キャリア・教育
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2020.3.20

役員はつらいよ……もらったボーナスも失敗したら没収される「クローバック条項」とは

(写真=Sinart Creative/Shutterstock.com)
(写真=Sinart Creative/Shutterstock.com)
東京商工リサーチによると、上場企業2,400社の役員のうち1億円プレーヤーは564名(2019年3月期決算)にのぼり、過去最高を記録しました。しかし、業績連動賞与や報酬の減額など役員も楽ではありません。さらに追い打ちをかけるのが、「クローバック条項」です。

ボーナスが没収されるクローバック条項

クローバック条項とは「賞与などの業績連動報酬を事後的に強制返還させるルール」で、業績の大幅悪化、買収後の巨額損失処理、不正経理などが発覚した場合に発動されます。

欧米では、リーマンショックで経営者が業績悪化の責任を取らず、高額報酬を持ち逃げする事態が相次いだ反省として、クローバック条項の導入が進みました。

アメリカでは製造業での導入割合が9割以上に達しています。アップル、ジョンソン・エンド・ジョンソン、エクソンモービル、ユニリーバといった著名グローバル企業が同条項を導入しています。実際に、米大手銀行ウェルズ・ファーゴの不正営業問題では同条項が発動され、ジョン・スタンプCEOら2名から150億円が回収されました。

日本においても日本取締役協会により改定(2016年)された「経営者報酬ガイドライン」に、不正時には過去に遡って報酬返還する「クローバック条項」の明記が盛り込まれました。

野村HD、みずほFGなど日本でも導入が進む

最近では日本でも、野村HD、アサヒグループHD、ヤマハ、みずほFGなど導入企業が増えています。2019年には武田薬品工業の総会で、クローバック条項の導入を求める株主提案(特別決議事項)が提出されました。

賛成票は52.2%と過半数を超え、投資家の厳しい姿勢が明らかになりました。特別決議事項は3分の2以上の賛成が必要であることから同議案は否決されていますが、投資家をはじめ広く話題を集めることとなりました。

近年、日本企業の役員報酬は高額になりつつあります。投資助言機関ISSやグラスルイスがクローバック条項の導入を推奨していることもあり、今後も導入企業は増えていくでしょう。


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