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2020.8.2

バッタの大群発生で「食糧危機」も。「駆除する」「食べる」「飼料にする」世界の対応策

(写真=patipas/stock.adobe.com)
(写真=patipas/stock.adobe.com)
東アフリカで大量発生したバッタが、中東やインド、中国にも飛来し、各地で農産物を食い荒らすという被害が拡大しています。収束までに15年を要した過去の大災害に「匹敵する」とも予想され、食料危機への懸念が高まっています。いま世界的にこのバッタの大発生に対する対策が求められています。

脅威の移動力・繁殖能力を誇るサバクトビバッタ

各国の政府や関係当局が警鐘を鳴らしているのは、サバクトビバッタ(別名エジプトツチイナゴ)と呼ばれるバッタの大群で、通常単独で行動するものの、湿った砂地にのみ産卵するという特性から大雨の後は異常繁殖し、群れをなして1日に約145kmも移動するといわれています。

また孵化してから2~3週間で繁殖活動が始まり、約5日おきに50~100個の卵を産むなどという驚異的な繁殖能力を誇ります。

最も被害を受けている地域は、東アフリカとイエメン、湾岸諸国、イラン、パキスタン、インドですが、中国やコンゴ民主共和国、クウェート、バーレーン、カタール、イランの海岸沿いなどにも広がっており、6月のモンスーン(東南アジアに吹く季節風)の影響で、さらに爆発的に増加する可能性を、専門家は懸念しています。

2020年3月の時点で5,200万ドル相当の救済支援金が世界各国から集められたものの、国連が要請している1億3,800万ドルにはほど遠く、さらなる支援が必要です。
 

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駆除するだけではなく、食料や飼料として活用

現時点では被害を食いとめる手段として、殺虫剤を広範囲に散布するといった対応策が講じられています。その一方で、夜間は木の上で過ごすというバッタの習性を利用して、あらかじめ仕掛けておいたトラップに集めるなど、殺虫剤を使用しない方法で捕獲し、タンパク質・ビタミン源として活用するといった試みも提案されています。

紛争で飢餓が深刻化したイエメンでは栄養価の高い食料として食されているほか、昔から糖尿病を含むさまざまな治療に用いられてきたといいます。

またパキスタンではパンジャーブ州の村人たちが集めたサバクトビバッタを当局が買い取り、乾燥させて粉末状にし、鶏の飼料に混ぜるといった実験も行われています。

万が一に備え、バッタの駆除専門家の育成も必要

発生後の対処策は重要ではあるものの、発生を未然に防ぐに越したことはありません。

そのためには発生地域や群れの動きを逐一モニタリングする一方で、いまだ特定されていない野外での生態パターンを研究し続ける必要があります。

またケニアやエチオピアなどには、すでに殺虫剤の散布に精通した専門家がいます。まだ被害にあっていない国もこれらの国から最新のデータを収集するとともに、万が一に備えてバッタ駆除の専門家を養成し、地元の地形や気候に適した対応策を準備しておくことで最悪のシナリオを回避できるのではないでしょうか。
 

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