キャリア・教育
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2020.8.17

シャネルの生みの親ヴェルテメール家。競走馬オーナーとしての顔とは?

(写真=Azaliya (Elya Vatel)/stock.adobe.com)
(写真=Azaliya (Elya Vatel)/stock.adobe.com)
シャネルといえば、ココ・シャネルやカール・ラガーフェルドといった一流デザイナーがアイコン的存在として有名ですが、共同創業者であるヴェルテメール家が表舞台に出ることはあまりありません。実は、彼らが持つ巨万の富の裏側には、シャネル以外に代々受け継がれている巨大な収入源があります。

ヴェルテメール家とシャネルの歴史

ヴェルテメール家とシャネルの歴史は、ピエール・ヴェルテメールと兄のポールが、シャネルの美容製品の販売および生産を行うソシエ・デ・パルファム・シャネルを、ココ・シャネルと共同設立した1924年に遡ります。

ピエールとポールはパリに移住したユダヤ商人の一家に生まれ、当時、フランスのコスメブランド、ブルジョワ(BOURJOIS)の共同経営者として活躍していました。

後にシャネルの経営権の半分以上をピエールとポールに握られたことに不満を抱いたココは、第二次世界大戦中にユダヤ人の企業所有を禁ずる法律を利用して、ピエールとポールからシャネルの経営権を剥奪しようと法的手段に訴えました。しかし数十年にわたる裁判の末に敗訴したという裏話もあります。

ピエールの引退後、息子のジャックを経て、現在はピエールの孫であるアランとジェラール兄弟が事業を受け継いでおり、華やかなスポットライトの影でシャネルを支え続ける重要な存在として、ビジネスの手腕を発揮しています。

米フォーブス誌2020年6月7日のデータによると、ヴェルテメール兄弟は1人あたり269億ドル(合計538億ドル)もの純資産を所有しており、それぞれ世界で48番目のお金持ちです。

 

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数々の名競走馬を育てた、世界トップクラスの競走馬オーナー

巨額の富の収入源となっているのは、シャネルだけではありません。競走馬オーナーはシャネル同様、ピエールから息子、そして孫へと受け継がれたもう1つの事業であり、その歴史はソシエ・デ・パルファム・シャネルよりも長く続いています。

競馬に情熱を抱いていたピエールは競走馬とサラブレッドの繁殖事業を設立し、1911年にレースで初勝利をおさめます。1920年代初頭には「エピナール」が初のチャンピオン・サラブレッドの王冠を勝ちとり、1956年には「ラヴァンディン」が競馬の聖地といわれる英国のエプソム競技場で毎年開催される、エプソムダービーを獲得しました。

さらに1993年には「コタシャーン」がブリーダーズカップ・ターフ、2003年には「ハーフブライドルド」がブリーダーズカップ・ジュヴェナイル・フィリーズ・ターフ、「ゴルディコヴァ」が2008~2010年にわたりブリーダーズカップ・マイル3連覇を成し遂げるなど、数々の名競走馬をレースに送り込みます。

またヴェルテメール兄弟はワインの産地として有名な米カリフォルニア州ナパ・ヴァレーに1つ、フランスに3つ、ブドウ畑も所有しています。

こうしたヴェルテメール家の歴史から、3代にわたる巨額の富は、複数の事業基盤を確立することで成し得たものであることがわかります。
 
文・Allan
国際コンサル企業などの翻訳業務を経て、ファイナンシャルライターに転身。現在は欧州を基盤に、多数の大手金融メディアで執筆活動中。国際経済から投資、資産運用、FinTech、ビジネス、行動経済学まで、広範囲に渡る「お金の情報」にアンテナを張っている
 

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