実現に向かう「自動運転」、安全性だけにとどまらない世界を変える可能性

(写真=beeboys/stock.adobe.com)
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映画の中だけの「夢のクルマ」とも言われた完全自動運転車の実現・普及が、すでに現実味を帯び始めています。条件付きの一部自動運転が日本で解禁され、海外では自動運転タクシーの商用サービスも開始されました。世界中でいま熱いキーテクノロジーの現在地を確認してきましょう。

世界のリーディングカンパニーは商用サービスをすでに開始

2020年4月に道路交通法などが改正され、日本で「自動運転レベル3」(条件付き運転自動化)が解禁されました。完全自動運転の段階を指すレベル5に向けた重要なステップで、まず人の責任下において、高速道路などでの手放し運転などが可能になります。

そんな自動運転技術は、いま日本企業を含む世界の各社が競うように開発を進めています。米調査会社Guidehouse Insightsの自動運転技術開発ランキングを読むと、どんな企業がこの領域のリーディングカンパニーとなっているかを知ることができます。

1位:ウェイモ(アメリカ)
2位:フォード(アメリカ)
3位:クルーズ(アメリカ)
4位:バイドゥ(中国)
5位:インテル・モービルアイ(アメリカ・イスラエル)
6位:アプティブ・ヒュンダイ(アイルランド・韓国)
7位:フォルクスワーゲン(ドイツ)
8位:ヤンデックス(ロシア)
9位:ズークス(アメリカ)
10位:ダイムラー・ボッシュ(ドイツ)

1位のウェイモはGoogleの自動運転開発部門が独立する形で2016年12月に設立した企業で、2018年12月からアメリカ国内で自動運転タクシーの商用サービスを世界で初めて開始し、すでに一部で安全のために同乗するセーフティドライバーなしでの運用も始まっています。

2位のフォードと3位のGM系クルーズはともに自動車メーカー系の企業ですが、4位のバイドゥや5位のインテルがIT企業という点にも注目したいところです。

自動運転においては車両製造だけではなくAI(人工知能)を含むソフトウェア開発も重要で、優秀なエンジニアを多く抱えるIT企業の台頭が目立ってきています。

 

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事故死ゼロ、そして移動コスト削減とクルマ自体の革新も期待される

自動運転技術の開発の第一の目標は、手動運転による事故死を限りなくゼロに近づけるということです。世界において24秒に1人が交通事故で死亡しているというデータ(WHO/2018年)もある中、自動運転技術の開発は命を守るための手段として開発されているのです。

ただこうした安全面だけではなく、自動運転化によって移動コストが大きく下がることにも注目されています。従来のタクシーでは運転手の人件費が必要でしたが、自動運転化されれば人件費ゼロで、車両が移動したい人を目的地まで届けてくれるからです。

完全自動運転車が実現すれば、人が運転に関与する必要が完全になくなるため、ハンドルやペダル類も不必要になります。そのため車室デザインの自由度も増すことになり、各社によりコンセプトカーとして、未来的なデザインの車両が続々と発表されています。

トヨタもWoven Cityで実証本格化、国内での注目度もますますアップ?

自動運転車は個人の移動だけではなく、モノの輸送にも使えます。そのため、少子高齢化で人手不足の日本においても非常に活躍が期待されています。

トヨタも静岡県に「Woven City(ウーブン・シティ)」という実証都市を2021年に着工し、自動運転技術の実証を本格化させようとしています。今後ますます国内における自動運転の注目度は高くなっていくことでしょう。

文・岡本 一道
政治経済系ジャーナリスト。日本の国内メディアと海外メディアの両方でのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会・文化など幅広いジャンルにおけるトピックスで多数の解説記事やコラムを執筆。ニュースメディアのコンサルティングなども手掛ける
 

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