日本企業全体の1/3)が後継者未定。現状を放置すると、中小企業廃業の急増により、2025年頃までの10年間累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが 失われる可能性。特に地方において、後継者問題は深刻。」との衝撃の発表がありました。

このような状況下で、定年前後の方々が、廃業を余儀なくされる会社の「箱」を買って、資本家になろうという発想です。

同じく2018年12月、野村総合研究所から「日本の富裕層は、127万世帯」というレポートが出ました。これによりますと、純資産5千万以上1億円未満の準富裕層が322.2万世帯、1億円以上5億円未満の富裕層が118.3万世帯、さらにその上の5億円以上の超富裕層は、8.4万世帯だそうです。会社を買うことで、富裕層以上の層に入ることを目指そう、という考え方が、この書籍に書かれています。

もう一つのポイントは、「オーナー社長」です。この意味合いは、全株式を自分で所有する、ということです。これにより、自分の意のままに会社経営を行うことができるのです。

お金だけじゃない、「自分のキャリアを生かす」という選択肢

そういうと、お金だけを目的にしたセカンドキャリアだと思われがちですが、実はそうではなく、まさにグラットン教授らが提唱しているマルチステージ社会の「インディペンデント・プロデューサー」がこれに該当するのです。例えば大企業で管理職として積んできたキャリアを、新たなステージである中小企業の社長というステージで開花できるなら、それは自分自身にとっても、そして後継者不足に悩む中小企業にとっても、win-winの関係になる可能性を秘めているのです。

特に大企業の管理職を勤めてきた方々であれば、部下を10人束ねた経験があるはずです。大企業では、当たり前だった仕組みが、中小企業では全く導入されていないことも大いにあり得ます。このような経験を活かし、中小企業を再活性化できれば、ご自身の最高のキャリアの総仕上げとなるのではないでしょうか。

会社経営は、うまくいけば最高の投資

定年近くまでキャリアを積んできた方々であれば、いくばくかの貯蓄があると思います。さらにもし退職金が出れば、それを足すとかなりの金額になるかもしれません。定年後のよくあるパターンですが、これを株式投資やFXなどにつぎ込み、元金を減らしてしまう例もよく耳にします。勿論、老後資金を増やすために投資は必須だと考えます。しかし、もう一つの選択肢として、「会社を買う」という選択肢もあるのではないでしょうか。

例えば、上記の本のタイトルの通り、300万円で会社を買い、上手く経営を回すことで、税引き後利益が年間100万円出ると仮定しますと、なんと実質利回りで年33.3%となるわけです。これを10年間続けますと、インカムゲインが1,000万円です。このミソは、税引き後利益で見ている点です。財務諸表が少しわかる方であれば、販管費の中に役員報酬があるのはご存じだと思います。実は、中小企業が赤字になっている理由の大部分が、オーナー社長が過大な役員報酬を取っているケースがあります。これをごく普通のレベルにまで下げれば、黒字法人に化ける中小企業はごまんとあります。役員報酬を自分の生活費に充てた後のインカムゲインで、1,000万円です。

そして、もし10年間で1,000万円の累積黒字が出せれば、10年後会社を1,000万円で売却することができます。もしかすると、それ以上で売却できる可能性もあります。これがキャピタルゲインです。
そうすると、10年間オーナー社長の手元に入ってくる金額は、役員報酬(これは事業の様子で変わる)+インカムゲイン1,000万円+キャピタルゲイン700万円(=1,000万円-300万円)の1,700万円以上になります。

この仕組みは、何かに似ていないでしょうか。そうです、不動産投資とほぼ同じ仕組みです。ですから、会社という「箱」に投資してIRR(内部収益率)を最大化することが最終ゴールとなるわけです。

これは机上の空論だと思われる方がいらっしゃるのは、十分承知しています。しかし、リスクを十分コントロールしながら会社経営を行うのも資産運用の一方法であり、さらにセカンドキャリアの選択肢の一方法なのではないでしょうか。
 

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